SNSコラム

Instagramショッピング機能の利用条件やショップ開設・設定方法

2024年09月04日
Instagram活用

いまや日本最大規模のユーザー数を誇るSNSの1つになり、人々の購買行動に大きな影響を与えているInstagram。
ECサイトを運営している方にとって、Instagramショッピング機能の活用は必須と言っても過言ではありません。
しかし、「利用要件や開設方法が細かくてよくわからない...」とお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事ではホットリンクのInstagramコンサルタントがInstagramショッピング機能について、わかりやすく解説していきます。

最終更新日:2024年9月4日

Instagramのショッピング機能とは?

Instagramのショッピング機能とは、Instagram上にショップを開設し、商品詳細情報を伝えたり、自社ECサイトに誘導したりすることができる機能です。

自社ECサイトの商品とInstagramを連携してショップを開設すると、投稿やストーリーズ、リール動画などに商品タグを付与できるようになります。

ショッピング機能の商品タグ

出所:Instagram、フィード投稿から商品が購入できる「ショッピング機能」を日本国内で導入開始

Instagramのプロフィール画面上に「ショップ」ボタンが設置されます。

以前はInstagramアプリの下部メニューにショッピング専用タブが存在しましたが、2022年にはMeta社がショッピング機能を縮小していくことを発表し、2024年9月現在ではメニュー欄にショップタブは表示されていません。

現在もショッピング機能は利用できるため、ECを運営する企業としては売上アップを目指して有効活用すべき機能と言えるでしょう。

Instagramショッピング機能のメリット

Instagramショッピング機能を活用するメリットについて解説します。

初期費用も販売手数料も無料で開始できる

ECモールに掲載する場合、初期費用や月額費用、販売手数料など何かしらの形で費用を支払うことが一般的です。一方でInstagramショッピング機能の場合、ショップ開設も販売もすべて無料。

まずは効果を試してみたいという方にとって、始めやすいことはメリットと言えるでしょう。

直接購買につなげられる

広告や商品タグ以外だと、Instagramの通常投稿に外部サイトのリンクを付与することはできません。そのため、Instagramショッピング機能なしで、Instagram投稿から直接ECサイトへ誘導することは難易度が高いのが実情です。

Instagramショッピング機能を活用し、投稿に商品タグを付与することで、投稿を見たInstagramユーザーがECサイトに遷移して直接購入してくれる可能性を高めることができるのです。

売上への効果を計測しやすい

InstagramユーザーはInstagramでブランドを認知し、その後GoogleやYahooなどの検索エンジンでブランド名で指名検索をし、ECサイトにアクセスして購入する、という購買行動を行っています。しかし、このような間接的なInstagramマーケティングの貢献は、効果を計測することが難しいという難点があります。

Instagramショップ経由のダイレクトな売上貢献は、Instagramマーケティングの効果全体の一部ではありますが、ECサイト側のアナリティクスツールと連携することで、EC遷移数や売上効果を計測できる点が大きなメリットになります。

広告にも商品タグをつけられる

Instagramショップを開設すると、商品タグをつけた投稿を広告配信することも可能になります。単一の写真に複数の商品タグを付与することができるため、ユーザーにとって写真内のどのアイテムが購入可能なのか一目でわかったり、遷移先を複数設定することができることがメリットです。

Instagramショッピング機能のデメリット

Instagramショッピング機能を活用することの大きなデメリットはありませんが、強いて言えば、ユーザーが実行可能なアクションの選択肢が増えることで、アクション率が下がるケースがあるということが挙げられます。

例えば、プロフィールに誘導してフォローしてもらうことが目的の投稿に商品タグをつけると、商品ページに遷移するユーザーが増え、プロフィール遷移やフォロー数が減る可能性はあります。

投稿の目的に応じて商品タグをつけるかどうかを判断するようにしましょう。

Instagramショップの機能概要

Instagramショップの構成要素とそれぞれの機能概要について説明します。

ショップ

Instagramショップのトップページです。

Instagramショップのトップページ

Instagramアカウントのプロフィール上に「ショップ」ボタンが設置され、ショップページに遷移することが可能です。

ショップのトップページでは、商品やコレクションが一覧表示されています。

カテゴリで商品を絞りこんだり、価格別にアイテムを検索することができます。

商品詳細ページ

Instagramショップのカタログに登録している商品の詳細ページです。

商品名や金額、カタログに登録した写真、説明文、ECサイトの購入ページへのURLなどが表示されます。

Instagramショッピング機能の商品詳細ページ

商品タグを付けて投稿したフィード投稿やリール動画もページ上に表示されます。

コレクション

カタログに登録した商品を特定のテーマでキュレーションして、コレクションページを作成することができます。

Instagramショッピング機能のコレクション

例えば商品カテゴリ別にまとめてみたり、クリスマスギフトとして人気のアイテムをまとめてみるなど様々なまとめ方があるでしょう。

商品タグ

カタログに登録している商品のタグを最大5件投稿に付与することができます。フィード投稿、ストーリーズ、リール動画、ライブ動画に商品タグを追加することが可能です。

Instagramショッピング機能の商品タグ

「設定とアクティビティ」の「ビジネスツールと管理」「ショッピング」「商品タグ」のページから、商品のタグ付けをできる人の範囲を下記の選択肢から選択することも可能です。

  • 自分のアカウントのみが商品タグを利用できる
  • ブランドコンテンツパートナーにのみ商品のタグ付けを許可する
  • 全員に商品のタグ付けを許可する

Instagramショップを開設できる条件

Instagramショップを開設するためには、下記に紹介する要件を満たしている必要性があります。

ECサイトを保有していること

2024年9月現在のInstagramショッピング機能では、Instagram内で決済ができる機能は提供されていません。あくまで、ECサイトに誘導する機能であるため、自社でECサイトを保有していることが前提条件となります。

サポート対象の国に所在しているビジネスであること

Instagramショッピング機能がサポートされている国に所在しているビジネスであることが条件です。

日本はサポート対象になっています。

規約で禁止・制限されている商品を取り扱っていないこと

Instagramのコマースポリシーに記載されている以下の禁止項目にあたる商品を取り扱っていないことが条件となります。

  • 成人向け製品
  • アルコール
  • 人体の一部および体液
  • デジタルメディアおよび電子機器
  • 差別
  • 証書、通貨および金融商品
  • ギャンブル
  • 有害な商品や危険物
  • 人的搾取および性的サービス
  • 経口サプリメント
  • 求人
  • 土地、動物および動物関連商品
  • 医療・ヘルスケア製品
  • 誤解を招くか、暴力的であるか、または悪意のあるもの
  • 販売する商品がないもの
  • 医薬品、薬物および麻薬に関連する器具
  • リコール対象製品
  • サービス
  • 性的位置づけの製品
  • 盗難品
  • サブスクリプションおよびデジタル製品
  • 第三者の権利侵害
  • タバコ製品や関連する器具
  • 使用済みの化粧品
  • 自動車部品とアクセサリー
  • 武器、弾薬および爆発物

また、下記商品は制限されています。

  • イベントチケットまたは入場チケット
  • ギフトカードおよびクーポン
  • ペット里親マッチングサービス

禁止・制限項目は随時更新されているため、詳細は「利用規約とポリシー」をご確認ください。

ECサイトのドメインを所有していること

Instagramショップと紐づけるECサイトが、あなたが所有するドメインであることを認証する必要があります。

Instagramアカウントに信頼性があること

Instagramアカウントに信頼性があることを示す必要があります。認証バッジを取得するか、十分なフォロワーを維持していることが求められる可能性もあります。最低でも数百フォロワーいないと審査落ちする可能性があるので認識しておきましょう。

商品情報と返金・返品ポリシーの正確な情報を提供すること

商品の価格や在庫情報について正確な情報が示されている必要があります。

また、返金と返品のポリシーを明確に表示し、Instagramから簡単にアクセスできるようにすることを求められます。

Instagramショップ開設・設定方法

実際にInstagramショップを開設する流れを紹介していきます。

1. Instagramをビジネスアカウントに切り替える

Instagramショップを開設するためには、Instagramアカウントがビジネスアカウントになっている必要があります。

Instagramアカウント開設時にはデフォルトで個人用アカウントになっています。ビジネスアカウントへの切り替えがまだの方は、下記記事を参考にして進めてみてください。

関連:インスタグラムのビジネスアカウントとは?切り替え方法や使い方を徹底解説

2. Facebookページを作成し、Instagramビジネスアカウントと連携する

InstagramビジネスアカウントとFacebookページを連携する作業が必要です。Facebookページを未作成の場合は、まずはFacebookページ作成画面から新規作成しましょう。

FacebookページとInstagramビジネスアカウントの連携方法は、下記記事で詳細に解説しているので参考にしてみてください。

関連:FacebookとInstagramの連携方法・解除方法をわかりやすく解説

3. ドメイン認証を完了しておく

Instagramショップと連携するECサイトのドメインを所有していることを証明するために、ドメイン認証を事前に済ませておくことをおすすめします。

ドメイン認証の流れは下記です。

  1. Metaビジネスマネージャを開き、サイドバーから「設定」をクリック
  2. 「ブランドセーフティ」の「ドメイン」をクリック
  3. 「追加」をクリックし、「ドメインを作成」を選択
  4. ビジネスにリンクしたいECサイトのドメインを入力し、「追加する」をクリックしてください。認証できるのはルートドメイン(example.com)のみです。サブドメイン(store.example.com)やサブページ(example.com/store)は認証できません。先頭にプレフィックス(http://またはhttps://)を付けないでください。
  5. 「メタタグを追加」「ルートディレクトリにHTMLファイルをアップロードする」「ドメインレジストラーでDNS TXTレコードを更新する」の3つの選択肢が表示されるので、希望の認証方法を選択します。
  6. 選択した認証方法のドメイン認証の流れが表示されるので、案内に沿ってドメイン認証を完了します。

4. コマースアカウントを作成する

続いてコマースアカウントを作成します。

  1. コマースマネージャにアクセスします
  2. 「コマースアカウント」のセクションで「アカウントを追加」をクリック
  3. ショップの所在地を選択
  4. ショップの概要が表示されるので、「販売チャネル」のセクションで自動的に選択されているアカウントを変更したい場合は「変更」から変更します。Instagramのみにするか、Facebookにも開設するかを選択できます。
  5. 「チェックアウト方法」は自動的に「他のウェブサイトでチェックアウト」に指定されていますので、変更する必要はありません
  6. 「パートナープラットフォームを利用して設定」の項目は自動的に「これらのプラットフォームを利用しない」に設定されますが、Shopifyなどのプラットフォームと連携して設定したい場合は、前のセクションに戻ってプラットフォームを指定します
  7. 次に進み、ビジネスのメールアドレスとECサイトのURLを入力して「設定を終了」をクリックします

コマースアカウントの作成

5. カタログを作成し、商品データを追加する

  1. コマースマネージャのカタログセクションで「カタログを追加」をクリック
  2. 商品カテゴリを選択します。不動産や自動車以外の有形商品を販売するECサイトの場合は「オンライン商品」を選択します
  3. ShopifyやBigCommerceのようなパートナープラットフォームを使用して商品を追加・更新する場合は、「パートナープラットフォームにリンク」をONにして、リンクしたいプラットフォームを選択します。
  4. カタログの所有者とカタログ名を指定して「次へ」をクリック
  5. MetaピクセルまたはアプリSDKを接続し、ウェブサイトやアプリで利用者がアクションを実行しているカタログ内の商品をトラッキングしたい場合はイベントを指定します
  6. カタログにアクセスできるメンバーを指定します
  7. このカタログに商品をアップロードする方法を「データフィードに接続」か「手動で商品を追加」のどちらかから選択します。商品数が少ない場合は手動で商品を追加する形でも問題ありませんが、商品数が多く管理が大変な場合はデータフィードを連携することをおすすめします

7. ショップを審査に出す

商品の追加ができたらショップを審査に出します。

8. Instagramアプリ側でショッピングをONにする

ショップの審査で承認が降りたら、Instagramアプリ側でショップを接続する必要があります。

設定から「ビジネス」「ショッピング」に遷移し、 アカウントにリンクする商品カタログを選択して設定を完了してください。

Instagramショップの審査を却下された場合の異議申し立て

申請したカタログ内のアイテムがコマースポリシーに違反している場合、審査落ちすることがあります。

アイテムの却下が誤りだと考えられる場合は、コマースマネージャから再審査のリクエストを行うことができます。

7日ごとに、最大5000件のリクエストを送信可能です。

以下の流れで再審査リクエストを送信してください。

  1. コマースマネージャを開いて、該当のカタログを選択
  2. サイドバーから「カタログ」の「商品」を選択
  3. 右側のフィルターから「ショップ」を選択し、「ポリシー違反」を選択します
  4. 却下されたアイテムのチェックボックスにチェックを入れて、上部の「審査をリクエスト」をクリックします
  5. 再審査で商品が承認されると、商品が表示され利用できるようになります

Instagramショッピング機能で売上を伸ばすためのコツ

ECサイト運営者がInstagramショッピング機能を活用して売上を伸ばすためのコツを解説します。

投稿に商品タグを付与する

Instagramショップが開設されると、フィード投稿やストーリーズ、リール動画、ライブ配信に商品タグを付与できるようになります。

投稿の閲覧ユーザーは商品タグをタップすることで、Instagramショップの商品詳細ページに遷移することができます。

また、商品詳細ページ上で、商品タグを付与した投稿が画像一覧に表示されるので、商品タグを付与した投稿を増やしていくと商品詳細ページの情報を充実させることにも繋がります。

カタログに追加したアイテムについて投稿するときは、忘れずに商品タグを付与して、潜在顧客が商品詳細ページに遷移できるようにしておきましょう。

商品の説明文章や画像を充実させる

フィード投稿やストーリーズ、リール動画の商品タグをタップしたユーザーは、Instagram内の商品詳細ページに遷移します。

カタログに登録している商品の説明文や画像が充実していないと、本来の商品の魅力を伝えることができません。

説明文章や画像を充実させて、魅力的な商品詳細ページを作ってみましょう。

コレクションで商品を整理する

コレクション機能を使うと商品を特定の切り口でまとめて表示することができるようになります。

例えば「クリスマスギフトにおすすめグッズ」のような形でコレクションを作ってみましょう。

他ユーザーも商品タグを利用できるようにする

設定から商品タグの利用をInstagramの全ユーザーに許可することができます。

一般ユーザーやクリエイターがUGCやPR投稿をしてくれたときに、商品タグを付与してもらえると、ECサイトへの誘導数を増やせる可能性があります。

Instagramショップのインサイトを確認する方法

コマースマネージャのインサイト機能を活用することで、ショップ全体のパフォーマンスを確認したり、商品ごとの閲覧数や、ECサイトへの誘導数を確認することができます。

コマースマネージャの「インサイト」から閲覧可能なのでチェックしてみましょう。

また、カタログに登録する商品URLにURLパラメータを付与しておくことで、ECサイト側に設置しているGoogle AnalyticsなどでInstagramショップ経由のアクセス数やサイト内行動を解析することも可能です。

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