SNSコラム

価値観の変化に適応し、ビジネスの本質へ回帰しよう #NEWWORLD2020 DAY4

2020年04月30日
SNSコラム

新型コロナウイルスの影響は、人々の生活を一変する事態に発展しています。政府による緊急事態宣言発令と、各自治体からの外出自粛要請。激動のさなかにある今、私たちにできることはないだろうか。

そんな思いから、ホットリンクは各界のリーダーをゲストに招き、時代の変化に対応するヒントを探るカンファレンス「#NEWWORLD2020」を開催することとなりました。

#NEWWORLD2020 - 各業界をリードする15名をゲストに激動の時代のマーケティングを語る|イベント・セミナー|ホットリンク

2020年4月22日〜5月1日の平日の7日間にかけ、毎回異なるゲストを招いて行う当カンファレンスでは、オンライン会議ツールZoomを使用。リリースからわずか3日という期間にもかかわらず、現在では4,000名を超えるイベントとなりました。

DAY4のゲストは、アナグラム代表取締役の阿部圭司さんと、オイシックス・ラ・大地執行役員CMTの西井敏恭さんの2人です。

当社CMOの飯髙とともに、私たちが今できること、この時代をポジティブにとらえるための考え方を語っていただきました。

※DAY4は二部構成形式

DAY3の記事はこちらから。

リアルの強みをネットで体現する。コンテンツメーカーが今やろうとしていること#NEWWORLD2020 DAY3

劇的なゲームチェンジが、ビジネスにもたらす変化

〜第一部 アナグラム代表取締役 阿部圭司〜

飯髙悠太(以下、飯髙)
阿部さんとは知り合って、もうすぐ10年になりますね。阿部さんにはデジタル広告の側面のお話を色々とお聞きしたいと思います。早速ですが、新型コロナウイルスで会社の状況はどう変わりましたか?

阿部圭司(以下、阿部)
状況は一変しました。ネガティブな話題だと、緊急事態宣言後、どの業種も広告を自粛しています。とくに影響が大きいのは来店型のイベントや、ホテル、観光業、不動産などですね。一方でゲーム関連、教育関連事業やアプリ、一部ECの分野は売上が伸びています。投資には「すべての卵を一つのカゴに盛るな(Don't put all your eggs in one basket)」という格言がありますが、実際ひとつの事業に集中していた会社は、ダメージが大きい印象です。

飯髙
アナグラムの事業主体である、マーケティング戦略の変化はどうとらえていますか?

阿部
最適解をまったく読めない、大きなパラダイムシフトやゲームチェンジが起きていると感じます。代理店として多くのデータを見ていますが、前提条件が大きく変わった今、3C、4T、5Fといった分析手法のセオリーがほぼ通用しません。

SEOの定義である、検索エンジンに情報を正しくインデックスさせることは、これまでと同様に重要です。しかしbeforeコロナのように、それが上位表示や比較検討で有利に働くかは、あやしいと考えています

実際に多くの方は、価格比較・機能比較はマスクなどの商品しか行っていません。withコロナ、afterコロナによって、今後コンテンツの流通チャネルのウェイトは変化します。これまでの前提条件を見直す、つまりポートフォリオを急速に見直さないと、どの企業も危険な状況におかれるでしょう。

カスタマーサクセスの本来の意味を問われる時代へ

飯髙
新型コロナウイルスの影響で、デジタル広告業界はどう変わると思いますか?

阿部
短期的、長期的両面で売上に結びつきにくい、ふわっとした指標はすべて沙汰されると思います。ROAS(広告費用の回収率)を見てすべての施策を考えるなど、商売をもう一度見つめ直すことになるでしょう。

今日も社内でも話したんですが、顧客を勝たせないと僕たちに未来はありません。顧客満足度では不十分で、本来の意味でのカスタマーサクセスが求められる時代が、本格的に到来すると思います。

飯髙
カスタマーサクセスという言葉は、ここ数年で出てきましたよね。言葉自体は好きなんですが、ちゃんとできている企業は少ない印象です。

阿部
そうですね。しかしそこを目指さないと、代理店は生き残れないでしょう。

飯髙
ユーザーの消費行動は、どう変化の過程をたどると思いますか?

阿部
比較検討のような行動は、今後縮小化する気がします。D2Cのような、思想のあるビジネスが有利になる時代へ一気にシフトすると思うんです。高級品やブランド品の価値観も、相当変わるんじゃないでしょうか。

飯髙
たしかに思想の話でいうと、スナックミーの服部さんは和菓子屋さんと連携して、スイーツを展開しました。この事例はまさに、今こそ顧客にちゃんと向き合おうという姿勢の表れだったと思います。

参考:不可逆的な変化を受け入れ、スピーディに挑戦し続ける  #NEWWORLD2020 DAY1

阿部
これまで代理店は、「CPAがこの数字なら、まあいいよね」とあぐらをかく風潮がありました。これからはもっと本格的に、ちゃんとビジネスをして顧客を勝たせようという状況に迫られると思います。

前提を疑い、変化する事象を前向きに捉える

飯髙
コロナで変化を余儀なくされるなか、思うように進められない企業も多いです。どこに着目すればいいと思いますか?

阿部
前提を疑うことではないでしょうか。勝ち筋という前提が崩れ、全ての条件が変化します。柔軟に物事をとらえ、変化に対して「そんなわけない」よりも、「すごい!じゃあこうしよう」と反応できる人や企業の方が、間違いなく成長できるでしょう。

あとは意思決定のスピードです。昨日と今日で情報が変わる社会に対して、悲観的になるのではなく、チャンスだとポジティブにとらえる。僕も新型コロナウイルスの感染拡大で、最初は落ち込んでいました。しかし今は、ポジティブに受け入れて前に進むしかないと思っています。

飯髙
この状況下で、ゲームチェンジやパラダイムシフトがうまいと感じる企業はありますか?

阿部
しいていえばホットリンクです。#NEWWORLD2020のイベントでは、個性的なゲストをものすごいスピードでまとめあげたじゃないですか。これが実現できたのは、社会文脈での大義による巻き込み力が働いているんじゃないかな。

社会のためという一本軸は、ある意味ビジネスの定義や原点じゃないですか。その原点に立ち返ってビジネスをするというのは、まったく違和感がないし、そうなるべきだと思います。

飯髙
ありがとうございます。ほかの企業のプロモーションで、面白いと感じたものはありますか?

阿部
経営陣の意思決定スピードで、1番すごいと感じたのはGMOですね。あの規模では普通できないような決定を、ものすごいスピードでやったなと。結果的に一人勝ちのような状況ですよね。

参考:印鑑の完全廃止に関するグループの取り組みと関連リンク集|GMO

飯髙
最後に、視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。

阿部
この期間は、さまざまな気持ちの整理が必要だったと思います。アナグラムは2020年、株式会社フィードフォースにM&Aをされました。完全リモートになった後も、zoomで親会社の代表の塚田と打ち合わせそしていますが、その都度彼の異次元なポジティブさに勇気づけてもらっています(笑)。

阿部
塚田だけでなく社内のメンバーともよく話すんですが、それが「多様性」の必要性に気づく、いいきっかけになりました。ポジティブな意見は気持ちを引っ張り上げてくれて、ネガティブな意見は楽観視していたことに気づける。どんな意見も、結果として僕の背中を押してくれるんです。真剣にチーム作りをしていて、本当によかったなと思った瞬間でした。

僕たちの生活は、ひとつの事象をどうとらえたかの蓄積で変化します。「コップに半分入った水を、どうとらえるか」というよく耳にする比喩がありますよね。この考え方の積み重ねが、人生の福利として効いてくると思うんです。

withコロナの変化を悲観的にとらえすぎず、前を向く。「コップに水が半分『も』ある」という認識で、withコロナとの向き合い方を考えられたらと思います。

価値観の変化をチャンスと捉え、新たな環境を楽しもう

〜第二部 オイシックス・ラ・大地執行役員CMT 西井敏恭〜

飯髙
かわいい子が映っていますね(笑)。

西井敏恭(以下、西井)
僕がCMOを務めるGROOVE Xで開発している、家庭型ロボットの「LOVOT」です。寂しいので一緒に受けたいと思います(笑)。

参考:LOVOT[らぼっと]

飯髙
西井さんにオイシックス、GROOVE X、ご自身で立ち上げたシンクロなど、多角的な観点でお話をうかがいたいと思います。まずは新型コロナウイルスの影響の影響はいかがですか?

西井
オイシックスはありがたいことに、自宅での食事需要が増えて多くの注文をいただいています。注文数が予定よりはるかに多いため、今は新規のお客さまをストップしている状態です。デジタルマーケティング支援が主体のシンクロですが、事業としては伸びていますね。

LOVOTもコロナウイルスの感染拡大以来、孤独を感じる方がふえているのか、売上は伸びています。関わっている3つの事業は、いずれもポジティブな影響を受けていますね。

ただ、僕はJリーグにも仕事として関わっていますが、そちらは試合が止まって深刻な課題と向き合っている状況です。

飯髙
オイシックスは配送作業などで、人手が必要な場面がありますよね。そうしたネガティブな部分の影響はどうですか?

西井
経営面ではポジティブな側面ばかりとは言えません。発送作業は広告のメンバーも協力していますが、外出の不安は残ります。想定以上の注文に対して、新規のお客さまをストップしているというのも、困っているお客様のお役に立てないというもどかしさがあります。

EC後進国から「ECが当たり前」の日本へ

飯髙
先進国に比べ、日本のECは遅れています。コロナの状況下は、全体で見ると追い風になっていると思うんですが、どう思いますか?

西井
僕は20年近くECに関わっていますが、今までにない地殻変動が起きています。たとえばLOVOTは、ペットのように人を癒やす存在です。掃除を手伝ってくれるわけじゃないし、日本語も話さない。価格も約30万円と比較的高価なので、beforeコロナではSNSから興味を持って、店頭で目にして最終的に購入するのが一般的な流れでした。

それが今は、直接触れることなくネットだけで購買されています。これはかなりの衝撃です。実はファッションも、今EC広告がかなり出回っています。衣類もお店で買うことが当たり前でしたが、お店に行くことができない今、ECで買うのが当たり前になりつつあるわけです。

将来的には家や車の購入も、オンラインで完結する未来がくるかもしれない。売る側はそれくらいの認識で、意識改革しないいけません。「仕方なく切り替えた」という背景から、一気にECが一般化していく。これは業界にとって、すごくいいことだと思います。

飯髙
withコロナ、afterコロナという言葉を、西井さんはどう捉えていますか?

西井
正直、暗い気持ちにはなってしまいますよね。しかしマーケティング動向以前に、変化は常に起こるものです。

僕は20年前に世界一周したことがあります。当時は海外にいたとしても、SNSですぐに投稿をアップできたり、LINEで毎日のように日本語に接することができる時代が来るなんて、思ってもいませんでした。変わったことをマイナスに考えず、変化に適応していこうと、今は自分に言い聞かせています。

僕は昔、化粧品関係の企業で働いていたし、今はロボットに関わっている。自分では想像できない、面白い領域を転々としています。

コロナの影響でたくさんの人が、1年後、2年後の未来を予想しているじゃないですか。そうではなく今日や明日起こる変化に、対応できれば十分だと思っているんです。そのうえで、自分が面白いと思えることに取り組めればいいですね。

不安が広がる今だからこそ、ユーザーとの関係性をもう一度見つめ直す

飯髙
コロナで外出自粛が行われるなか、企業のプロモーションのあり方も変わっています。西井さんの視点で、面白いと思ったアクションはありますか?

西井

企業の事例は、正直あまり見ていません。象徴的だなと思ったのは、韓国、台湾でのコロナ対策です。特に台湾では、GSSやスマホによるデータから、海外から帰国した市民の自主隔離などを徹底させました。

参考:「自宅隔離後も常時マスク、公共の場自粛を要請=期間後の感染判明で/台湾」 中央社フォーカス台湾

データを駆使して、ストイックに行動に起こせるのはすごいですよね。プライバシーの問題などもあるけど、命が危険にさらされて不安を感じるなか、正しいデータ活用のあり方を見直すべきだと思いました。

たとえば2011年の東日本大震災では、避難所に多くの物資が届けられたものの、一方は余っているけど一方は不足しているといった、ミスマッチが起きていました。

そこで、大変な状況にある医療機関や施設に、正しく物資を届けるプラットフォームを作りたいと呼びかけたら、複数の食品メーカーが賛同してくれました。食品メーカー同士でこうした連携が取れたことは、いままでありません。すごいチャンスだと感じています。

飯髙
日本でのデータ活用が、大きく変わるチャンスですよね。企業のマーケティング活動は、今後どう変わると思いますか?

西井
withコロナの時代で、リアルの施策は難しいです。どの企業も、手法としてのデジタルを考えるべきでしょう。そして手法だけではなく、中身にも気を配る必要があります。それはユーザーとの関係性です。

不安が広がる今、人は自分が信頼する情報源を頼りにします。マスに受ける情報ではなく、「誰が言った」かがより重要になると思うんです。DtoCのように、直接ユーザーとつながった関係性に価値が生まれやすくなります。

企業はその関係を意識して、マーケティング戦略を選択する必要が出てくるでしょう。

たとえば今、サブスクリプションモデルは収益の安定性で注目されていますよね。しかし本質は違う。サブスクリプションで成功した企業は、お客さまとちゃんと関係構築できているから事業を維持できているんです。本質的なカスタマーサクセスができていないと、サブスクリプションモデルに移行してもうまくいきません。

飯髙
阿部さんの話にもつながりますね。これからはより、ビジネスの「質」を問われる時代がくるということでしょうか。最後に視聴者の皆様へ、改めてメッセージをお願いします。

西井
僕はバックパッカーとして、これまで140ヶ国を回ってきました。20代は本当にお金がなくて、250万円で2年半生活していたこともあります。一泊300円の宿に泊まったり、30円のご飯を食べたり。それでも環境に適応できれば、楽しいと思えたんです。

今も当時と同じ心境です。価値観を変える大きなチャンスとして、この世界を楽しめればいいなと思います。

 

――阿部さん、西井さん、ありがとうございました。

DAY5の記事はこちらから。

企業・個人のアイデンティティが、世界をよくする力になる #NEWWORLD2020 DAY5

 


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