SNSコラム

X(旧Twitter)上のクチコミに見る、2024年のバレンタイン事情【バレンタイン調査2024】

2024年02月21日
調査・分析

最終更新日:2024年8月30日

クリスマスやハロウィンに次ぐ経済効果を発揮するイベント、バレンタイン。

ホットリンクが運営する女性向けメディア「fasme」で実施した事前アンケートでは、回答者全員が「バレンタインにプレゼントを贈る」という結果でしたが、みなさんはどんなバレンタインになったでしょうか。

今回は、ホットリンクが提供するソーシャルリスニングツール「BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長」を使って、バレンタインの時期にXに投稿された内容を調査しました。

(編集・執筆:辻元気倉内夏海 データ作成:辻元気、谷口優花)

「バレンタイン」に関する投稿数比較

まず、「バレンタイン」に関する投稿はどれくらいあったのでしょうか。バレンタインデー当日と、1月15日~2月15日の期間で言及数を抽出しました。

なお、本記事では「言及数」はリポストや返信なども含めた全ての投稿を、「UGC数」はリポストや返信を除いたオーガニック投稿を表します。

(対象メディア:Twitter(X)10%サンプリング 検索ワード:バレンタイン)

2024年の「バレンタイン」を含む言及数
・バレンタインデー当日:2,913,470件
・1月15日~2月15日:13,362,700件
※いずれもサンプリングデータを10倍にした件数を記載

続いて、2024年の言及数・UGC数を過去3年間と比較しました。

以上の結果から、「バレンタイン」を含む言及数は過去4年間でもっとも多く、UGC数は過去4年間でもっとも少なかったことがわかりました。

「バレンタイン」を含む投稿のリポストランキング

Xユーザーの関心を集め、多くのリポストにつながった投稿にはどのような傾向があるのでしょうか。各年の1月15日〜2月15日における「バレンタイン」を含む投稿でリポスト回数のランキングを作成しました。各年のTOP30は以下の通りです。

これまでも企業アカウントからのキャンペーンが多かった中、2024年はTOP30の全てが企業アカウントからのキャンペーン投稿となりました。

実際にもらった人・あげた人の傾向は?

最後に、2月14日当日にチョコレートなどのプレゼントを「もらった」「あげた」というUGCの傾向を調べました。

「バレンタイン」を含むUGCの中で、「もらった」「いただいた」などのキーワードを含むものを『もらった側』、「あげた」「渡した」などのキーワードを含むものを『あげた側』としました。さらにその中から、『誰』に対してなのかを6つのキーワードで分類しました。

2月14日における「バレンタイン」に関するUGC数530,710件のうち
・もらった側:9,660件
・あげた側:12,750件
※いずれもサンプリングデータを10倍にした件数を記載

もらった側・あげた側のいずれも、「自分」がもっとも多い割合となりました。

もらった相手の上位を占めたのは、「自分」「家族」「学校・職場・同僚」で、いずれも約2割でした。あげた相手としては「自分」の割合が3割を超え、「家族」「恋人」が続きました。

例えば、以下のようなUGCがありました。

・好きな人に本命チョコを渡せた
・お父さんから、子どもと奥さんへ渡した
・彼女からバレンタインにお菓子をもらった
・幼い息子が、習い事の女の子からチョコもらって照れている
・バレンタインは「あげる」より「自分へ買う」

また、バレンタインに関するUGCのなかから、好きな人や応援している対象を指す「推し」に関するUGCを分析しました。あげた側のUGCは推しへの愛を語るものが多く、もらった側は、推しのアカウントからバレンタイン仕様のメッセージをもらったことが分かるUGCが多く見られました。

バレンタイン調査2024を終えて:ホットリンクのアナリスト・辻より

データからもわかる通り、バレンタインに関するXへの投稿は年々増えています。なかでも、企業アカウントによるフォローアンドリポストキャンペーンが増えており、ユーザーから多くのリポストを集めています。

キャンペーンを実施する企業も、お菓子メーカーや食品メーカーに限らず、コスメや美容、出版、ITサービスなど多岐に渡ります。多種多様な企業がバレンタインをきっかけにキャンペーンを実施しています。

一方で、一般ユーザーからのバレンタインに関するUGCは減少傾向にあります。バレンタインに対して、Xでは「自ら参加するものではなく、鑑賞するもの」「バレンタイン=企業がキャンペーンで盛りあげる日」という見方をするユーザーもいるかもしれません。

このように、バレンタインなどの一般的なモーメントは、多くの企業がキャンペーンを実施し盛り上がりを作ります。しかし、ユーザー側もこのような大きなモーメントでのキャンペーンに慣れてしまっている可能性も考えられます。

Xでは、「他の企業では実施していないが、実は大きく盛り上がるモーメント」や「自分たちの商品・サービスにぴったりなモーメント」なども数多く存在します。

このような状況も加味しながら、企業のSNS担当者は、改めて自社のブランディングやターゲットとするユーザと向き合い、どのようにSNSを活用していくかを考える必要があるでしょう。

辻 元気
株式会社ホットリンク ソーシャルメディアコンサルティング本部 / 開発本部

データアナリスト。2018年に入社し、ソーシャルリスニングツールのセールス・カスタマーサクセスに従事。現在はSNSの分析を強みに、大手企業アカウントのコンサルティングを複数社経験。ホットリンク社内の分析スキル向上も推進。分析のなかでも、エンタメ業界のトレンド分析が得意。MarkeZineにて、「ソーシャルリスニング2.0 - TwitterからはじめるSNSのデータ活用」を連載。

【本調査の狙い】
ホットリンクは、知識循環型社会のインフラを担い、人と情報を結びつけて“HOTTO(ほっと)”できる世界の実現に務めています。弊社の強みは、ビッグデータの分析と活用。その一つの手法として、ソーシャルネットワークサービス(SNS)上の情報をリアルタイムに収集・蓄積・解析し、生活者の本音の声を把握することです。生活者の本音を循環させることで情報社会をより円滑にすることができると考えています。

今後も、季節イベントを始めとする様々な分野でSNS上のクチコミ量を調査し、有益な情報を発信してまいります。

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※調査結果を引用・転載される際は、必ず「ホットリンク調べ」と出典を明記いただくようお願いします。
※調査の内容の一部または全部を改変して引用・転載することはお控えください。

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