2026年上期も、各SNSでさまざまな変化がありました。本記事では、2026年上期のSNS関連のニュースの中から、SNS運用を担当されている方に知っておいていただきたいトピックスを厳選してご紹介します。
当社コンサルティング営業本部の秋山幸世によるポイント解説もご覧ください。
(編集:倉内夏海)
2026年1月のトピックス
X
・Grokの画像生成・編集機能に安全対策を導入。同機能を有料会員向けに限定し、実在する人物の露出度の高い画像の生成・編集を制限しました。生成AI活用の拡大にあわせ、安全性や権利保護への対応が進んでいます。
・「おすすめ(For you)」欄の新アルゴリズムを公開。Grokによる反応予測、投稿への滞在時間、ネガティブ反応などが表示判断に関わることが示唆されました。
Instagram
・リールズのAI翻訳機能に5言語を追加。対応言語は計9言語となり、特にインド市場を意識したアップデートと見られます。声質やトーン、リップシンクも調整されるため、ショート動画のグローバル配信に活用しやすい機能です。
Threads
・Threads広告のグローバル展開を発表。既存のMeta広告キャンペーンにThreadsの広告枠が自動追加され、画像・動画・カルーセル広告を配信できるようになりました。
2026年2月のトピックス
X
・APIの仕様を変更し、API経由の返信やメンション、引用を制限。これにより、返信は元投稿者が返信者をメンションしている場合や、返信者の投稿を引用している場合などに限られるようになりました。生成AIを用いた低品質な自動返信や、無関係な相手への大量接触によるスパムを抑制するための措置と見られます。
Threads
・「Dear Algo」でフィード表示を調整できる機能を拡張。投稿に見たい内容を入力すると、3日間フィード表示に反映されます。ユーザー自身が関心を伝え、表示内容を調整する流れを示すアップデートです。
2026年3月のトピックス
X
・広告プラットフォームの刷新に伴い、広告管理画面(広告マネージャーUI)をアップデート。キャンペーン作成や分析の操作性が改善されたほか、AIを活用した広告運用機能も強化されました。
・「有料パートナーシップ」ラベルを導入。有料またはインセンティブ付きのオーガニック投稿であることを明示する機能で、クリエイター施策やPR投稿では、透明性の担保が重要になっています。
・Grokによる画像編集をブロックする機能を追加。投稿画像に対するGrokの編集ボタン表示やメンション経由の編集を制限できます。完全な編集防止ではないものの、不適切な画像改変への懸念を受けた対策と見られます。
・Grokによる自動翻訳を日本ユーザーにも拡大。翻訳ボタンを押さずに他言語投稿が自動翻訳表示され、日本語投稿も海外ユーザーに届きやすくなる可能性があります。X上の話題が言語圏を越えて広がりやすくなります。
・投稿への返信可能ユーザーを「フォロー先のフォロー」や「地域」で限定する機能を、有料プラン(Xプレミアムなど)に提供開始。完全公開と限定公開の中間のような返信設定が可能になりました。議論の広がりを保ちながら、スパムや低品質な返信を抑制しやすくする狙いがあります。
Instagram
・プロフィールグリッドのサムネイル編集機能を導入。プロフィールグリッドで任意の投稿の「プレビューを調整」を選ぶと、サムネイル画像の見映えを調整できるようになりました。プロフィール訪問時の第一印象を、より戦略的に設計しやすくなっています。
・カルーセル投稿の並び替えが可能に。公開後でも画像や動画の順番を変更できます。情報量の多い投稿や商品紹介、ハウツー投稿などで、ユーザーの反応を見ながら見せ方を改善しやすいアップデートです。
Threads
・日本市場向けの公式Threadsアカウントを開設。X利用率が高い日本で、Threadsの定着を狙う動きと見られます。
・トレンドトピックのAI要約機能を日本にも拡大。探索機能内で、話題のテーマをAIが簡潔にまとめて表示します。リアルタイムな話題把握や、時事性の高い会話への参加を促す機能です。
2026年4月のトピックス
X
・X Communitiesを5月30日で廃止すると発表。廃止は段階的に進められているとみられ、2026年7月時点でも利用できるコミュニティが確認されています。今後はXChatやGroupchat Linksを強化し、公開コミュニティからクローズドな会話機能へ重心を移していくと考えられます。
Instagram
・「Your Algorithm」機能をExploreにも拡張。一部ユーザーは、リールズに加えてExploreでも表示コンテンツを調整できるようになりました。レコメンドをユーザー自身が管理する流れが強まっています。
・インサイト機能を改善し、詳細分析が可能に。投稿のシェア率やスキップ率などを確認しやすくなりました。
・オリジナルコンテンツを優先的に表示する仕組みを、リール動画に加えて写真・カルーセル投稿にも拡大。他者のコンテンツの再投稿が中心のアカウントは、おすすめ表示の対象外となる可能性があります。企業アカウントでも、自社で制作した素材や独自の視点・編集を加えたコンテンツづくりが、より重要になります。
2026年5月のトピックス
X
・「おすすめ(For you)」欄の最新のアルゴリズムを公開。Grokによる反応予測、投稿への滞在時間、ネガティブ反応などが表示判断に関わることが示唆されました。
※関連記事:Xの「おすすめ」はどう決まる? 公開コードから読み解くアルゴリズムと、運用に活かす7つのポイント
・非有料ユーザー向けの新たな投稿制限を導入。認証されていないアカウントは、1日あたりオリジナル投稿50件、返信200件までに制限されます。
Instagram
・新機能「Instants」を発表。Close Friendsまたは相互フォロー相手に、その場で撮影した写真を共有できる機能です。閲覧後に消え、24時間後には見られなくなる仕様で、近しい相手とのリアルタイムな共有を重視しています。
・Metaの動画編集アプリ「Edits」に新たなインサイト機能を追加。動画ごとのエンゲージメント率や視聴者の反応が高まるタイミングなどを詳細に分析できるようになりました。
Threads
・ブランドロゴ・フォントを刷新。ThreadsはInstagramの派生的な存在から、独自の会話プラットフォームとしてのブランド確立を進めています。
TikTok
・中小企業とTikTok Shopに関する調査を公開。米国TikTok Shopユーザーの3分の2が新ブランドを発見し、発見から1ヵ月以内に約90%が購入したと発表しました。
2026年6月のトピックス
Meta
・Instagram、Facebook、Messengerでの未成年が見るコンテンツを年齢相応に制御する動きをグローバル規模に拡大。Instagramでは、10代ユーザーが特定ジャンルのコンテンツを連続して見すぎないようにする仕組みをテスト。おすすめ表示の「偏り」や「見せすぎ」への対策を進めています。
・Meta Business Agentを発表。WhatsApp、Messenger、Instagramで企業の問い合わせ対応や商品提案などをAI支援。
Threads
・月間アクティブユーザー数が5億人に到達。
・コミュニティ機能の正式化に加え、2月に導入した「Dear Algo」に続く、フィード表示を非公開で調整できる「Your Algo」を発表。ユーザーが見たいトピックや減らしたいトピックを設定し、1日・3日・7日の期間で表示内容に反映できるようにしました。
TikTok
・TikTok Shop Japanが6月30日をもって1周年を迎えたことを発表。6月17日に公開された調査レポート「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」では、日本の月間アクティブユーザー数が約4,950万(2026年5月末時点。自社調べ。ユーザー数はTikTokとTikTok Liteのユーザー数、重複を除く)にのぼることを発表しました。
解説:2026年上半期の変化から読み解く、SNS運用で求められる視点
2026年上半期は、AI活用や安全性向上の取り組みが、各SNSに共通する大きな潮流となりました。一方で、Xでは自動翻訳やレコメンドアルゴリズムのアップデート、Instagramではクリエイター支援、Threadsではフィード調整機能の拡充など、それぞれのプラットフォームらしい進化も見られました。
■アルゴリズムの攻略だけでは、届きにくい時代に
特に印象的なのは、アルゴリズムを追いかけて攻略すれば成果につながる、という考え方がますます通用しにくくなっていることです。Xは定期的に「おすすめ」のアルゴリズムをアップデートしており、InstagramやThreadsでは、ユーザー自身が見たい情報や減らしたい情報を調整できる機能が広がっています。企業がオーガニック投稿だけで生活者との接点を持ち続けることは、今後ますます難しくなるでしょう。
だからこそ、個別のアップデートに一喜一憂するのではなく、「誰に、どのような接点をつくり、最終的にどの事業成果につなげるのか」という視点が重要です。日々の投稿を改善するだけでなく、広告も活用しながら、オーガニック投稿では届きにくい層にも情報を届けていくことが重要です。
■生成AIは、活用することより使いどころの見極めが重要
生成AIについても、活用の幅は確実に広がっています。一方で、企業がAI生成コンテンツをそのまま公開することに対し、違和感や不信感を持つ生活者も少なくありません。
作業の効率化やアイデア出しには有効でも、投稿クリエイティブへの利用は、ブランドとの相性や生活者からの見られ方、権利面、機密情報の取り扱いまで含めて慎重に判断すべきです。新機能があるから使うのではなく、自社にとって使う意味があるかを見極める姿勢が求められます。
一方で、生成AIを活用した機能の中には、企業の発信をより多くのユーザーへ届ける可能性をもつものもあります。Xの自動翻訳により、これまで届かなかった海外ユーザーに投稿が広がり、思いがけない反応や成果につながることもありそうです。企業が想定していなかった層にまで広がるようになったからこそ、文脈や受け取られ方まで含めて考える必要があります。
■Instagramでは、オリジナルな表現がより重要に
Instagramでは、プロフィールグリッドやカルーセル、インサイト、Editsなど、クリエイターがより表現しやすく、改善しやすくなるための機能追加が続きました。こうした動きからも、Instagramがクリエイターの表現を重視するプラットフォームであることが分かります。
ただし、SNSの新機能は、アカウントや端末によって実装時期が異なる場合があります。また、発表内容と実際の利用状況に差があるケースもあります。ニュースだけを見て判断せず、自社アカウントで本当に使えるか、実務上どの程度有効かを確認しながら取り入れることをおすすめします。

秋山 幸世
株式会社ホットリンク コンサルティング営業本部 事業推進補佐
2019年入社後、飲食やスキンケア、アパレル企業などのソーシャルメディアマーケティング支援やSNSアカウント運用代行に従事。現在はInstagram事業の拡大を担当するほか、社内外のセミナーに登壇。2026年2月に、物販ビジネス専門メディアに「EC事業者が知るべきXアルゴリズムの本質|フォロワーが売上に直結しない理由」を寄稿。
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