
全3回にわたって、『ソーシャルデータ分析のすすめ』と題し、「ソーシャルデータ分析ってどうすすめればいいの?」という皆さまの疑問にお応えしていきたいと思います。
「そんなのもう知ってるよ」という方も、ぜひぜひ基本に戻ってみてください。新たな発見があること間違いなしです!
まずは、分析プロセス全体の流れをみてみましょう。下図の通り、分析プロセスには、全部で7つのステップがあります。
今日は、その中で最も重要である「1課題の設定」と「2分析目標の設定」について、”もしも、あなたがカフェチェーンのマーケティング担当者だったら、業務にどうやってソーシャルデータ分析を活かしていくのか?”そんな事例をご紹介しながら、分析についてお伝えしていきます。

1:課題の設定 ~ カフェチェーンマーケティング担当者の課題とは??? ~
課題の設定っていわれても、そこがわからないんだよ、、、なんてお声もありそうですが、まずは、いま抱えている「課題」ってそもそもなんなの?というところからスタートします。
~「課題」とは、解決しなければならない問題(デジタル大辞泉より)~
データ分析において、「あるべき姿」と「現状」の差(ギャップ)を問題と定義し、その中で解決しなければいけないもの、それが課題となります。図に示すと下記のようになります。

事例◇あなたが、『女性客を中心とするカフェチェーンのマーケティング担当者』だとします。これまでは順調に売上を伸ばしてきましたが、最近は当初見込んでいた売上目標数値を下回る月が続いていて困っています。
さて、このケースでの「課題」は何でしょうか?
あるべき姿 = 順当に売り上げを伸ばす
現状 = 見込んでいた目標数値を下回る月が続く
そのギャップである"売上が伸びていないこと"が解決すべき問題。
つまり、課題は、"売上が伸び悩んでいる"ということになります。これで課題の設定は完了です。
!意外と簡単!
ぜひ、ご自身の状況に置き換えて課題を抽出してみてください。
次にやるべきこと、それは、"仮説を設定すること"です。
~「仮説」とは、ある現象を合理的に説明するため、仮に立てる説。実験・観察などによる検証を通じて、事実と合致すれば定説となる(デジタル大辞泉より)~
あなたの現場の経験や勘などをもとに、課題の解決につながる要因を推測し、それを仮説とします。統括する立場の場合は、現場の声をヒアリングするなんていうのもよいかもしれません。
事例◇カフェチェーンのマーケティング担当者の場合
コーヒー市場そのものは拡大しているため、競合に需要を奪われているのでは?と推測しました。
つまり、課題:「売上が伸び悩んでいる」 → 仮説:「競合に需要を奪われている」
実際に競合に需要を奪われているのか、もしそうであればその原因は何なのか、すぐにでも分析したくなるところですが、落ち着いて考えてみましょう!
「競合」の定義は明確ですか???
そして、
競合に奪われている需要をどの程度回復させれば課題解決できますか???
競合と一言でいっても、人によって定義が違います。
分析に入る前に定義を明確にすること、数値目標を定めることがとっても大切です。
競合で思い浮かぶのは、他のカフェチェーン・コンビニコーヒー・缶コーヒー・オフィスに備え付けられているコーヒーマシン・・・・といくつかありますが、この中で、”安価でおいしいという声をよく耳にするコンビニコーヒーに需要を奪われているのではないか”と仮説を立てました。

仮説: コンビニコーヒーに需要を奪われているのではないか!
2:分析目標の設定 ~あいまいな結果は、あいまいな目標がうむ!? ~
課題の設定・仮説の洗い出しができたら、次は分析目標の設定にうつります。
分析目標は、曖昧さを排除した表現にすることが大切です。目標があいまいだと結果もあいまいになりがちですよね。
分析目標:見込んでいた売上目標数値まで回復させるためにコンビニコーヒーの強みを知る!
では、目標が決まったので、いよいよ分析スタートです。ということで本日はこの辺で。
次回をお楽しみに!