中国インバウンド消費

【海外リサーチ】「中国の人気チャットアプリWeChat(微信)に対する初の訴訟」
報道に関する新浪微博(シナウェイボー)上の反響分析

2015年1月14日

株式会社ホットリンクと普千(上海)商務諮訊有限公司では、中国本土で話題になっている事件・社会現象等を「新浪微博(シナウェイボー)」データより分析し、中国に進出している日系企業に向けてお届けします。

「我々は本当に追い込まれて仕方なくTencentに対して訴訟を起こしたにすぎないのです、弊社に対する事実無根の噂がWeChat(微信)上に広がり、これらの噂は弊社のブランドや製品に著しい損害を与えつつある」。中国の大手製薬会社康芝薬業の副社長李幽泉氏はメディアの取材に対してこのように答え、1月6日の夜、訴訟は近日海口市秀英区人民法院に受理されることになると発表しました。

微信陷隐私权纠纷 康芝药业首诉网络运营商腾讯
(WeChatプライバシーに関する争い。康芝薬業、Tencentを訴える。ネットサービス・プロバイダーに対する訴訟初の例に)
http://www.nbd.com.cn/articles/2015-01-07/888888.html

これは昨年10月に最高人民法院(以下最高裁と略称)により、“ネット上の権利侵害による争いに関する法解釈”が発表されて以後初めての上場企業によるネット上での噂やデマによる被害を理由とした、インターネットサービスプロバイダーに対する訴訟例になります。

今回の訴訟の理由となっている、ネット上のデマとは、中国の人気チャットアプリで、Tencent社が運営するWeChat上で、大手製薬会社康芝薬業の薬品を服用した子供5人が死亡したという内容です。事態を重くみた同社では、警察に通報し事実関係を調査したところ、子供が死亡したという事実はありませんでした。デマを流した医師はメディア上で謝罪文を発表しましたが、康芝薬業では、「この程度ではデマの被害を消し去ることはできない」と考え、WeChatの運営企業であるTencent社に対して対応を求めたものです。

Tencent側は「法律的な文書等は現在のところ弊社に届いていないため、回答はできない」としています。
WeChat上人気チャットアプリだけに、様々なデマや噂が流れています。Mercedes、BMW、LV等もこうしたデマや噂の被害にあったことがありますが、これまでは被害企業とTencent社が話し合って対応を検討するという形が取られてきたため、企業がTencentを訴えるというのはこれまでになかった対応です。

では、このような報道に対して新浪微博(シナウェイボー)上の反応はどのようになっているでしょうか、今回は企業によるネット上のデマ、噂による被害に関する初の訴訟についての新浪微博(シナウェイボー)上の反応をみてみたいと思います。

【今回の報道に関する新浪微博(シナウェイボー)上の書き込み件数推移】

今回の報道に関する新浪微博(シナウェイボー)上の書き込み件数推移

主な書き込みピックアップ(日本語訳)

  • ・ネットを利用する全ての人間にはデマを終息させる義務がある、デマが無くならないならそれはTencentの責任だ、転送する奴も同罪!
  • ・WeChatの朋友圏(コミュニティー)はクローズドな世界だし、デマが発生しやすいよね。
  • ・今まで何度か通報したことあるけど、一度も反応ないよTencentひどいな。
  • ・ネットの世界にデマはつきものだしね、自分の身は自分で守るしか無い、なので今回の康芝薬業の対応は支持する。
  • ・Tencentと喧嘩して勝てる会社なんて無いだろう、康芝を応援はしたいけどね。
  • ・プラットフォーム上の情報が健全であることを保障するのはプロバイダーの義務だからTencentは何とかしないといけないと思うぞ。
  • ・ネットの情報は玉石混交だけど、死ぬとかこれは洒落にならん、Tencentが何とかすべき。
  • ・どれがデマでどれが本当なんてどうやって確かめるんだろう、さすがに人が死ぬとかそういう嘘はよくないけど、キリがないのも確かだよね。
  • ・こ著作権侵害の動画を放っていた百度、偽物販売を見逃していたタオパオと同じ理屈をこね始めると思うぞ。Tencentは「我々はプラットフォームであって情報発信者ではありません」とかね。

まとめ

今回の報道に関する新浪微博(シナウェイボー)上の書き込みをみると、多くの人々がデマを良くないものと認識していることがわかります。また殆どのネットユーザーがTencentを批判し、康芝薬業を支持すると書き込んでいるようです。一方で、真実とデマを実際に見極める方法があるのか?サービス・プロバイダーのTencentが全てのデマを取り締まるのは不可能で現実的ではない、一番悪いのはデマを流した本人等、Tencentの責任を問うことはできないという声も一部にはみられました。

現在のところ裁判所が今件を受理したという発表は報道されていませんが、今後、審議が開始され、裁判の結果が出れば判決内容に更に注目が高まるのは間違いのないところです。

以上

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2001年設立。日系広告会社、PR会社、ナショナルクライアントを中心に、中国市場で展開企業、ブランド、商品の広告、記事、口コミ情報の統合的モニタリングを行い、収集したデータをもとに、データ分析、レポート作成、マーケティング戦略、PR戦略、WEB戦略、コミュニケーション戦略コンサルティングサービス等を提供。運用する広告、記事、口コミデータベースは業界最大規模。

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