近年、Webサイトやアプリを訪問したユーザー情報の広告利用を規制する動きが加速しています。
日本でもCookieを利用したWeb広告手法の規制が進めば、Instagram広告の運用にもCPA高騰などの影響が出ることが予想されます。大きな方針転換が求められることでしょう。
解決策として考えられるのは、トリプルメディア(ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディア)を統合的に組み合わせて活用する方法です。
アドテク規制の現状と予測できる未来から、トリプルメディアの統合的な活用でシナジーを発揮することの重要性を解説します。
サードパーティーCookie規制が迫る方針転換
2020年6月、Apple社はアプリやWebサイト上でのトラッキングについてユーザー側がトラッキングを許可しなければ、ユーザー履歴を得られない方針へとポリシーを変更することを発表しました。変更は2021年に適用されています。
参考:アップル「IDFA」変更で広告業界騒然、フェイスブック猛烈抗議:日経クロストレンド
Google社も、2021年6月にChromeにおけるサードパーティーCookieを段階的に廃止することを発表しました。
参考:「Google、ChromeでのサードパーティーCookie廃止を2023年まで延期 アドテク各社がコメント:これからどうなる?」 ITmedia マーケティング
プライバシー保護という観点から、サードパーティCookieがますます使えなくなれば、従来のデジタル広告以外の手法の模索が必要となります。
トリプルメディアの相互作用でメディア効果を最大化する
そこで有効となるのが、
・ペイドメディア(Instagram広告)
・オウンドメディア(Instagramアカウントの運用)
・アーンドメディア(Instagram上でのUGC創出)
以上の3つを統合的に活用し、相互作用を生むことで、Instagramのメディア効果を最大化する方法です。
それぞれの相互関係性を、図を用いて紹介します。

ペイドメディアの効率は、オウンド/アーンドメディア活用でも高まる
オウンドメディア活用は、広告のターゲティング精度を高めるのにも有効です。
サードパーティCookieとは関係なく、Instagram上のアクション情報などのシグナル(ユーザー行動に関する情報)を広告のターゲティング利用することは依然として可能です(もちろん、許諾の前提はあります)。
アカウント運用を継続していくなかでInstagramユーザーのシグナルを収集しておくことはターゲティングの良質な学習データになりますので、いかにオウンドメディアで良質なデータを集められるかが、今後の広告活用の効果を高めるポイントにもなります。
ペイドメディア活用の好影響に関しては、UGCを広告クリエイティブとして活用する打ち手もあります。
UGCの重要性については以下の記事で解説しました。
参考:【徹底解説】UGCとは何か、なぜマーケティングで重要になってきたのか
InstagramでUGCを醸成する5STEPS – マーケティング戦略で重要な購買行動プロセス「UDSSAS(ウドサス)」とは? #まなぼうSNS
オウンドメディアの効率は、ペイド/アーンドメディア活用でも高まる
ペイドメディア(Instagram広告)によって、直接のコンバージョンや認知以外にも関心を持つユーザーに情報が届けられれば、アカウントを訪問・フォローするという行動に繋がります。
アーンドメディアを活性化すれば、UGCを起点にアカウントへの入り口を増やす効果が期待できます。
自社アカウントのメンションつきUGCを投稿してくれるユーザーが増えれば、アカウントへの導線が増え、流入も増えてグロースに寄与するでしょう。
アーンドメディアの効率は、ペイド/オウンドメディア活用でも高まる
広告を継続して配信することで、商品やサービスを購買してくれたInstagramユーザーが増えれば、UGC創出に繋がります。
UGCの創出量は、商品を手に取った人の数やサービスを体験した人の数で決まるものです。UGCを積極的に出してくれる良質なフォロワー基盤を構築すれば、UGCが生まれる土台を作れます。ここで集まったフォロワーは、新商品の発売時など多くの注目を集めたいときに、真っ先に商品を購入してUGCを投稿してくれたり、投稿企画に参加してくれたりするといった可能性が高いです。
オウンドメディアからUGC創出のきっかけを提供することで、アーンドメディアを活性化させる方法も有効です。例えば食品メーカーなら、商品を使ったレシピの投稿が考えられます。
中長期的な視点でメディアプランニングを
トリプルメディアそれぞれの効率を総合的な視点で高める改善も大事です。
同時に、各メディア同士がシナジーを発揮できるように、統合的な視点で施策を組み立てることも今後は重要となってきます。
中長期的な視点でInstagramのアカウント構築やUGC創出のための仕組みづくりを進め、メディアプランニングを練っていきましょう。
トリプルメディアを統合的に活用し、シナジー効果を発揮していくことの重要性は、こちらのホットリンク総研レポートでも言及しています。
Instagramの変遷を追うことで、過去と現在を繋ぎ、そこから導き出せる未来を考察したレポートとなります。こちらもあわせてご活用ください。
参考:【完全版】インスタはGoogle化し、Amazon化し、TikTok化する。企業が知っておくべきInstagramの歴史と未来
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