商品・サービスを購入する前に、SNSやECサイト、レビューサイトで「実際に使った人の声」を確認する。こうした行動は、いまや特別なものではなくなりました。
ホットリンクでは、日本在住の1,000名を対象に「クチコミ投稿の経験や購買への影響」に関する調査を実施。回答者の78.3%が、十分なクチコミが見つからず、購入(利用)をためらった経験があると答えました。
2026年6月24日に公開したプレスリリース「UGC調査2026」の内容に加え、年代別・性別でのクロス分析も交えながら、企業はUGC(ユーザーによるクチコミ)をどのように捉えるべきかを、当社の柴岡が考察します。
クチコミを参考に商品・サービスを購入(利用)した人は85.9%
直近1年で、インターネット上のクチコミを参考に、商品・サービスを購入(利用)した経験があるかを聞いたところ、「ある」が85.9%となりました。2024年調査の86.1%とほぼ同水準となり、インターネット上のクチコミが購買行動に影響する傾向は継続していることがうかがえます。

十分なクチコミが見つからず、商品・サービスの購入(利用)をためらった経験は「ある」が78.3%
商品・サービスを購入(利用)する際、十分なクチコミが見つからなかったことで、購入(利用)をためらったり、やめたりした経験があるかを聞いたところ、「ある」が78.3%となりました。内訳は、「ときどきある」が62.7%、「よくある」が15.6%でした。
クチコミは、商品・サービスを知るきっかけや購入を後押しする情報である一方、十分に見つからないことで、購入検討のハードルにもなり得ることがうかがえます。

信頼されるクチコミの条件は「実際に購入・利用した人の体験」
商品・サービスを購入(利用)する際に、どのようなクチコミを信頼できると感じるかを聞いたところ、「実際に購入・利用した人の体験が書かれている」が81.4%で最多となりました。
次点として、「良い点・悪い点の両方が書かれている」が59.8%、「自分と属性・悩みが近い人の投稿である」が37.5%、「写真や動画がある」が37.4%と続きました。
この結果から、生活者がクチコミを信頼するうえでは、実際に使った人の具体的な体験が特に重視されていることがうかがえます。企業がUGC施策を設計する際も、単に投稿数を増やすだけでは十分とは言えません。購入前に知りたい情報や、具体的な使用体験、良い点・悪い点の両方が伝わるクチコミが生まれる状態をつくる必要があります。

参考にしたクチコミの掲載先は「ECサイト」が71.1%で最多
直近1年で、インターネット上のクチコミを参考に、商品・サービスを購入(利用)した経験があると答えたユーザーに、参考にしたクチコミの掲載先を聞いたところ、「ECサイト」が71.1%、「レビューサイト・クチコミ投稿サイト」が51.5%、「YouTube」が27.2%で上位を占めました。
2024年調査でも「ECサイト」が52.7%で最多となっており、ECサイト上のクチコミが引き続き主要な参照先となっています。

クチコミを参考に購入した商品は「化粧品」、投稿した商品は「日用雑貨」「食品」が上位
直近1年で、インターネット上のクチコミを参考に購入(利用)した商品・サービスを聞いたところ、「化粧品(スキンケア、メイクアップ)」が34.7%、「日用雑貨」が34.3%、「食品」が31.8%で上位を占めました。以降は、「家電」が26.8%、「ファッション用品」が24.2%、「飲食店」が22.1%と続きました。

また、クチコミを投稿した経験がある人に、直近1年でインターネット上にクチコミを投稿した商品・サービスを聞いたところ、「日用雑貨」「食品」が24.4%で同率最多となりました。以降は、「飲食店」が21.1%、「化粧品(スキンケア、メイクアップ)」が19.6%、「ファッション用品」が16.2%と続きました。

クチコミの投稿経験は「ある」が55.0%
直近1年で、インターネット上に商品・サービスのクチコミを投稿した経験を聞いたところ、「ある」が55.0%、「ない」が45.0%となりました。2024年調査では「ある」が49.8%、「ない」が50.2%とほぼ同率でしたが、2026年調査では投稿経験のある人が半数を超えました。

クチコミ投稿先は「ECサイト」が56.9%で最多
直近1年で、インターネット上に商品・サービスのクチコミを投稿した経験が「ある」と答えたユーザーに、直近1年のクチコミ投稿先を聞いたところ、「ECサイト」が56.9%、「レビューサイト・クチコミ投稿サイト」が45.5%、「X(旧Twitter)」が17.5%で上位を占めました。

年代別に見ると、若年層ほどSNS上のクチコミを参考にする傾向
商品・サービスを購入(利用)する際に参考にする情報を年代別に集計したところ、年代によって違いが見られました。
「SNS上の一般ユーザーによるクチコミ」を参考にすると回答した割合は、10~20代が69.3%、30代が63.5%、40代が54.9%、50代が42.9%、60代以上が43.3%でした。
一方、「ECサイトやレビューサイトに掲載されているレビュー」を参考にすると回答した割合は、10~20代が50.0%、30代が69.4%、40代が78.7%、50代が74.4%、60代以上が71.6%でした。
10~20代では、SNS上の一般ユーザーによるクチコミがECサイトやレビューサイトのレビューを上回っています。一方、30代以降ではECサイトやレビューサイトのレビューを参考にする割合が高く、特に40代以上では7割を超えました。
この結果から、年代によって参考にするクチコミの情報源が異なることが分かります。若年層にとっては、SNS上の一般ユーザーの声が購買検討時の重要な情報源になりやすく、30代以降ではECサイトやレビューサイト上のレビューがより重要な接点になっていると考えられます。

クチコミ不足で購入(利用)をためらった経験は、女性82.9%、男性72.7%
性別で見ると、女性の方がクチコミとの接点がやや多い傾向が見られました。直近1年でインターネット上のクチコミを参考に商品・サービスを購入(利用)した経験が「ある」と回答した人は、女性が88.5%、男性が82.7%でした。

また、十分なクチコミが見つからなかったことで購入(利用)をためらったり、やめたりした経験が「ある」と回答した人は、女性が82.9%、男性が72.7%でした。

さらに、直近1年でインターネット上に商品・サービスのクチコミを投稿した経験が「ある」と回答した人は、女性が58.4%、男性が50.6%でした。

男女ともにクチコミの影響は大きいものの、女性は投稿、参照、購入判断のいずれにおいても、クチコミとの関わりがより強い傾向が見られます。
商品・サービスのカテゴリによって差はあるものの、女性向け商材や、購入前に比較・検討が発生しやすい商材では、生活者のクチコミが十分に見つかる状態を整えることがより重要になる可能性があります。
生成AIは、現状では購買判断の主役とは言えない
今回の調査では、商品・サービスを購入(利用)する際に参考にする情報として、「ChatGPTなどの生成AIによる、商品・サービスの推薦や比較情報」も選択肢に加えました。
その結果、生成AIによる推薦や比較情報を参考にすると回答した人は17.7%でした。

年代別に見ると、生成AIによる推薦や比較情報を参考にすると回答した割合は、10~20代が22.9%、30代が15.9%、40代が19.4%、50代が14.9%、60代以上が13.4%でした。10~20代では2割を超えており、生成AIが商品・サービスの情報探索の一部として使われていることがうかがえます。

解説:企業がUGC施策で考えるべきポイント
クチコミを参考にする行動は2024年調査(86.1%)から2026年調査(85.9%)とほぼ同水準で定着しています。加えて、クチコミを投稿した経験がある人は49.8%から55.0%へと増え、半数を超えました。参考にするだけでなく、自ら投稿する生活者も増えている可能性があります。
今回の調査から、生活者は商品・サービスの購入(利用)時に、ECサイトやレビューサイト、SNSなど複数の接点でクチコミに触れていることが分かりました。
また、十分なクチコミが見つからないことで購入をためらう人が約8割にのぼることから、クチコミの有無や内容は、購買検討の進み方そのものを左右していると考えられます。生活者にとってクチコミは、購入前の不安を解消し、意思決定に踏み切るための重要な根拠になっています。
そのため企業には、生活者のクチコミが生まれやすい状態をつくり、それを見つけ、活用する視点が求められます。具体的には、以下のようなポイントが挙げられます。
・生活者が商品・サービスについて語りたくなる体験や接点を設計する
・実際の利用シーンや具体的な感想が伝わるUGCが生まれやすい企画にする
・SNSだけでなく、ECサイトやレビューサイト上のクチコミも含めて把握する
・クチコミを販促、商品改善、顧客理解に活用する
生成AIなど新しい情報接点が広がる中でも、生活者が実際に購入・利用した具体的な体験は、購買判断における重要な判断材料となっています。生成AIが商品との出会いや比較を支援するようになっても、購入時の安心感や納得感に寄与するのは、実在する生活者の具体的な体験や率直な感想だと考えられます。
企業アカウントからの発信だけで完結させるのではなく、生活者の体験にもとづくUGCを生み、見つけ、活用する仕組みをどうつくるかが、引き続き重要になるでしょう。

柴岡 幸輝
株式会社ホットリンク コンサルティング営業本部 ソリューション営業部 部長
新卒で広告代理店に入社し、デジタル領域のマーケティング支援に従事。その後、インフルエンサーマーケティング専業会社でのクライアント支援を経て、2022年にホットリンクへ入社。アカウント運用・SNS広告・UGC活用を横断した支援経験を積み、現在はソリューション営業部の部長として新規案件の獲得を牽引。現場で得た知見とノウハウを書籍『SNSマーケティング「超」攻略事典88』に凝縮した。
調査概要
・調査期間:2026年5月27日~2026年6月3日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:日本在住の1,000名
《性別》
男性:415名
女性:572名
回答しない:13名
《年齢》
15~19歳:8名
20~29歳:132名
30~39歳:301名
40~49歳:324名
50~59歳:168名
60~69歳:57名
70~79歳:10名
《地域》
北海道地方:50名
東北地方:63名
関東地方:381名
中部地方:158名
近畿地方:185名
中国地方:63名
四国地方:18名
九州・沖縄地方:82名
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