SNSコラム

AI Overviewとは?GoogleのAIによる概要の使い方や機能概要、SEO対策を解説

更新日:2025年5月16日
公開日:2025年5月16日
SNSマーケティング

Googleが提供するAIによる回答概要生成機能「AI Overview」。その登場は、既存のSEOや集客のあり方を大きく変える可能性があります。
この記事ではAI Overviewとは何なのか、機能概要や使い方、SEOや企業の集客方法をどのように変える可能性があるのかを解説していきます。

AI Overviewとは?

AI OverviewとはユーザーがGoogleで入力した検索クエリに対して、生成AIモデル「Gemini」が、回答を自動的に生成する機能です。

AI Overviewの回答は検索結果の最上部に表示されます。ユーザーは検索結果のページをクリックしなくても、検索結果ページ上で概要を理解することが可能になりました。

AI Overviewの見え方

AI Overviewは日本でいつから導入される?

2024年8月15日から日本でも正式提供が開始されています。

2024年5月からSearch LabsでAI Overviewをオプトインしたユーザー限定で提供されていましたが、2024年8月から全ユーザーを対象にAI Overviewが表示されるようになりました。

SGE(Search Generative Experiences)との違い

AI Overviewは以前、旧名のSGE(Search Generative Experiences)と呼ばれていました。

SGEのときはSearch Labsでオプトインしているユーザーのみに表示されていましたが、現在のAI Overviewではすべてのユーザーに表示されるようになりました。

また、SGEのデータはサーチコンソールに含まれていませんでしたが、AI Overviewはサーチコンソールレポートにデータが含まれるようになりました。(AI Overviewを切り分けて分析することは不可)

AI Overviewの機能概要

現在の日本で提供されているAI Overviewの機能はシンプルです。

ユーザーが入力した検索クエリに対する回答を検索結果ページ上部に表示します。

また、回答を生成するために利用した記事をリスト形式で表示してくれます。

AI Overviewの参照・引用したページ

検索結果最上部以外にも、「関連する質問(People also ask)」の回答にもAI Overviewが用いられることがあります。

関連する質問(People also ask)のAI Overviewによる回答

今後展開可能性がある機能

AI Overviewには、日本で2025年5月現在展開されていないものの、Googleが公式でアナウンスしている機能が存在します。

今後日本でも展開される可能性が高い機能をご紹介します。

3つのモードの切り替え

AI Overviewが表示する概要を「Original」「Simpler」「Break it down」の3つから選択・切り替えできる機能です。

デフォルトでは「Original」が選択されており、より簡易的な概要を知りたい場合は「Simpler」に、より詳細を知りたい場合は「Break it down」を選択することで、知りたい情報量に合わせた概要を表示してくれます。

AI Overviewの3つのモードの切り替え機能

複雑な質問への回答

Geminiモデルのマルチステップ推論機能により、今まで以上に複雑な質問に回答できるようになります。

複雑な内容を複数の質問に分けなくても、あらゆるニュアンスや前提条件を含めた1つの質問として聞くことができます。

例えばジムを探していて、「通勤に便利な場所にあって」「新規会員向けの割引があり」「利用者のクチコミもいい」といった複雑な条件を含めた質問が可能です。

計画の作成

検索機能にプラン作成機能が組み込まれ、食事や旅行などのプランを作成し提案してくれます。

例えば「作るのがカンタンな1週間分の家族3人の食事プランを作って」と依頼をすれば、ウェブ上のレシピをもとに食事プランを作成してくれます。

提案してくれたプランを修正変更することも簡単です。たとえば「夕食は野菜中心のレシピに変えて」と言えば、食事プランをカスタマイズしてくれます。

AI Overviewの計画作成機能

現在は、食事と旅行のプラン作成機能は米国のSearch Labsで英語にて提供中です。

今後はパーティーやデート、運動などのプラン作成にも対応していく予定です。

AIによる情報整理

AIが生成した切り口ごとに情報を整理して検索結果に表示してくれるようになります。

アイデアを探すときにブレインストーミングをするのに便利です。

動画で質問

Google Lensで動画を撮影することで、動画に写っている事柄に対して質問をすることができます。

例えば「リサイクルショップでレコードプレーヤーを買ったけど、電源を入れても針のついた金属部分が変な動きをしてしまう」といった質問を動画に添えて質問をします。

テキストや画像だけでは伝わらない事象をGoogleに伝えて質問をすることが可能になります。

動画でAI Overviewに質問

AI Overview内の広告掲載

一部のBuyクエリにおいて、AI Overview内でショッピング広告が表示されます。

Googleブログで紹介された例では「ジーンズについた草のシミはどうやって落とすの?」という質問に対して、AI Overview が、家庭にあるものでの対処法などの有用な解決策を提示しています。

そして、別途シミ抜き製品を検索し直さなくても、関連するショッピング広告がAI Overviewの中に表示されるので、最適なシミ抜きアイテムをすぐに見つけることができるようになっています。

AI Overview内の広告

現在は米国のモバイルユーザー向けに正式提供が開始されています。

AIモード(AI Mode)

AI ModeはAI Overviewよりもより広範で多様な結果を示す、Google検索のAIモードです。

AI Overviewはあくまで従来の検索結果の上部に、回答の概要を示すのみにとどまりますが、AI Modeでは結果ページ全体がAIによって生成された回答となります。ユーザーはチャットのようにAIと会話し、質問を重ねながら知りたいことを深ぼっていくことが可能になります。

Google検索のAI Mode(AIモード)

例えば、ユーザーが睡眠記録についての情報を検索すると、AI モードがさまざまな選択肢の比較表を作成してくれます。

現在は実験中の機能で、アメリカのGoogle OneのAIプレミアム(Premium)登録者を、Search Labsを通じてテストに招待し始めているとのことです。

AI Modeではユーザーの回答に応じて商品を直接レコメンドするショッピング検索にも対応する可能性があり、AI Modeによる商品レコメンドが浸透するとBuyクエリにおいても商品一覧ページや商品紹介記事のゼロクリック検索が増加する可能性が考えられます。

Google検索でBuyクエリ上に商品レコメンドが表示される

出所:https://x.com/brodieseo/status/1920455605367812146/photo/1

AI Overviewの使い方

AI Overviewの表示設定

以前はAI Overviewを表示するにはSearch Labsでオプトインの設定が必要でした。現在は設定をしなくても表示されるため、特に設定作業は必要ありません。

AI Overviewを表示する方法

使い方はGoogleの検索ボックスでキーワードを入力して検索を実行するだけです。

検索結果の最上部にAI Overviewが表示されます。

AI Overviewのソース情報を確認する方法

表示される概要の各箇所に表示されているリンクのアイコンをタップすると、参考にしたページの一覧が表示されます。

また、AI Overviewセクションの最下部にカルーセル形式でソース記事が一覧表示されます。

ソース情報の表示のされ方は随時変更される可能性があります。

AI Overviewの参照・引用したページ

AI Overviewを計測する方法

AI Overviewにおける表示回数やクリック数を正確に計測することは現状は難しいですが、一部計測できる方法を紹介します。

サーチコンソール

SGEとしてSearch Labsでオプトインしたユーザーのみに表示されていたときはサーチコンソールのデータにAI Overviewの数値は含まれていませんでした。AI Overviewとして正式展開後、サーチコンソールのデータにAI Overviewも含まれるようになっています。

ただし、2025年5月現在ではAI Overviewのデータを切り分けて確認することはできません。

サードパーティーツール

AhrefsなどのSEOのサードパーティー分析ツールを用いることでAI Overviewに関するデータを確認することが可能です。

AhrefsではAI Overviewで自社サイトが表示されているキーワード一覧を確認できます。

ただし、サードパーティーツールのデータは、非常に限られたデータセットに基づいている可能性もあり信憑性や網羅性は不明です。

AI Overview出現によるSEO対策・集客への影響

AI Overviewは正式展開後、2025年3月ごろに表示されるクエリが急増していることが確認されています。

AI Overviewの表示が増えると企業のSEOや集客にどのような影響があるのか、解説します。

Knowクエリのゼロクリック検索が増えてCTRが大幅に下がる

AI Overviewは現在のところKnowクエリを中心に表示されています。

Knowクエリの場合、サイトに遷移しなくてもAI Overviewの情報だけで検索が完了するケースが多いため、検索結果のサイトURLを1つもクリックしない「ゼロクリック検索」が増加しています。

「検索ボリュームの大きいKnowクエリで1位を取っているのにほとんどサイト流入がない...」という事象が起きているのです。

今まではCVRが低いKnowクエリでも、上位表示をして大量のトラフィックを獲得することで一定数のコンバージョンを獲得できたり、リターゲティングと組み合わせてコンバージョンにつなげる方法もありました。AI Overviewの影響でKnowクエリでサイトトラフィックを獲得することが難しくなり、KnowクエリSEOの重要度が低下することが考えられます。

Go/Do/Buyクエリの価値が高まる

一方で「なにかを実行したい」「なにかを買いたい」人が検索するGoクエリ、Doクエリ、Buyクエリにおいては、AI Overviewだけでは検索意図を満たすことができない可能性があります。

例えばヘアケア商品をECで買いたいと思っている人は、購入可能なECサイトにアクセスして購入を実行する必要があります。実際に現状ではBuyクエリではAI Overviewがそもそも表示されないことが多いです。

今後は相対的にGo/Do/Buyクエリにおいて自社サイトを上位表示する重要性がより高まると思われます。

指名検索を増やす認知施策の重要性が高まる

AI Overviewの台頭でKnowクエリの重要度が下がるにつれて、企業名やブランド名などの「指名検索」の重要度が相対的に高まります。

企業やサービスの概要を知りたいだけの検索ユーザーであればAI Overviewの概要で完結することもありますが、「このブランドの商品を買いたい」「このサービスを使いたい」「このお店に行ってみたい」と思っているユーザーはサイトにアクセスしてより詳細な情報やアクションを求める可能性が高いためです。

また、一般的なBuyクエリでは検索結果上で競合他社と比較されますが、指名検索であれば比較されないため、CVRも高い傾向があります。

指名検索を大幅に増やすためには、基本的に多額の広告投資が前提となります。

しかしSNSをうまく活用できると、広告を配信し続けなくても、一般ユーザーのUGC(クチコミ投稿)によって、自律的に指名検索を増やすことができる可能性があります。

参考:UGCとは?クチコミ活用の手法や売上貢献事例をわかりやすく解説

SNSマーケティング支援会社ホットリンクの支援実績から、SNS上のUGC数は指名検索数と相関し、指名検索数は売上と相関することが、データ上で判明しています(※商材や消費者行動の特徴によって、相関関係が変わることもあります)。

UGCと指名検索、売上の相関関係

このファクトを元に、SNS上で発生したUGCによって指名検索数と購買量が増える一連の流れを表した、SNS時代の新しい購買行動モデルが「ULSSAS」です。

 

▼ULSSASの流れ

U: UGC(認知)

L: Like(いいね)

S: Search 1(SNS検索)

S: Search 2(Google検索)

A: Action(購買)

S: Spread(拡散)

AI時代のSEOに理解が必要なULSSASモデル

ULSSASの起点は、自社の投稿や広告配信です。これらにユーザーが接触し「いいね」をするなど興味を持ち、SNS内での検索、GoogleやYahooなどの検索エンジンでの検索と続き、購買、そして新たなUGCの発生につながります。

このサイクルが生まれれば、UGCによって認知が広がり、指名検索数が増加し、購買数が増え、またUGCが発生するといったように、自律的に指名検索数が増加していきます。

具体的なULSSASの回し方について知りたい方は、ホットリンクのコンサルタントとの個別相談会も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

指名検索の増やし方について相談する

LLMO(大規模言語モデル最適化)が重要に

AI Overviewが回答を生成する際に、自社のコンテンツが引用・参照されたり、ブランドについて言及してもらえるように最適化する施策「LLMO(大規模言語モデル最適化)」が重要になります。

例えばホットリンクの場合、「SNSマーケティング支援を提供している上場企業は?」という質問に対して、概要のテキスト欄やソース情報欄に自社情報が掲載されています。

AI OverviewのLLMOの例

AI Overviewに表示される情報をコントロールすることはできませんが、学習元となるコンテンツを作成し、Googleにクロール/インデックスしてもらうことで、Googleの生成AIモデルに自社と周辺情報についての関連性を認識してもらうことが可能です。

また、今後はBuyクエリにおいてもAI Overview上で商品を直接レコメンドする仕様になる可能性があるため、Googleに自社ECサイトの商品情報を適切に認識してもらい、AI Overview上で自社商品がレコメンドされやすくなるように最適化する重要性が高まると思われます。

AI Overviewが表示されない場合の設定方法

AI Overviewが表示されない場合、以下の可能性が考えられます。

AI Overviewが表示されないクエリである

AI Overviewはすべての検索結果において表示されるわけではなく、AI Overviewが有効であるとGoogleが判断した検索結果上のみに表示されます。

他のクエリで検索してみて、AI Overviewが表示されるか確認してみましょう。

法人のGoogleアカウントを利用している

2025年5月現在、法人のGoogleアカウントを利用している場合、AI Overviewが表示されない仕様になっています。

ログアウトしたり、個人のGoogleでログインしている状態で検索して確認してみてください。

AIによる概要が邪魔な場合にオフ(非表示)にする方法

2025年5月現在では、Search LabでAI OverviewをオフにしてもAI Overviewが非表示になりません。

また、GoogleアカウントからログアウトしてもAI Overviewは表示されます。

法人Googleアカウントの場合、AI Overviewが表示されないので、お持ちの場合は法人Googleアカウントにログインするようにしてください。

AI Overview時代に指名検索を増やすならホットリンクにご相談ください

解説してきたようにAI Overviewが浸透すると、今までのKnowクエリを中心としたSEO施策が通用しなくなる可能性が高いです。

今後はSEOにおいてはBuyクエリや指名検索の重要度が高まるとともに、Google検索以外の集客チャネルの開拓は必須になるでしょう。

ホットリンクはこれまで多くの企業様に伴走して、SNSを活用した集客や、UGCや指名検索を増やすご支援を行ってきました。

「SEOの今後が不透明で集客が心配...」「SEO以外の集客チャネルを模索している...」という方は、ぜひお気軽にホットリンクにお問い合わせください。

経験豊富なコンサルタントが貴社の状況に合わせた診断やご提案をさせていただきます。

ホットリンクにカジュアル相談してみる

Twitter, Instagramマーケティングについてお悩みの方へ

プロ視点の解決策をご提案いたします!
まずはお気軽にご相談ください

03-6261-6933受付時間:平日9:00-18:00
今すぐ相談する24時間365日受け付けています
お問い合わせエリアのイメージ
SNSで売上アップ・認知拡大を実現ホットリンクのSNSマーケティング支援
まずは相談してみる サービス紹介資料を見る
ホットリンクに相談してみる