2022年、Instagramはリールの強化やアップデートに注力していました。
※リールとは……2020年8月にInstagramに導入された、ショート動画を作成・共有するための機能です。Instagramのプロフィールページにはリール専用のタブが追加され、リール動画を一覧で表示できます。クリエイターやインフルエンサーだけでなく、一般のユーザーも簡単に動画の作成・共有が楽しめるツールとして支持されています。
その流れを受けてリール運用を始めたものの、どんな動画を制作すればいいか分からない、再生回数が伸びないなどの悩みを抱えている企業様はまだまだ多いです。
そこで、ホットリンクでは、2023年4月28日にウェビナー「【SNS担当者向け】Instagramリール運用のコツと効率的な動画制作術」を開催しました。
ホットリンクのSNSコンサルタントとして、企業のInstagramリール活用を支援している富井が登壇し、SNSネイティブであるZ世代の目線も交えて、Instagramリール運用のコツと効果的な動画制作術を解説しました。本記事では、ウェビナーのダイジェストをご紹介します。
(執筆:サトートモロー 編集:倉内夏海)
登壇者紹介

富井 真歩
株式会社ホットリンク ソーシャルメディア事業本部 コンサルティング2部
21年大学卒業後、ホットリンクに新卒入社。ソーシャルメディア事業本部 コンサルティング部に所属し、運用代行やコスメやアパレルメーカーのコンサルティング業務に従事。化粧品業界誌『国際商業』にてコラム「SNSマーケティングの処方箋」を連載。
Instagramがリールに力を入れている理由
Instagramが昨年実施した主なアップデートとして、以下が挙げられます。
・より長い再生時間の動画が投稿可能になった
・他のユーザーのリールとコラボできる「リミックス機能」が追加された
・リール投稿からユーザーをフォローできる動線が追加された
アメリカでは、動画などのオリジナルのコンテンツを作成するクリエイターを対象とした成果報酬型のボーナスプログラム等も導入されています。こうしたアップデートの背景には、Instagram側の「多くの人にリールを投稿してほしい」という思いがあると考えられます。
また、リール強化には、SNS全体における短尺動画の需要の高まりという現象も関係しています。

SNSの普及により、動画の配信市場規模は拡大し続けています。TikTokの利用者増加も追い風となり、他のSNSでもショート動画の導入が進んでいます。YouTubeであればYouTube Shortsが採用され、Twitterでは「おすすめ」のタイムラインに動画が表示されやすくなっています。
こうした流れを受けて、Instagramでもショート動画=リールに力を入れているのです。
※関連記事:2023年のSNSを未来予測!〜激動のメディア変化を理解しマーケティング施策に活かす〜(Instagram編)【イベントレポート】
リールに取り組む3つのメリット
企業がInstagramリールに取り組むメリットは、大きく3つ挙げられます。
①静止画よりもユーザーに表示されやすい
最近、Instagramではフィードやレコメンドにおけるリールの枠が増えてきています。具体的には、フィードのタイムライン、キーワードの検索結果、ハッシュタグの検索結果、発見タブなどに、リールが表示されやすくなっているのです。
Instagramを運用している企業の担当者様の中には、「最近、静止画のフィード投稿のリーチ数(ユーザーに投稿が表示された回数)が落ちている気がする」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。ホットリンクが支援するクライアント様の実績を見ると、静止画のフィード投稿よりも、リールの方がユーザーに表示されやすいという傾向が出始めています。

今後も、リールのリーチ数が伸長し続ける可能性があることを考えると、今からリール投稿に取り組むことは、大きなメリットがあると言えるでしょう。
②フォロワー数以上のリーチを獲得しやすい
基本的に、フィードは「フォロワーに情報を届けること」が主な役割となります。そのため、フォロワー数を大きく上回るリーチの獲得は、フィードでは難しいというのが現状です。
一方、リールは動画の視聴時間・エンゲージメントが高ければ、フォロワー数に関係なくリーチが伸びる傾向があります。
③動画素材があるだけで、他SNSに展開することが可能
先ほど紹介したとおり、Instagramに限らず、SNSではショート動画がトレンドです。Instagramリールのために制作した動画素材を、Twitter、TikTok、YouTubeショーツに展開できる点も、大きなメリットと言えます。
企業が効率的にリールを制作するためのコツと注意点
現在、まだリール投稿にチャレンジしたことがない方のなかには、「リールのための動画素材がない」「リールサイズの動画がない」という悩みを抱えているかもしれません。
そんな方は、次の3つに取り組んでみてください。
・静止画を組み合わせて動画化していく
・Instagramが用意している「テンプレート機能」を活用して、編集技術を補う
・横長の動画の上下に枠を追加して、リールサイズの動画にする
また、すでにリール投稿に取り組んでいる方に向けて、企業アカウントが陥りがちな「3つの注意点」もご紹介します。
①クリエイターとの違いを理解していますか?
クリエイターの方々は、流行の音源を用いたり他ユーザーの投稿のリミックスをしたりと、自由にリールの機能を使うことができます。
しかし、企業アカウントは使用できる音源などの制約がある分、クリエイターと同じ方法では成果につながりにくいです。「クリエイターとは違う、企業ならではの方法を模索する」という考え方が、企業アカウントのリール成功には必要です。
②自分にレコメンドされた投稿ばかり参考にしていませんか?
企業アカウントの運用とは別に、個人でInstagramを楽しんでいる方は多いと思います。皆さんが見ている投稿や、発見タブで紹介される投稿は、ユーザーごとにカスタマイズされたレコメンドの投稿です。フィードに流れる情報は、ユーザーごとに当然異なります。
自分がよく見ている投稿だけを参考に動画制作をすると、「企業アカウントとしてターゲットとなるユーザーやフォロワーの見たい投稿ではないかもしれない」という視点をもつことも必要です。
③ブランディングの観点をもって投稿できていますか?
例えば、高価格帯のラグジュアリーな商品を取り扱うブランドが、バズることを目的にトレンド色の強い動画を制作したとします。その結果、ブランドの世界観とリールの内容に、乖離が生まれてしまいます。自社のブランドと動画内容の世界観が、合致している投稿を心がけてください。
ちなみに、バズることを目的に動画制作したのに、まったく数字が伸びなかったという経験がある方がいらっしゃるかもしれません。それには、バズが発生する仕組みが大きく関係しています。

そもそも、リールのアルゴリズム上、まず始めにフォロワーに評価してもらうことが大切です。評価とはエンゲージメントと言い換えることもでき、エンゲージメントを表す指標として、いいね・コメント・保存・シェアなどがあります。
フォロワーからのエンゲージメントが低い場合、リーチ数が伸びにくい傾向があります。バズる動画を分析してコンテンツを制作しても、フォロワーからのエンゲージメントが得られず、露出を最大化できない可能性があります。
重要なのは、フォロワーインサイト分析を通してフォロワーからの評価が高い動画の特徴を把握し、その上で、バズ分析から得られる「再生されやすい要素」を取り入れた動画を制作することです。それにより、フォロワーのエンゲージメントを得ながらフォロワー以外からのエンゲージメントも得られ、露出の最大化につながります。
フォロワーのインサイトの見方は、フィードでいいねの多かった投稿を見る、再生完了率の高い動画をチェックするなどが挙げられます。こうした情報から、フォロワーに求められているコンテンツを探っていきましょう。
実践的なTipsも知りたい方へ【アーカイブ配信のご案内】
このほかにも、ウェビナーでは実践的なTipsのご紹介や参加者様からの質問にもお答えさせていただきました。
ご紹介したTips
・フィード投稿とリール投稿のすみ分け方
・動画のエンゲージメントを高めるための切り口
・高いパフォーマンスを発揮したリールに見られた共通点
・エンゲージメントを高めるために実践したい、フォロワーとのコミュニケーションの取り方
・Z世代にスルーされないための動画制作のポイント
など
お答えしたご質問
・リール動画は音声付き・音声なし、どちらがいい?
・リールの適切な投稿頻度は?
・アカウントの成熟度がどれくらい高まったら、リールを始めるべき?
など
本ウェビナーに参加できなかった方に向けて、アーカイブ配信をしております。下記よりダウンロードの上、ぜひご視聴ください。