SNSコラム

【決定版】SNSマーケティング、組織づくりから未来予測まで語り尽くしてみた。ホットリンクいいたか×ムロヤ #ザ・プロフェッショナル 特別編

2022年03月10日
SNSコラム | ザ・プロフェッショナル

最終更新日:2022年10月17日

ホットリンクCMO・いいたかゆうたが、各業界のトッププレーヤーを迎えてお送りする対談シリーズ「ザ・プロフェッショナル」。今回は特別編として、ホットリンク・マーケティング本部長室谷良平(以下、ムロヤ)とのイベントレポートをお届けします。

日本企業を取り巻く環境は、激変しています。とりわけTwitterやInstagramなどのソーシャルメディアの台頭・浸透によって、個人の消費行動は大きく変化しました。

そこで弊社ホットリンクでは、「SOCIAL MEDIA HOURS」と題したセミナーを実施。いいたか・ムロヤの両名による「SNS戦略・組織づくり・未来予測」をKWにしたセッションを行ないました。

本記事では、その中で「第二部:SNS活用を成功させる組織づくり」「第三部:2022年以降のSNSの未来予測」についてのレポートをお届けします。9,000文字を超えるボリュームになりました、ゆっくり味読いただければ幸いです。(執筆:サトートモロー 編集:澤山モッツァレラ)

SNS活用を成功させる組織づくり~実行力の高い組織のつくり方~

ムロヤ:

ホットリンクには、「いいSNS活用を成功させる組織づくり」というテーマのご相談が増えています。

コロナ禍という状況でソーシャルメディアにさらなる注目が集まる中、SNSマーケティングに長けた人材の獲得競争は激化する一方です。同時に、いかにチーム内でナレッジを共有し、実行力の高い組織を作っていくかも大きな課題です。

これらの課題を解決するヒントを、私の経験も踏まえてお伝えしたいと思います。

皆さんは、2017年に出版された『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』という本をご存じでしょうか? 当時、IntelのCEOだったアンディ・グローブが書いた本書には、「マネージャーとしてのアウトプットは、組織としてのアウトプットである」という一節があります。

日本を代表するマーケターである森岡毅さんは、あるとき「ひとりひとりが組織のために正しい行動をとる確率を高めることが、組織文化だ」という話をしていらっしゃいました。

実行力の高い組織が形成できれば、SNS施策、UGC活用、アカウント運用でしっかりと成果を出せます。実際に、どうやって組織を作っていくかについては、参考となるフレームワークをご紹介したいと思います。

①実行支援システムの見直し

ムロヤ:

私はnoteで、『実行力が強い組織づくりの要諦は、「システム思考」にある』という記事を公開しています。そこで紹介しているのが、この「実行支援システム」です。

https://note.com/muroya/n/nf44ed6d3bd74

この図はまず目的があり、それを支える戦略の土台があります。目的からブレイクダウンした目標に到達するために、土台となる戦略を実行していくことで達成できるわけです。戦略の上にある「実行支援システム」とは、戦略の実行を支えるための諸要素です。組織文化や評価設計の連動といった項目が該当します。

最近では、アパレルや美容部員さんといった小売系、リテール系の方々のSNS活用が進んでいます。その結果、店舗にいながらライブコマースをしたり、スタッフさん自身の発信が増えたりしていますよね。

しかし、肝心な評価設計が昔ながらの「店舗売上への貢献」では、SNS活用を適切に評価できません。評価設計が未完成なら、トップアジェンダとして見直す必要があるでしょう。

これ以外にもSNS施策を実行するうえで進捗管理方法が不足していたり、1on1で実行できない要因のヒアリングが不足していたり、チームスキルが不足していたり、とさまざまな要因が考えられます。

この図を活用して、SNS活用がうまくいかない組織的な実行力に関する原因を探ることができます。

②SNSマーケティングのスキルマップの活用

ムロヤ:

これは「SNSマーケティングスキルマップ」で、SNSマーケティングの実践において、どんな専門知識を学べばいいかを1枚の絵で示しています。

https://www.hottolink.co.jp/column/20211007_110573/

上部は「SNSのトリプルメディア別活用」です。オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアという、SNSのトリプルメディア別の活用に必要なスキルをまとめています。

中央のコミュニケーションは、主にコンテンツに関する項目です。ブログや掲示板の時代は、ほぼテキストが優勢でした。Instagramのようなビジュアルコミュニケーションのソーシャルメディアが生まれることで、写真、画像加工のスキルが求められるようになっています。

さらにYouTubeの登場で動画スキルが求められるようになり、TikTokやYouTubeショート動画、Instagramのリールによって短尺動画のフォーマットも追加されました。SNS担当の方が覚えるべきスキルは、飛躍的に増えているといえるでしょう。

スキルマップを活用することで、どこまで内製化しどの部分をパートナーに依頼するか、戦略や施策を実行できるリソースをどう調達するかが洗い出せます。

下部のベーススキルですが、やはり土台として重要なのが戦略理解です。それ以外には、消費者理解やSNS、炎上対策アルゴリズムなどが求められるでしょう。

③「星取表」でメンバーのスキルを把握する

ムロヤ:

製造業では、こうした「星取表」を使用するシーンがあります。

画像引用元:https://engineer-education.com/toyota-kaizen_visualization/

ムロヤ:

星取表には、技術者がそれぞれどんな技能を持つかがまとめられています。これがあることで、製造計画における人員配置をしやすくなります。

SNSマーケティングにおいても、この表の応用が可能です。動画作成が得意、コミュニケーションが得意など、スキルマップの各要素を並べ、「誰が何をできるのか」「誰が何を覚えていきたいのか」をまとめていくわけです。

これにより、マネージャーや部門長の方々はメンバーの能力を把握しやすくなります。メンバーは、自分に足りないスキルや、自分の強みが可視化できます。

各自の強みが分かると、相談しやすくなります。この図では、AさんがSEMに詳しいことが分かります。すると「来期にSEMをやってみたいから、Aさんに相談してみよう」という感じで、その強みを持つ人がすぐわかるわけです。

星取表は年に一回、半年に一回の頻度で作成するといいでしょう。各チームのスキルを棚卸しして、来期の戦略や予算編成を頭の片隅に置きつつ、人員配置や育成計画に役立てることができます。

④悩んだらスキルマップに立ち返る

ムロヤ:

私はよく、アイデアが煮詰まったときにSNSマーケティングのスキルマップを見返しながら、戦術アイデアを考えるようにしています。

スキルマップを見て考えていると、「アルゴリズム対策に改良の余地があるな」「インフルエンサーマーケティングは深堀りしていなかったな」と、さまざまなアイディアが浮かんでくるのです。

このマップを見ることで、チームがどのフェーズに課題を抱えているか、どの部分で得意・不得意があるのかが探し出しやすくなります。

「実は、定期的にInstagramのインサイトを分析できていないんだよな」という課題が見えれば、効果検証にしっかり時間を使い仕組み化するようにすればいいでしょう。

それ以外にも、レポートフォーマットの改善、定例会のアジェンダの見直しと仕組み化など、さまざまなアイディアが生まれます。

⑤成果が出る活動に時間を注げるよう「チューニング」する

ムロヤ:

現在、多種多様なSNSという「仕事道具」が存在します。Twitter、Instagram、TikTokしかり、今後はPinterestも、日本でローンチするという話を耳にします。

SNSマーケティングにおいて、日々の仕事の8割は企画や実行です。成果が出る活動に時間を注ぎ、その行動の質を高めるためには、いかにチューニングを図るかにかかっていると言えるでしょう。

例えば、ホールディングス型の企業は、横串組織として各事業部・ブランドでSNSマーケを伴走して、アシストしていく専門チームが存在するケースがあります。SNS運用チームが事業部に所属していたり、後方部門に配置されていたりすることもあるでしょう。

横串組織であれば、より高い専門性が求められます。特に事業部所属や広報部所属の場合、事業特性やプロダクト・サービス特有の大事なスキルをしっかり把握し、そのうえで施策を実行することとなるでしょう。

広報では、コーポレートPRやマーケティングPRを使い分け、企業アカウント、商品アカウントをそれぞれどう運用していくかの発想も重要です。

自社の組織構造や商品・サービスの特徴に応じて、どのようにSNS戦略を実行するか。実行するための組織をどう作るか。この観点で、うまく仕組みを整えていければいいのでは、と私は考えています。

2022年以降のSNS未来予測

ムロヤ:

ここからは、ホットリンクCMOいいたかゆうたと一緒に「2022年以降のSNS未来予測」というテーマでお話ししていきたいと思います。今回は、いくつかトークテーマを用意してきました。もしもご質問などがあれば、チャットを通じてリクエストしてください。

メタバースや技術の進歩

ムロヤ:

まずは、FacebookがMetaと社名を変更し話題になった「メタバース」について、いいたかさんはどう考えていますか?

いいたか:

仮想空間は、以前から注目されてきた分野ですよね。GREEがメタバース事業に参入したし、SaaSも生まれている中、世界としてはメタバースにどんどん進むんだろうと思います。

私自身、Meta社がどこまでの世界を描いているかは、すごく興味があります。人々の可処分時間を多くのメディアで奪い合う中、メタバースはどこまで時間を獲得できるのか。

ムロヤ:

正直メタバースは、本格的な雰囲気を予測できないところがありますよね。Meta社がどれくらいリソースを投入してくるかにも関わってくるし、今後10年くらいのスパンでやっと市民権を得るものだと思います。

ただメタバースが普及すれば、さまざまな新しい消費体験が増えていくじゃないですか。それによって新しいデータが得られ、面白い分析が生まれ、新しい価値提供ができるようになるのは楽しみですね。

いいたか:

購買に至るまでの行動が今まで見えてこなかったけれど、メタバースによって可視化されるようになるかもしれませんね。

ムロヤ:

Meta社も、スマートグラスという眼鏡型のデバイスを作ろうとしています。プラットフォーマー間の競争が激化する中で、アプリケーションだけでなく、本気でデバイスのレイヤーを取ろうという感じがしますよね。

スマートグラスは一定は普及すると思いますし、コミュニケーションの新しい体験を生んだり新しいビジネス用途に使えたりもするでしょう。今後も、そうした面白いテクノロジーが出てくると思うと、ワクワクします。

グローバルから国産への揺り戻し

ムロヤ:

地域経済の「ブロック化」と、アメリカ発のSNSというメガプラットフォーマーとの間で、利益が衝突するという事態が近年注目されています。

一方で、国単位で見た時にはメガプラットフォーマーが租税回避することで、国内で生まれた利益が還元されないという問題があります。その結果、日本に限らずグローバルからの揺り戻しが置き、「国産への回帰」が起こる可能性も考えられます。

いいたかさんは、その点についてはどう思いますか?

いいたか:

その将来はありえると思いますね。一方で、これだけTwitter、Instagram、TikTokが世の中を便利にして、人々の可処分時間を取り合っている中、新しいサービスが体力的に戦えるのかは疑問です。

とはいえ、この議論は「日本だったら」が前提です。

発展途上国のケース、例えばベトナムでは、Facebook上でバイクが売買されていたり、家が借りられたりする光景が当たり前にみられます。国によってSNSの捉え方が違うので、新たなSNSが発展する可能性は十分あるかなと思います。

ムロヤ:

そうですね。経済のブロック化も、その国だけで商圏として成り立てばいいですが、国の規模が小さければ韓国のようにあえてグローバルSNSを活用し、エンターテインメントを世界に売り込んでいくという戦略もありえると思います。

高齢者から若年層まで、SNSが当たり前になる世界が来る?

ムロヤ:

チャットからの質問も、ここで紹介していきたいです。

「SNSの高齢化について聞いてみたいです。周りでは、Twitterで発信している世代が上がってきているという感じがします。若者がUGCの起点となるのか? と個人的には感じています」

いいたか:

今、SNSを使用している世代の中心は30代です。しかし、データ上では10代もちゃんとSNSを使っているんですよね。

Twitterしかり他のプラットフォームしかり、発信する人がいる以上はUGCの源泉があるということです。なので、世代による違いはあまりないと思います。

高齢化に関しては、例えば60代をターゲットにしたプロダクトは、今はSNSで広がりにくいでしょう。

ムロヤ:

そうですね。

いいたか:

しかし、仮に現時点で40代の方々とつながっておくことで、彼らが60代になっても将来的なプロダクトが狙えると考えられます。少なくとも、一気に衰退するということはないのかなと。

将来的に、SNSに代わるものが生まれるかもしれません。ですがUGCの定義は「ユーザーが生成するコンテンツ」すべてを指すので、私は今後もUGCはなくならない、未来はとても明るいと解釈しています。

ムロヤ

今SNSをゴリゴリ使っている40代が、80歳になるとするじゃないですか。SNSになじみのある80代や10代がいるという中で、新しいコミュニティが生まれる機会もあるなと。それによって、デジタルが市民権を得ることになると思います。

いいたか:

それは全然ありそうですよね。

ムロヤ:

インターネットは、今や誰にとっても当たり前の存在です。同様にSNSも高齢者にとって、テレビや電話と同じくらいに身近な存在になるのかなと。実際に、現在もSNSユーザーの高齢化は進んでいますし、そうした世界もありうると予測しているんですよね。

これからのインフルエンサーマーケティングは、コンテンツの「深さ」

ムロヤ:

次は、参加者さんからもリクエストの多い「インフルエンサーマーケティングの今後」について語っていきましょう。

いいたか:

さまざまな観点がありますが、「今後、インフルエンサーマーケティングをどう活用すればいいか」というのが大きなポイントだと思います。私は、今のSNSは「量の定義」から「質の定義」に変わってくるタイミングだと思っているんです。

横軸が情報量の浅さ・深さ、縦軸がエンタメ要素の高い・低いを表すグラフがあるとします。

現在は、エンタメ要素が高く情報量が浅い人にフォロワーさんが集まっています。「見ていて面白い」「隙間時間で見られる」というニーズから、こうしたアカウントが伸びているのかなと。

ムロヤ:

そうですね。

いいたか:

一方で、「いい情報を得たい」というニーズは、面白いものを見たいニーズとは別物です。前者のニーズに対しては、エンタメ要素は低いけれど情報量の深い発信をする人が、高い価値を持つと思うんですよね。

いいたか:

この傾向は、特に中国で進んでいます。中国でも、エンタメ要素を持つインフルエンサーはまだまだ多いです。一方で、提供しているコンテンツの深さで購買への影響度が高いユーザーも増えています。

日本でも、遅かれ早かれこの流れは来ると思います。私たちは彼らをインフルエンサーとは呼ばず、「Professional Generated Contents」と呼んでいます。

こうした方々をアサインする時、重要なのは「数の定義」ではありません。どれだけその分野や商品に精通しているかという「質の定義」が重要です。

ベストなのは、その人自身が私たちの支援している商材を使っていることですね。以前、Youtuberのヒカルさんがイベント登壇した時に、「自分が好きな商材と興味がない商材の依頼が来た時とでは、熱量が圧倒的に違う」と話していました。

彼の言葉は、私もその通りだと思っています。おそらく、この考え方はYoutuberもインフルエンサー側も同じように広まるでしょう。一時、フォロワー数が多いからとりあえず依頼するというステマ問題がありました。今後はそれも減り、インフルエンサーマーケティングの透明度が上がっていくのではないかなと思いますね。

ムロヤ:

YouTubeやInstagramなど、プラットフォーム内でインフルエンサーの数が増えれば、淘汰が起きます。以前は投稿量が多いユーザーについて「このユーザーは活発に投稿してくれており、プラットフォームの価値を高めてくれる存在だ」と優遇して、表示回数が増えるようなアルゴリズムが強かったと思います。

発信するユーザーが増えれば、よりエンゲージメントが多いコンテンツに配信が集中します。そうなると、やはり質が高い発信をするユーザーでないと有名になれません。量と質の問題が、フェーズによって変わっていくという実感がありますね。

いいたか:

別の方が、こんな質問をしてくれました。

「中国をはじめとした海外では、ライブコマースを中心としたインフルエンサーから直接物を買う流れが、TikTokなどで加速していると思います。今後、日本でもその流れが広がってくると思いますでしょうか」

私は、この認識で合っていると思います。ただ日本では、ダンスをはじめとしたエンタメ要素でTikTokが一気に伸びたので、中国とはまた事情が異なるかなと。

中国では、TikTokのインフルエンサーから物を買うというのがはるかに一般的に行われています。日本は3年〜5年遅れて流行がやってくると言いますが、近い将来こうした流れが来ると思いますね。

負の話題に、企業としてどう向き合うか

ムロヤ:

 次の質問です。

「幼児教育系のプロダクトを扱っています。Twitterでの発信だと変なUGCが出回るのが怖いので、どんな媒体が適切か迷っています。TikTokと教育系のプロダクトの相性は良いのでしょうか?」

これはいかがでしょうか?

いいたか:

前提として、こちらの発信と関係ないのが大きなポイントだと思ってください。企業がSNSに取り組む・取り組まないに関わらず、ユーザーさんはいい・悪いと口コミをするので。

ただしSNSで悪い口コミが発信されたとき、SNSを活用していればそれに対応できるというのは、ポジティブなポイントですよね。負の話題に対して、企業としてどれだけ向き合えるかが、すごく重要だと思います。

ムロヤ:

そうですね。

いいたか:

確かに、幼児教育だとなかなか口コミは生まれないかもしれません。どの程度の頻度で発信していくかは、運用方針として考える必要がありそうですね。

TikTokが教育系プロダクトとの相性は、明確に「合います!」とは言いにくいです。ただ、TikTokに似たようなコンテンツは発信されているし、多くのビューを獲得しているユーザーもいます。その観点から見ると、相性は悪くはないのかなと思います。

ムロヤ:

TikTokもユーザーさんが増えているし、ターゲット層の方もいらっしゃいます。絶対数はTwitterやInstagram、YouTubeの方が断然多いと思いますが、TikTokを起点に話題を作り、そのネタをPRに売り込んで波及させていく、という方針はありだと思います。

UGCが生まれる「感動体験」をどう生み出すか

ムロヤ:

次の質問を読み上げたいと思います。

「UGCについて質問です。宿泊業界でのUGCは生まれにくいですか? チェーンホテルでSNS運用をしていますが、なかなか自社のUGCが伸びなくて悩んでいます」

いいたか:

確かに、チェーンホテルだとUGCは難しいかもしれませんね。「○○に旅行に行った」とは書いても、「どのホテルに泊まった」という発信にはならないことが多いからです。

一方で、チェーンホテルでも工夫次第だと思います。写真を撮るスポットを作るなどは、事例としてよく見ます。宿泊先の部屋に、一輪の花を置くというホテルもありますね。

ムロヤ:

APAホテルさんは、部屋に折り鶴があることで有名ですよね。

いいたか:

ユーザーさんの行動から逆算して、そこに「何を置くとUGCが誘発されるだろう」という視点で考える。そこからの工夫次第で、施策は見えてくると思いますね。

ムロヤ:

いかに発信してバズらせるかだけでなく、チェーンホテルさんで「お客様がワクワク・ドキドキする体験をいかに提供するか」という視点を意識するといいと思います。

例えば予約完了ページに感動的な文章を添えることで、そのスクリーンショットがSNS上に出回るかもしれません。受付で感動的な体験をすれば、それがSNSでシェアされるかもしれません。

お客様のカスタマージャーニーを描き、「この瞬間に体験を作ろう」と細かく設計することで、お客様の期待を上回るおもてなしや感動体験を提供できるのかなと。

それが、お客様の認知的不協和を生んで「口コミせずにはいられない」という状況を作れると思います。こうした観点で見直すと、まだまだUGCが生まれるポイントがあるのではないでしょうか。

SNSの貢献度を評価する方法

ムロヤ:

今度は組織の話ですね。

「SNSを兼任している時に、店舗の売り上げだけでなくSNSの貢献度を評価するために良い判断方法はありますか?」

これは、結果の貢献と中間の貢献に分けられると思います。結果の貢献では、SNSで紹介した商品ページのPV数や、リンクのクリックの数、SNSがタッチポイントになった売り上げ貢献などが挙げられるでしょう。

その手前として、SNSへの投稿数、Instagramのリール投稿に対するインプレッションといった、アカウントを見てくれた人の数が中間指標=中間の貢献になると思います。

Instagramであれば、プロフィールのURLに上手く計測できるパラメーターを仕込んでおき、店員さんのSNSアカウントからECに飛んだことを計測するという方法が考えられますね。

商品が大きく売れた場合は、日々の相関係数などを分析しつつ「この人の発信があったから、商品が売れた」という計測のもと、その結果を評価してあげることもできそうです。

SNSアカウントのプロフィールの誘導リンクの数、そして発信数の計測が、ルールベースで運用しやすいと思います。

では、お時間となりましたので以上としたいと思います。最後に、いいたかさんの方からメッセージはありますか?

いいたか:

SNSマーケティングにおいて、まずやるべきことは「やり切ること」だけだと思うんです。

今日の話を参考に、とりあえず明日からの行動や投稿に活かしてみるだけで、結果は変わると思います。新たなSNSや手法が次々出てきて、大変な部分はもちろんあるでしょう。

その方針や戦略が、自分たちに合う・合わないは経験でしか分かりません。ぜひ、何かのアクションを起こしてもらえればと思います。

 

今回の「ザ・プロフェッショナル」もお楽しみいただけましたか? 本シリーズでは、今後も各業界で活躍するさまざまなプロフェッショナルをお招きして対談を行ないます。過去の記事はこちらからご覧ください。

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