SNSコラム

5歳さんと考える、インフルエンサーマーケティング。「あなただから依頼した、と言えるかどうか」

2021年10月05日
SNSコラム | Twitter活用

最終更新日:2022年9月1日

SNSを中心に存在感を発揮するインフルエンサーを招き、インフルエンサーマーケティングを成功させるためのコツを導き出すインタビュー企画。

今回は、ライターでありインフルエンサーの5歳さんにお話を伺いました。

Twitterを10年以上使い続け、「アルファツイッタラー」としての絶対的なポジションを確立した後、フリーライターを経て、広告代理店業を営む株式会社アマヤドリを設立した5歳さん。現在は企業のSNSアカウント運用支援などを行なっています。

Twitterユーザー、インフルエンサー、そして代理店と三者の立場を経験しているからこそ見える、インフルエンサーマーケティングの本質を語っていただきました。

(執筆:水落絵理香 編集:倉内夏海)

車の後部座席からインタビューに応じてくださった5歳さん

Twitterでバズりたいなら、文章の面白さを追求するべき

―5歳さんはもともと、整体師だとうかがいました。ライターとして活動することになったきっかけは?

5歳:
街角のクリエイティブ」というメディアで、コラムの連載を始めたことですね。

クリエイティブディレクターの西島知宏さんが運営しているオウンドメディアなんですが、僕のツイートを見た西島さんが「コラムの連載をやってみませんか?」と声を掛けてくれました。

連載を始めたのが2017年だったんですが、街角のクリエイティブをきっかけにいろんな媒体から記事の依頼を受けるようになりました。あの頃はツイートすれば全部バズるし、僕のツイートを漫画化する話もきて、完全にブーム来てましたね。

―その頃からインフルエンサー、そしてライターとしてどのようなことを心掛けていましたか?

5歳:
ライターを始めて少し経った頃、もっと文章力をつけたいな、と思いました。

Twitterへの投稿だけをしていた頃は、感性だけで書いても多くの人から反応をもらっていました。でも、ライターの世界に足を踏み入れると、文章が上手い人がめちゃくちゃいたんです。

僕はフォロワーさんがたくさんいたので、コラムを書けばある程度のPV数を取ることができました。しかし、今は勢いで数字が取れているけど、ちゃんと文章力を付けないとこの先、生き残れないなと感じていました。

そこで、文章力を上げるために、西島さんが主催していた「明日のライターゼミ」というライター講座に通い始めました。

受講生として通っていたのですが、西島さんから「Twitterでどんな文章を書けばバズるのか講義してほしい」と言われて、登壇させてもらう機会をいただきました。その講義で真剣にバズる文章について考えました。

どうすればバズることができるのか、インフルエンサーになるためにはどんな文章力を身につける必要があるのか、真剣に考えましたね。講義で伝えたのは、「マーケティング的なスキルよりも、しっかり文章を書くことを重視しましょう」という点でした。Twitterでは、文章の面白さが一番大事だと思っています。

―Twitterでも文章の良し悪しが重要というのは、やや意外に感じました。5歳さんにとっての「良い文章」とは?

5歳:
「読まれる文章」だと思います。

「読まれる文章」と言ってもなかなか伝わりづらいと思いますが、僕は知的好奇心を刺激されるような、どことなく知性がにじみ出ている文章が好きです。そもそも「読む」という行為はけっこうめんどくさいんですよね。でも、ついつい読んじゃう文章っていうのは確実に存在します。

僕は田中泰延さんの文章が大好きなんですが、田中さんは文章を書くときに事前調査を徹底的にやります。参考文献どんだけあるんだよ! とツッコミを入れたくなるくらいたくさんの資料を調べています。あと、そもそも前提となる知識の量が圧倒的なので、出来上がる記事の内容が濃厚なんです。まさしく、知的好奇心をくすぐられる記事を体現されていると思いますね。

動画が主流になりつつある現代でも、文章を噛み砕く楽しさを求めている人が少なからずいる。だから、ライターという職業が成立しているはずです。そんな文章を書けたらいいな、と思います。

動画だと噛み砕く必要がなくて、そのまま情報として受け取りやすすぎるというか……文章には自分で考える余地があると思うんですよね。ついなんでも説明したがっちゃいますけど、読者に考える部分を与えておくとか、説明し過ぎないのは大切なのかなと思います。これはTwitterの文章にも同じことがいえますね。

あと、文章は自分のペースで読めるけれど、動画は流れていくので受動的になってしまうと思います。能動的に自分で考えながら読み進めていく方が、僕は楽しいと思っています。

インフルエンサーのモチベーションを上げる案件依頼のコツ

―5歳さんは、代理店サイドにも寄り添って対応してくださっているように感じます。

5歳:
今からすごく良いこと言うんですけど、僕はいつも代理店ドリブンで考えるんですよ。あと当たり前かもしれませんが、クライアントファーストで考えます。

広告業界は、動く金額が大きいです。僕はもともと鍼灸院を経営していましたが、広告業界に飛び込んでから、動く金額の桁が全然違うなと最初は驚きました。

大きなお金が動くのであれば、それ相応の仕事をしなければなりません。お金の大きさに比例して大きな責任が発生します。そして、決して楽して儲けてはならないと思っています。

だからこそ、自分ができることは何かを考えて、全部やります。依頼された案件の商品はもちろん全部自分で買って使ってみますし、その会社の違う製品も購入します。僕のツイートがきっかけで生まれたUGCをしっかりリツイートするとか、自分ができることは全部やります。

たくさんいるインフルエンサーの中から僕を選んでくれたわけですから、ちゃんと恩を返さなければいけないという思いがありますね。

―そのような姿勢で取り組んでくださるインフルエンサーの存在は、本当に嬉しいです。しかし、「なかなか見つからない」とご相談をいただくことが多いです。

5歳:
この記事がインフルエンサーの方にも届いて、「もう少し頑張ってみよう」と思ってもらえたら嬉しいですね。説教するつもりはありませんが、「案件をもらって投稿して終わりで、あなたはいいんですか?」と、問いたくなる気持ちもあります。

―インフルエンサーの方々に、モチベーション高く取り組んでもらうコツはありますか?

5歳:
代理店の立場も経験してわかったのですが、「インフルエンサーをどれだけ巻き込めるか」を重視することですかね。「あなただから依頼したんです。ぜひ盛り上げてくれませんか」と、担当者がどこまで熱く語れるかどうかが大切だと思います。

代理店としていろんなインフルエンサーの方にお仕事をお願いしていますが、そのインフルエンサーさんになるべく合っていて、無理なくできる案件を相談させていただいてます。

アマヤドリを立ち上げて2年目で、僕は広告業界についてはまだまだわかっていないことも多いのですが、代理店の苦悩はなんとなく理解してきました。僕の立ち位置って、代理店とインフルエンサーのちょうど中間地点なんですよね。代理店の気持ちもわかるし、インフルエンサーの気持ちもわかるんです。

ラッキーなのは、デジタルマーケティングは型が確立されてないし、数年経つとすぐトレンドが変わります。だから、入っていけたんだと思っています。

―Twitterを活用し、インフルエンサーとしても活動し、代理店事業もやられている。三者の立場を経験している5歳さんから、インフルエンサーマーケティングについて、あえて代理店にアドバイスするとしたら?

5歳:
代理店としてSNSマーケティングを実施するなら、先に自分のTwitterアカウントを育てるべきでは、と思います。僕がTwitter歴が長いから、思うことかもしれませんが。

だって、Twitterのフォロワーが100人未満の方に「SNSマーケティングやります」って言われて、説得力ありますか? クライアントだって、代理店の担当者のTwitterアカウントはチェックしますよね。それでフォロワー数が数十人だったら不安になるはずです。

Twitterは基本的に暇人がやるものですけど(笑)、すぐ投稿できるし効果測定もしやすい。とりあえずやってみればいいのになって思いますね。

5歳さんTwitterアイコン

 

面白い投稿を続ける秘訣は「センスではない」

―5歳さんは、今後どのようなことに挑戦していこうと考えていますか?

5歳:
これまで自分がやってきたTwitter運用に、再現性を持たせようとしています。

僕は、自分の発信力に限界を感じています。僕に限らず、インフルエンサーには寿命があるんです。本当に頑張って4年が限界だと思います。

僕自身は「こうすればバズるな」「これは外すな」というABテストが終わった状態です。これからは、自分の経験を体系化して、他者でも再現できるようにしていきたいですね。

直近だと、Twitterアカウントの運用を依頼された「GOOD EAT CLUB」で僕個人の経験を活かした文章の書き方を実践しています。

GOOD EAT CLUBに関しては運営を開始して一ヶ月でフォロワーが5,000人近くまで増えました。文章のフォーマット作りや、写真の撮り方に関しては運営チームで思考錯誤を繰り返しながら制作しています。どうすればフォロワーさんに楽しんでもらえるのか徹底的に考えているのですが、やっていてとても楽しいですね。

これは非常に大事なことなんですけど、代理店に公式アカウントの運用を任せるとき、最初の段階で「最終的に誰が責任を取るのか」を明確にしたほうがいいです。

もっとわかりやすい言い方をすると、クライアント側でちゃんと「腹を括れる人」がいることが重要です。クライアントと代理店の間に信頼関係が築けていると、アカウント運営も上手くいく確率がかなり上がると思います。

―全面的に任せてもらえなければ、Twitterでのバズにつながる「面白さ」を実践できない可能性がありますよね。

5歳:
決まりきったやり方だと、コミュニケーションって生まれづらいと思うんですよね。僕は、リプライがたくさんくるツイートは、良いツイートだと思っています。リプライがくるということは、つい突っ込みたくなる要素をもっているんです。

SNSって会話が重要な要素になってくると思うんですけど、一見何でもないツイートでも、人間味が出ていればリプライがきて、ボケを返して、会話が続いていきます。

企業の公式アカウントが目指すべき面白さは、まだ模索している部分もあります。ただ、読み手にツッコミを入れるための余地を残すために「語りすぎないようにしよう」とは心がけています。あと、真面目な顔をしながらボケるみたいなことをこれからも続けていきたいなと思ってます。

―先程、文章のお話で出ていた「言葉の余白」にも気を付けながら、Twitterで面白い投稿を続けていく秘訣はありますか?

5歳:
こういうことを聞かれた時、「センスです」とは言いたくないんですよね。

実際、センスはそこまで関係ないと思っていて。過去に僕のTwitter講座を受講した方々は、みんなツイートがうまくなったんです。ポイントを押さえれば、一定のレベルまではいけるはずなんです。

もちろん、コツを知ってトレーニングを続ける必要はあります。人ってラクして結果を出したいから、始めて一週間でバズりたいと思っちゃいますよね? でも、ほぼ不可能だと思います。筋トレと同じで、コツコツと積み重ねることが大切です。

―5歳さん、ありがとうございました!

 

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