SNSコラム

Threads活用の現在地 競合が少ない今こそ、押さえておきたい運用のコツ

更新日:2024年12月12日
公開日:2024年12月12日
SNSコラム | SNSマーケティング

2023年7月のローンチから1年以上が経過した、Meta社が展開するThreads。2024年10月には、Meta社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が月間アクティブユーザー数は2億7,500万人(※)を超え、毎日100万以上のサインアップがあると発表しました。この急成長を背景に、企業のSNSマーケティング施策の新たな選択肢として注目を集めています。一方で、効果的な活用方法を模索している企業も少なくありません。

本記事では、Threadsの特徴や活用のメリットを解説します。合わせて、Threadsの運用支援を通して見えてきた投稿を伸ばすポイントや、今後のアップデートで期待される機能について、ホットリンクのソーシャルメディアコンサルティング本部の富井 真歩・安東 実里、アドテクノロジー本部の柏木 佑芽にインタビューしました。

※出典:マーク・ザッカーバーグ氏の投稿|Threads

(インタビュー・執筆・編集:髙橋 真穂)

この記事に登場するメンバー

富井 真歩
株式会社ホットリンク ソーシャルメディアコンサルティング本部 リーダー/Instagram事業推進室

21年大学卒業後、ホットリンクに新卒入社。ソーシャルメディア事業本部 コンサルティング部に所属し、運用代行やコスメやアパレルメーカーのコンサルティング業務に従事。化粧品業界誌『国際商業』にてコラム「SNSマーケティングの処方箋」を連載。

柏木 佑芽
アドテクノロジー本部 アドテクノロジー部

2023年、アパレル業界を経て、未経験からホットリンクに入社。アドテクノロジー本部で広告運用業務に従事し、現在は主に食品やコスメ業界などのクライアントを担当。2024年上半期、ホットリンクの社内表彰にてバリュー賞“Growth hack”を受賞。

安東 実里
ソーシャルメディアコンサルティング本部 アカウントコンサルティング2部

新卒で輸入卸会社にて海外ブランドの日本代理店としてPR・販促業務に携わる。主にSNSを中心としたオンラインマーケティングに従事。ホットリンク入社後はコンサルティング部にて通信、化粧品業界のSNSアカウント運用代行を担当。

Instagramとの連携が鍵! Threadsを活かす運用の基礎

――まずは、Threadsの基本的な機能面について、最新のアップデートの内容を踏まえて教えいただきたいです。

富井:Threadsの基本機能は、テキストや画像、動画の投稿と、投稿へのアクション(返信、引用、いいね、など)ですね。

 昨年12月に追加されたXのハッシュタグに近い「トピックタグ付け」機能(※)では、1つの投稿につき1つのトピックを設定でき、興味関心やテーマごとに投稿を整理できます。

※参照:Threadsの投稿にトピックをタグ付けする機能を導入、キーワード検索は日本語でも利用可能に|Meta

 2024年の主なアップデートとして、8月にMeta社の他メディアとの連携が強化され、FacebookやInstagramからThreadsへのクロスポストが可能になりました。9月には画像・動画を最大20枚まで投稿できるようになり、10月には投稿編集可能時間が15分に拡大されるなど、表現の幅が広がっています。

 さらに10月には、日本で「トレンドランキング機能」が追加されました。これは、AIにより選ばれた最大5つのトピックが検索画面に表示され、タップすることで関連投稿や他のユーザーの反応を確認できる機能です。現在、この機能は日本とアメリカのみで実装されており、Threadsが日本市場を重視していることがわかります。個人的にも、トレンドのキャッチアップや投稿のネタ出しに活用できる便利な機能だと感じています。

――では、Threadsを運用するメリットはどんな点ですか。

富井:主に3つあります。

 1つ目は、Instagramとの連携がスムーズな点です。InstagramやFacebookと同じMeta社のSNSなので、既存のInstagramアカウントから、フォロワーを引き継ぐことができます。また、Instagramの投稿もシェアボタン(紙飛行機のマーク)を使って簡単にThreadsに転用できます。

 さらに、Instagramのタイムラインには、Threadsのおすすめ枠が設けられています。Threadsの投稿や「知り合いかもしれない」アカウントがカルーセル形式で表示されるなど、連携が強化されています。すでにInstagramのアカウントを持っている企業にとっては、工数をかけずに取り組みやすいプラットフォームだと思います。

 2つ目は、Threadsを現段階から活用することでビジネスチャンスを掴みやすい点です。Threadsのユーザー数は伸び続けていますが、企業アカウントはまだ比較的少ない状況です。そのため、アカウントを運用している企業は、競合の少ない環境で存在感を示しやすい状況にあります。

 さらに、Threadsでは現時点でアクティブに投稿や交流を行うユーザーの割合が高く、投稿への反応や会話が生まれやすいです。テキストのみでも投稿が手軽で、日々のコミュニケーションを気軽に行えます。

 このように、投稿のハードルが低く、かつライバルが少ない今の時期は、フォロワーの獲得やエンゲージメントの向上に適していると考えています。

 3つ目は、今からThreads内のデータを蓄積することで、将来的な施策に活かせる点です。例えば、投稿への反応や有効な発信方法に関するデータは、今後広告機能が導入された際のターゲティングに役立てることができます。また、今はまだInstagramやXほど参入企業が多くない分、この段階から実践的なノウハウを蓄積しておくことで、質の高い広告運用が可能になると思います。

ユーザーとの対話を重視した投稿戦略

――続いて、運用支援の中で見えてきたThreadsの傾向を教えていただけますか?

富井:Threadsは元々コミュニケーションを重視したメディアです。Instagramでダイレクトメッセージによるやりとりが活発だったことを受けて、対話に特化したメディアとしてリリースされました。そのため、ユーザーとの対話を促す投稿が伸びやすい傾向にあります。

――具体的にはどのような投稿が効果的なのでしょうか?

安東:ご支援データを分析したところ、通常の商品紹介やキャンペーン告知のような一方的な情報発信よりも、ユーザーの対話を促す投稿の方がエンゲージメント率が高く、「おすすめ」に表示されやすい傾向にあります。そのため、商材やサービスに関する投稿も、ユーザーの参加を促す要素を取り入れることをおすすめします。

 たとえば、クイズや間違い探しなどゲーム性のある投稿や、「共感したら⭐️でコメントしてね」といった問いかけ形式の投稿が有効です。また、モーメントを活用して『今日は◯◯の日ですが、どちらの画像が気になりますか?』のようなタイムリーな話題を取り入れた投稿も、ユーザーの関心を引きやすいです。加えて、『週末は何して楽しみたいですか?』といった日常的な話題を扱う投稿も、気軽に会話のきっかけを作る手段としておすすめです。

 こうした問いかけは、Threadsのアンケート機能を活用することで、より手軽に投稿に取り入れることができます。アンケート形式の投稿は、ユーザーの参加ハードルを下げるとともに、エンゲージメントの向上につながります。

 また、投稿形式によってパフォーマンスに差が出ることもあります。たとえば、動画や画像を含めた投稿では、6~7枚ほどのクリエイティブを掲載するのが効果的とされています。一方で、テキストのみの投稿も十分に成果が期待できるため、投稿内容や目的に応じて柔軟に選ぶことが大切です。

――反対に、投稿する際に気をつけた方がいい点はありますか。

富井:メディア内で完結するコンテンツが好まれるため、投稿内にリンクを含めない方が伸びやすいです。

 Threadsでは、1つの投稿内に情報を集約する方が見られやすい傾向があり、この点はXと似ていますね。Threadsの文字数制限や画像の投稿可能枚数はXより多く、より豊富な情報を1つの投稿に盛り込めます。

――それを踏まえて、Threadsの運用を始める際のコツについても教えてください。

富井:1日1投稿を目安に、まずはInstagramの投稿を転用するところからスタートするのがおすすめです。そうすることで、工数を抑えながら、どのような投稿が反応を得やすいか検証できます。

 その検証結果を活かしながら、徐々にThreadsオリジナルのコンテンツを盛り込んでいくと良いでしょう。投稿のタイミングとしては、まずはInstagramのユーザーがアクティブな時間帯に合わせるのが良いと思います。

関連記事:Threadsは、オウンドメディアとして活用せよ。SNSのプロ集団が解説するThreads活用【イベントレポート】

Threadsは今後どうなる? UGC活用や広告機能の可能性

――昨年の記事では、オウンドメディアとしての活用を推奨していましたが、現在はいかがでしょうか。

富井:オウンドメディアとしての活用に適している点は変わりませんが、検索機能が充実したことで、UGC(ユーザーによるクチコミ)を活用したアーンドメディアとしての可能性も広がっていくと思います。

 具体的には、ハッシュタグを活用してユーザーの投稿を促すことができます。また、質の高いUGC投稿を引用して紹介することで、ユーザーとの関係性を深め、より自然な形で商品やサービスの魅力を伝えることができます。さらに、新しく追加されたトレンドランキング機能を活用することで、タイムリーな話題に合わせた投稿を展開し、新規ユーザーへのリーチを広げることも可能になりました。

 こうした機能の進化によって、企業の情報発信の場としてだけでなく、ユーザーとの双方向のコミュニケーションやブランド育成の場としても活用できる領域が広がってきているのではないでしょうか。

――今後、広告機能が導入されたら、どのような活用が見込めそうですか。

柏木:先ほどお話ししたInstagramとの連携が、さらに活かされると思います。

 具体的には、ThreadsとInstagramで相互に広告配信が可能になるといった、プラットフォーム間の連携が期待できます。また、広告の配信面については、Threadsのフィードや検索欄、プロフィールトップ、InstagramのThreadsのおすすめ枠など、多様な展開が可能になると考えています。

 さらに、ターゲティングについては、興味関心やデモグラフィック、利用者層など、Instagramと同様の精度の高い配信が可能になると予想しています。Threads内でのユーザーの投稿やコメントが増えることで、興味関心に関するキーワードのシグナルが強く機能するため、これまでリーチできなかった潜在層へのアプローチも期待できると思います。

 広告のフォーマットも、写真や動画、カルーセル投稿などの基本的な形式に加えて、Threadsの特徴であるアンケート機能を活用した双方向的なコミュニケーション型の広告も実現するかもしれません。

――最後に、Threadsの今後の展望についてお聞かせください。

富井:すでに検索機能やハッシュタグ機能の充実、トレンドランキングの表示など、Threadsは着実に進化しています。また、広告機能が実装されれば、企業が最適なターゲットへ情報を届けられるようになり、プロモーションにも活用しやすくなるため、さらに多くの企業アカウントが参入すると考えています。

 そのため、前半でお話したメリットの通り、競合が少ない今のうちから運用を始めることをおすすめします。競争が本格化する前に投稿への反応や有効な戦略を分析してデータを蓄積しておくことで、今後の広告機能実装やアップデートにも柔軟に対応でき、長期的な成果につながると考えています。

Threadsのご支援実績

ホットリンクでは、ある企業のThreadsのアカウント運用をサポートしています。2023年8月の運用開始時点でフォロワー数が3000人未満だったアカウントが、1年2ヶ月で約3倍となる1万人以上に成長しました。

ホットリンクでご支援させていただいたThreadsアカウントのフォロワー数の推移

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ホットリンクは長年SNS分析・SNSマーケティングに携わり、多くの企業様のSNSマーケティング支援をしてきました。

・菓子メーカーのクチコミ(UGC数)が1年で8倍に増加!
・全米No.1ソーセージブランドのクチコミ(UGC数)が9倍に増加!

経験豊富なSNSコンサルタントがSNSの戦略策定〜運用のポイントまで具体的にご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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