SNSコラム

【分析のプロが教える】Instagramインサイトの見方と分析のポイント

2020年09月11日
Instagram活用 | SNSコラム

最終更新日:2023年11月21日

Instagramインサイトは、投稿に対するリアクションやフォロワーの情報を細かくチェックできる機能です。活用すれば、目的の成果に近づくにはどのような人に、どのようなタイミングで、どのような投稿を行ったらよいかを探ることができます。

Instagramインサイトの基本的な使い方や、アカウントを伸ばしていくための見るべきポイント、マーケティング改善へ向けた分析のコツについてご紹介します。専門用語の多さに圧倒された方に向けて「6つの力分析」という独自のフレームワークを用いながらわかりやすく解説いたします。

Instagramインサイトの使い方と分析可能な項目

「Instagramインサイト」は、Instagramが提供する無料の解析機能です。フィード投稿やストーリーズがどれだけ多くのユーザーに見られているのか、プロフィールへはどのくらいのユーザーが訪れたのかなど、さまざまな情報を確認できます。

フォロワー数は多いにもかかわらず、情報を届けたい相手にフォローされていない。そのようなことが起こっている場合、発信内容または設定しているターゲット層から検討し直す必要があります。

「どのような人に見られているか」が把握できることは、Instagramのアカウント運用において大きなポイントです。

小規模な小売店やEC事業者など、有料ツールに予算をかけられない場合でも、Instagram上のデータを活用して認知を広げることが可能です。

Instagramインサイトの利用には、ビジネスプロフィールへの切替えが必要

Instagramインサイトは、アカウントを「ビジネスプロフィール」に切り替えることで利用できます。「設定」画面から「プロアカウントに切り替える」をタップすれば、切り替えられます。

ビジネスプロフィールに切り替えれば、プロフィールへのお問い合わせボタンの設置や広告の出稿も可能となります。



Instagramインサイトの画面を見るには

Instagramインサイトを見るには、アプリ画面右上のメニューボタンから「インサイト」をタップするか、プロフィール画面のプロフィール文の下にある「インサイト」ボタンをタップしましょう。

また、各フィード投稿の下に表示されている「インサイトを見る」ボタンをタップすると、投稿ごとのインサイト詳細へアクセスできます。

ストーリーズの画面では、左下の「◯人が既読」の部分をタップするとストーリーズ個別のインサイトの詳細が確認できます。
なお、ストーリーズでは投稿後24時間が過ぎると、閲覧したアカウントを確認できません。しかし、閲覧者数などのデータは、24時間が過ぎても確認可能です。

Instagramインサイトで見るべき6つの力

Instagramインサイトにはさまざまな数値があるためどれを見たらいいか迷うかもしれません。
次のようなシンプルな指標を分析することで、改善アクションにつながる示唆を得られやすくなります。

※以下の指標は「投稿単位」での分析時に有用です。

①閲覧力:投稿がどれだけ多くの人に表示されたかの度合い

②反応力:どれだけいいねやコメントがついたか

③誘導力:ECなどへどれだけ送客できたかの度合い

④有益力:どれだけ投稿が保存されたかの度合い

⑤フォロー力:投稿におけるフォローへのつながりやすさ

⑥会話力:どれだけシェアされたかの度合い

関係図はこちらです。どこにボトルネックがあるかを分析する際の参考にもしてみてください。


「閲覧力」
インプレッション数の多さを指します投稿がどれだけ多くの人に見てもらえたか、どれだけ影響力のある投稿ができたかを把握できます。
閲覧力をさらに分解したものが「新規閲覧力」です。こちらは、ホーム以外のインプレッションの多さをも把握するときに役立つ指標となります。

②「反応力」
いいね数やコメント数の多さのことです。どれだけ投稿に対してリアクションがあったかの指標となります。

③「誘導力」
ストーリーズからのリンククリックの多さを指します。
どれぐらいのユーザーをECに呼び込めたか、呼び込めるだけの魅力的な投稿だったかを分析できます。

④「有益力」
保存数の多さのことです。
保存数の多い投稿は発見タブに表示されやすいため、現在のフォロワー以外への閲覧力を上げる要素として分析できます。保存数の多さは、購買意欲の刺激につながる可能性が高いです。さらに、購買意欲を刺激できる可能性が高いです。

⑤「フォロー力」
フィード投稿からのプロフィールへのアクセスの多さを追える指標です。フォローされるきっかけとなった投稿を分析しやすくなります。

⑥「会話力」
DMなどで、投稿がどれだけ広まったかを把握する指標です。
この数値が高いほど、誰かが友人と投稿をシェアして楽しんだことが推測できるでしょう。コミュニティを盛り上げるコンテンツになっているか、分析できます。

InstagramのDMのような「クローズド」な空間でも、ブランドや商品が話題になることはマーケティングの観点上、とても大切です。どれだけインプレッションを得られたかを見る①閲覧力の観点だけではなく、購買意欲が高まるような話題のきっかけを提供できたかも、分析しましょう。

参考:[詳細版]ホットリンク総研が解説する、ダークソーシャルに関する調査結果

投稿単位での分析は、基本的にこの6つの力を分析すれば大枠を掴めます。

ちなみに、アカウント単位での分析指標には「親密力」があります。
親密力は「フォロワー数÷ストーリーズのインプレッション」の式で表せられます。
たとえば、フォロワー数が1000人でストーリーズのインプレッションも1000だった場合、フォロワーとの親密力は100%です。しかし、フォロワーが1000人いてもインプレッションが10しかなければ親密力は1%しかないことになります。

せっかく多くのフォロワーを得られても、エンゲージメントが低いとストーリーズの一覧に表示されないことがあります。フォロワーとの親密度を図る指標となりますので、関係力が落ちていないかを定期的に確認しましょう。

Instagramインサイトを使った分析例

先述した指標の具体的な活用法を知りたい人もいることでしょう。
①「閲覧力」②「反応力」④「有益力」⑥「会話力」の4つを例に取り、分析のやり方を紹介します。

検証アカウント:richcamp_official

richcamp_officialは、キャンプをリッチにする道具や料理などのアイディアを紹介しているアカウントです。キャンプに関するInstagramユーザーの投稿をリポストすることでアカウントを運用しています。
(キュレーション的なアカウントを運用する場合は、原則としてリポスト前に掲載許可を取るようにしましょう。)

①「閲覧力」の分析:リーチ数が多かった順に確認できる

こちらは1年間のフィード投稿のうち、リーチ数が多かった順にソートしたインサイト画面です。


このように、リーチが高い投稿と低い投稿を比べることで、リーチが伸びやすい投稿の傾向を把握することができます。

この中でもっとも多くのユーザーにリーチしている投稿は「ワンちゃん2匹がテントと一緒に写っている写真」です。
リーチが伸びた仮説は「動物と一緒の写真はリーチを伸ばす可能性がある」といえるでしょう。

また、どの経路から見てもらえたかを分析することも有効です。
たとえば、この投稿のインプレッション数の約8割がハッシュタグ経由だとわかった場合に考えられる仮説は、「この投稿では関連性の高く、多くの人に検索されそうなハッシュタグをたくさんつけていたから」といえます。

②「反応力」の分析:エンゲージメント数の多い投稿のパターンを掴む

次に、エンゲージメント数でソートしてみたところ、リーチ数が8位だった投稿が、エンゲージメント数では3位を記録しているものがありました。


テントやキャンプギアだけでなく、美しい景色も一緒に映っている写真は、エンゲージメント数が高くなる傾向がうかがえます。

「有益力」の分析:保存数が高い投稿のパターンを探る

「保存済み」が多い順でソートしてみると、ワンポールテントの写真が多く保存されていることがわかります。

richcamp_officialのフォロワーやリーチユーザーに対しては、ワンポールテントのようなユニークな形の写真が好まれている可能性があります。

「保存済み」の投稿は、閲覧者が「あとで見返したい」と思っている可能性が高いです。商品を具体的に解説していたり、お役立ち情報などを紹介したりしている投稿はとくに保存されやすい特徴があります。保存された投稿は何度も見られることから、エンゲージメントが高くなりやすい傾向にあります。

もうひとつの例として、リーチ数・エンゲージメント数では2位だった投稿が、フォローされた数では1位となっているパターンを紹介します。

この投稿は、フォローされた数だけではなく、保存された回数でも1位でした。フィルターをかけておしゃれに仕上げた写真が、フォローや保存につながりやすかったことが考えられます。

自社の情報を届けたいユーザー層が、どのような投稿であれば保存したくなるか? ユーザーの立場になって検討してみてはいかがでしょうか。

「会話力」の分析:シェア数の多い投稿のパターンを掴む

こちらは、とある投稿のインサイトです。


この投稿は11回シェアされており、ユーザーのコミュニティ内で会話のきっかけになっている可能性があります。

シェア数が多ければ多いほど、ダークソーシャルでの情報伝播に貢献したことがわかる指標が⑥会話力です。

見落としがちですが、ダークソーシャル上で自社に関する会話が交わされていることを意識しておくことは、マーケティング施策を考えるうえで重要な観点です。

企業側からは見えないところでも自社の会話が交わされていることを確認する指標として使ってみてください。

フィード投稿とストーリーズ投稿それぞれの分析ポイント

Instagramインサイトを閲覧する目的は、よりよいInstagramアカウント運用を行うためです。

「フィード投稿」と「ストーリーズ」、それぞれのインサイトデータにおいて、とくに注目すべきポイントをご紹介します。

フィード投稿

フィード投稿では、どれだけ多くのユーザーに見られたか? が重要です。

投稿を見たユーザー数は「リーチ数」、投稿が表示された回数は「インプレッション数」として表れます。
各投稿のリーチ数はもちろん、1日複数回投稿した場合のリーチ数の増減などにも注目し、発信したコンテンツがしっかり届いているかをチェックしましょう。

1日に複数の投稿をした場合、リーチ数が明らかに減っている投稿があるならば、1日の投稿数を抑える施策が検討できます。
施策検討を重ねることで、自社アカウントにとってベストな投稿回数が明確になるでしょう。

リーチがなかなか伸びない場合

フィード投稿には、ハッシュタグや発見タブ経由で新しいユーザーからのリーチを得やすいという特徴があります。
しかし、リーチが伸び悩んでいる場合はどうすればよいのでしょうか。

まずできることとしては、ハッシュタグの改善があります。
検索されやすく、関連性の高いハッシュタグを本文に含めることで、認知の裾野が広がる可能性があります。ハッシュタグは1投稿に30個までという規定があるので、ハッシュタグの取捨選択は重要です。

既存フォロワーのリーチ数を増やす取り組みも必要です。

投稿ごとのインサイトを確認すると、インプレッション数の内訳に「ホーム」の数値が記載されています。ここでは、自社アカウントのフィード投稿が、フォロワーのホーム画面で何回表示されたかを確認できます。

「ホーム」の数値があまり伸びていない場合は、どのようなフォロワーがいるのかを再度確認し、どのようなコンテンツが好まれるのか、検討する必要があるでしょう。

ストーリーズ

ストーリーズは、基本的にフォロワーへ向けたコンテンツです。フォロワー数に対してどのくらいのリーチを獲得できているかをチェックしましょう。

フォロワー数に対してリーチがあまり獲得できていないのであれば、フォロワーとのエンゲージメントが低い可能性があります。

エンゲージメントが高まりやすいような投稿やコミュニケーションを検討しましょう。

「次のストーリーズ」の数値が多いと要注意

この項目は、次のアカウントのストーリーズに移るためにタップで飛ばした回数を示しています。ここで表示されている回数が少なければ少ないほど、フォロワーの「見たい」に応えた投稿だと推測できます。

フォロワー情報は「オーディエンス」で確認

 


「オーディエンス」の項目では、フォロワーに関する詳しい情報を確認できます。

フォロワー数の増減ペースや、フォロワーの住んでいる地域、年齢層、性別のデータを確認できます。

さらに「最もアクティブな時間」からは、フォロワーが平均してオンラインになっている曜日・時間帯を確認できるので、見てもらいやすい投稿タイミングを探る参考にもなります。

Instagramインサイトを活用して、改善サイクルを回そう

Instagramの写真や動画は感覚的なものであり、客観的な分析は難しく思えるかもしれません。しかし、Instagramインサイトを活用すればデータから具体的な改善策を立てることができます。

リーチ数やフォロワーが増えていくことで、企業やブランドのファンが増え、ブランディング効果につながります。Instagramインサイトを活用し、求める成果にまっすぐ進めるよう改善を図っていきましょう。

 

Instagramを始めとするSNSを活用した独自性の高いマーケティング施策で、クチコミによるファンの増大化と売上アップに成功した事例はこちらをご覧ください。

 

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