SNSコラム

【事例】目指すのは、長期的なファン化。コーセーが実践するコミュニケーション重視のInstagram・Twitter活用

2023年07月11日
Instagram活用 | コスメ業界向け | 事例

最終更新日:2023年7月24日

ホットリンクでは、2022年3月より化粧品メーカー「株式会社コーセー」が運営する「KOSÉ公式」のInstagramTwitterのアカウント運用を支援しています。

以前はフォロワー数を重視していましたが、ホットリンクの支援開始後、ファンとの好意形成や、UGC(ユーザーによるクチコミ)の創出に重きを置くようになったというコーセー様。現在はファンとのコミュニケーションを第一に運用し、インプレッションや投稿へのエンゲージメント数の増加など、手応えを感じられています。

このような方針転換の裏には、どのような試行錯誤があったのでしょうか。株式会社コーセーの村松早希様と、ホットリンクのSNSコンサルタント・渡辺李咲にインタビューを実施しました。

(執筆:サトートモロー 撮影:市村円香 インタビュー&編集:倉内夏海

株式会社コーセー
コンシューマーブランド事業部 事業推進室 宣伝企画課
村松早希様


株式会社ホットリンク
ソーシャルメディア事業本部 コンサルティング1部 部長
渡辺李咲

一般の方々によるクチコミや情報拡散の力は大きい

―まずは、村松様の所属部署の役割や担当業務について教えてください。

村松:
コンシューマーブランド事業部では、主にドラッグストアや量販店で展開している低〜中価格帯のブランドを取り扱っています。

その中に商品企画、販売企画、宣伝企画の機能があり、私が所属する宣伝企画では、ブランドのSNS運用や、広告コミュニケーションプランニングの業務を担っております。SNS運用業務の1つとして、「インフィニティ」「ワンバイコーセー」「エスプリーク」の3ブランドを集約した公式SNS(KOSÉ公式)のInstagram・Twitterアカウントの運用を担当しています。

―ホットリンクにご依頼をいただいたのは2022年3月ですね。弊社に依頼された理由を教えていただけますか?

村松:
依頼先の選定にあたって、ホットリンクさんには「SNS領域に広い知見を持つ企業」という印象がありました。そのため、お仕事をご一緒することで社内のSNSに対する知見を高めたいという狙いもありました。

ちなみに、弊社でのホットリンクさんの評価は、すごく高いです。

ホットリンクさんは、各SNSのトレンドはもちろん、アルゴリズムや仕様変更に関する情報共有が非常に早く、とても助かっています。社内でも、「何かあったらホットリンクさんに相談しよう」というのが共通認識になっているほど、頼りにしています。

渡辺:
ありがとうございます! 村松様はいつもこう言ってくださるんです。

―とても嬉しいですね。ちなみに、コスメはSNSとの相性が非常に良い商材の一つです。昨今のコスメ業界のSNS活用について、村松様はどんな印象をもたれていますか?

村松:
私自身、前職も含めて8年ほどSNS運用に携わっています。その中で、SNSがなくてはならない時代になったということを強く感じています。

従来は、お客様の情報収集元はテレビCMや雑誌などのマス媒体や、クチコミメディアなどで、化粧品メーカーとしてはそれらを押さえることが重要でした。近年は、SNSの利用が増えたことはもちろん、オンラインでの購入も増加傾向にあり、お客さまが商品の購入を検討する際に、SNSで情報をチェックすることが圧倒的に多くなりました。そのため、自社の商品を広める上でSNSの活用は必須だと考えています。

インフルエンサーさんの投稿や拡散も大切な施策のひとつですが、話題化から売上につながる要因としては、一般の方々によるクチコミや情報拡散の力も大きいと感じることが多いです。日々の運用でも、こうしたSNSユーザーによる情報の拡散をいかに起こすかを意識しています。

より深く、より長くブランドを好きになってもらうために

―「KOSÉ公式」は、どのような方針でSNSの運用を行なっていますか?

村松:
InstagramもTwitterも、商品の認知・理解促進と、フォロワーとのコミュニケーションに重点を置いて運用しています。数値としては、リーチ数やインプレッション数を見ています。Twitterに関しては、ホットリンクさんからの提案を受け、UGCの創出にも注力しています。

以前の投稿は一方的な情報発信になってしまうことが多く、「どれくらいフォロワー数が増えたか」を重視していました。そのため、フォローを促すプレゼントキャンペーンや、フォロワーを増やすことだけを目的に広告を出稿していたのですが、結果的に一時的にフォロワーは増えるものの、直ぐに離脱してしまう状態が続いていました。

そこから、ホットリンクさんからのご提案で「この投稿が気に入ったら、ぜひいいね!やコメントをしてください」など、フォロワーに語りかけるような投稿を行なうようにしたんです。「この商品を使ってみた方は、ぜひ感想を投稿してください」と、UGCの投稿も促すようにしました。

―「フォロワー数を増やす」という発想から、どのようにリーチ数やインプレッション数を重視する考え方に転換したのでしょうか?

村松:
チーム内では、2022年頃からフォロワー数を意識したSNS運用からの脱却を課題にしていました。

そのタイミングでホットリンクさんにご支援いただくことになり、「ただフォロワー数を増やすよりも、自社の投稿をしっかり見てくれる”熱狂的なファン”や”長期的なファン”を増やすことを目的に、リーチ数・インプレッション数を重視した運用に切り替えませんか」とご提案いただいたんです。

これからの成長が必要なブランドにとって、フォロワー数は重要な指標だと思います。しかし「KOSÉ公式」には既にフォロワーがいたので、「私たちがSNSで実現したいのは、投稿を通してお客さまにブランドや商品についてより理解いただくことだよね」と思い直しました。

ユーザーの反応はいいね・RT・コメントなどで表現されますが、それらが伸びることで最終的にリーチ数やインプレッション数の増加に繋がると考えています。

渡辺:
方針を転換できたきっかけの一つに、2022年12月のTwitterの仕様変更があります。Twitter上で、ツイートのインプレッション数が閲覧できるようになりました。そこで、フォロワー数とインプレッションが必ずしも相関関係にないことが可視化されたんです。

この情報を説得材料として提案することで、コーセー様の中で、フォロワー数よりもインプレッション数の優先度が上がっていったのだと思います。

ブランドの世界観、オフラインとのタッチポイントを意識したSNS投稿

―フォロワーに一つ一つの投稿を見てもらうためには、日々の運用において、どのようなコンテンツを投稿するかも重要ですね。

村松:
おっしゃる通りです。基本的には、新商品やその時期に合わせた商品にフォーカスした投稿を心がけています。お客様とのコミュニケーションとして、UGCをピックアップしてInstagramのストーリーズに上げたり、Twitterでリツイートしたりもしています。

実際にやってみると、ユーザーからのリアルな声を他のユーザーに見てもらうのは、公式から発信するよりも説得力があり、非常にファン化の効果が高いと感じています。同時にUGCを投稿してくれたユーザーからは「投稿を見てもらえて嬉しい」などのコメントをいただくこともあります。先ほど紹介した、リアクションを促す投稿も定期的に行なっていますが、UGCを活用した取り組みはフォロワーからの反応も良好で、日々の成果を実感しています。

また「KOSÉ公式」の投稿ではSNSと店頭、ECとの連動も意識しています。SNSでも店頭でもECでも、どこがお客さまのタッチポイントになるか分からない時代なので、同じタイミングで同じ情報を提供するというコミュニケーションは、かなり意識しています

SNSだけ先走って情報を提供してしまったり、タッチポイントによってお客様に与える印象が異なることは、避ける必要があります。そのため、ブランドが大きなプロモーションを展開する時は、必ずホットリンクさんに相談し、SNSでどのように発信するのがベストか模索しています。

渡辺:
KOSÉ公式アカウントの場合、株式会社コーセーという企業全体からの発信に加えて、最大3ブランドのInstagramやTwitterアカウントで足並みを揃える必要があります。この点に関しては、毎回村松様が情報統制に奔走してくださっています。

村松:
投稿に使用できる素材や情報は根こそぎ集める、みたいなイメージで動いています(笑)。

―現在は、どのような体制でSNSを運用しているのでしょうか?

渡辺:
村松様にご尽力いただき、各ブランドから情報をかき集めて投稿内容を決定します。その後、投稿に必要な写真素材をまとめて撮影し、投稿の作成を行ないます。コーセー様からのご要望を反映したコンテンツの他に、ホットリンクから提案させていただくことも多いです。

例えば、この投稿はホットリンクがディレクションして撮影した素材を使用しています。

村松:
ホットリンクさんとは、トレンドに合わせたコンテンツ作りに注力しています。InstagramもTwitterも、トレンドがすぐ変化するプラットフォームです。

一昔前までは、Instagramのフィードで映えな画像を1枚投稿するだけで、数値が伸びていました。現在のフィード投稿では、どのような情報が一緒に投稿されるかも重視されますし、ストーリーズやリールズが見られやすいという具合に。

ご支援いただく前のKOSÉ公式は、トレンドを意識したコンテンツづくりができていませんでした。

渡辺:
初期のInstagramの利用者は若年層のユーザーが多かったので、かわいらしいビジュアルを中心に投稿されていたのかなと感じました。

今は幅広い年齢層のユーザーが、Instagramを活用しています。そこで弊社からは、ブランドの世界観を押し出しつつ、商品のターゲットと商品価格にマッチしたコンテンツを投稿していこうとご提案させていただきました

例えば先ほどの投稿は、母の日に合わせてギフトにできるようなものを贈りましょうというコンセプトで撮影・制作したものです。ビジュアルとして素敵なだけでなく、「何を伝えたい投稿なのか」に合わせて1カットずつ、事前にしっかりとすり合わせた上で撮影に臨みました。

こうした投稿を、コーセー様と弊社で一緒に考え、撮影も含めた投稿制作を支援させていただいています。

リールズなどのショート動画については、社内に知見が蓄積されています。どのようなテンポ感やカット割りだといいかというのを社内のデザイナーと検討しつつ、制作を進めています。

「ファンとのコミュニケーションが生まれるクリエイティブ」を模索

―投稿したコンテンツの効果検証は、どのように行なっていますか?

村松:
毎月ホットリンクさんと定例会を行ない、毎月の実績を報告いただいています。

コンシューマーブランド事業部では、複数のブランドのSNS運用を行なっているため、各ブランドが同じ視点でSNS運用を改善できるよう、レポートのフォーマットを統一しています。それを元に、ホットリンクさんにレポーティングしていただきます。

そこで、毎月のSNS運用で注目すべき点や改善点を、ひとつずつ丁寧にチェックしていただいているという感じです。

渡辺:
報告会は月に一度ですが、社内では毎週投稿内容の速報値を担当メンバーで確認しているんです

村松:
え! そうだったんですか?

渡辺:
月1回の報告で一気に見ようとすると、数値の見方が甘くなってしまったり、得られた学びを投稿に反映させるのにも時間がかかってしまいます。

そこで毎週、社内で「この投稿は何が悪かったんだろう」「この投稿はなぜ伸びたんだろう」と議論する時間をもっています。それをメモしておいて、報告会でお伝えしています。

村松:
そうだったんですね、ありがとうございます。

自社でクリエイティブの制作や投稿、改善など全て行なおうとすると、どうしても人員が必要です。かと言って、社内にSNSに関するナレッジが豊富にあるわけでもありません。

それぞれのアクションを高品質で行なうためにも、外部の専門家に依頼できるのは、私たちにとって大きなメリットだと思っています。

―これまでのSNS運用で、特に印象に残っているユーザーからのリアクションはありますか?

村松:
実は、コスメの中でもスキンケアやベースメイクといったカテゴリーは、ポイントメイクと違って視覚的に情報を伝えるのが難しいため、SNSと相性が悪いと思っていました。しかし、「KOSÉ公式」では、驚くほどユーザーからのリアクションやコメントが得られており、驚いています。

リアクションやコメントの数を見て、「このファンの方々は、今まで一体どこに潜んでいたのだろう」と思うくらいです(笑)。

渡辺:
多くのリアクションを得られるよう、コメントが集まりやすいテキストやクリエイティブの作り込みなど、ホットリンクの知見を大いに活かしています。

社内には、化粧品をはじめとした美容商材のSNSマーケティングの知見を集約するプロジェクトチームもあり、その中で得た知見や示唆をふまえてコーセー様にもご提案させていただいています。

もともと「KOSÉ公式」はコメント数をはじめとしたエンゲージメント数が少なく、ご支援開始時のInstagramのフィードは、コメント数が0〜2件ほどでした。それが今では50件以上いただくこともあります。

コメントの内容としても、「楽しみです」「予約しました」など、好意的なものが非常に多いです。

また、InstagramとTwitterではユーザーの興味・関心が異なることも、日々の運用を通して分かってきました。Instagramでは新商品の情報に対する反応がよく、Twitterでは定番商品の掘り下げやハウツーコンテンツが人気です。こうした知見は、2つのメディアを展開しているからこそ気付けたことだと思います。

ずば抜けた知見への全幅の信頼

―InstagramとTwitter、それぞれの成果についても教えていただきましたが、村松様が「ホットリンクに依頼してよかった」と一番感じるのは、どんなところでしょうか。

村松:
とにかく、知見がずば抜けているところですね。他社へのSNS運用で得られた知見を、私たちの支援にも反映してくださるというのは、社内だけではできないことですから。

また、コミュニケーションやコンテンツ制作、投稿など、一つ一つのアクションがどれもすごく丁寧なんです。社内でもよく「ホットリンクさんはミスもなく運用がスムーズだ」という話が上がります。

渡辺:
ありがとうございます!

―渡辺さんは、村松様とのコミュニケーションでどんなことを感じていますか?

渡辺:
常に「できること」を探しながら、前向きなディスカッションを行なえる環境を作ってくださっているのが、本当に嬉しいです

コーセー様の他のブランドでの成功事例も積極的に教えてくださり、「このアカウントの投稿でいい成果が出たから、KOSÉ公式でもやってみたい」とお話しいただくことも多いです。

村松さんは複数のアカウントや業務を担当されており、非常にお忙しい状況でありながら、「KOSÉ公式をもっと良くしたい」という高い熱量を常に感じます。それに突き動かされて、私たちもさまざまな提案ができています。

村松:
高い熱量と言えば、ホットリンクさんは、私たちが気づいていないユーザーの口コミをいち早く見つけてシェアしてくださいますよね。

時には「このUGCは、少し注意して見守った方がいいかもしれません」という報告もしてくださいます。どんな場面でも頼りになるパートナーとして、ホットリンクさんには全幅の信頼を寄せています。

―ありがとうございます。それでは最後に、今後「KOSÉ公式」のInstagramとTwitterアカウントを、どのように成長させていきたいか教えてください。

村松:
今後は、既存の素材をうまく活用するだけでなく、オリジナル性の高いコンテンツも制作して、ユーザーの反応を見てみたいですね。

また、ホットリンクさんのおかげで複数ブランドの連携も取りやすくなってきたので、ブランド全体を巻き込んだプロモーションも積極的に行なっていきたいです。コーセーの商品を愛用してくださっている方々に喜んでいただける企画にしたいですね。

あとはもう、日々勉強ですね。SNSはすぐにトレンドが変化するので、1年前の当たり前を現在の当たり前と思わず、社内や自分自身の知見をアップデートしていこうと思います。

ホットリンクさん、これからもよろしくお願いします!

渡辺:
こちらこそ、よろしくお願いいたします!

―村松様、ありがとうございました!

ホットリンクでは、データ分析と独自のロジックにもとづき、戦略策定からアカウント設計、効果測定、クリエイティブ制作に至るまで、総合的なSNSマーケティング支援を行なっております。

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