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この記事の内容
近年、ユーザーの興味関心が多様化する中で、従来型のSNS施策だけではユーザーの心を掴むことが難しくなっています。
そんな状況を打破する方法の一つに「診断コンテンツ」があります。診断コンテンツとは、ユーザーが質問に答えることで、自身の興味関心や隠れた一面などを知ることができるコンテンツです。昨今流行っているMBTI診断も、その一つです。
2024年6月、ホットリンクは「認知・理解促進に効果アリ!『診断コンテンツ』を活用した効果的なSNS施策とは」と題したセミナーを開催しました。
同セミナーには、これまで50件以上の診断コンテンツを制作・公開してきた、トレンド発信メディア「fasme(ファスミー)」編集部の鹿倉裕司と佐々木沙紀が登壇。診断コンテンツをSNSで効果的に活用する方法を、事例を交えて解説しました。本記事では、その模様をお届けします!
MBTI診断の盛り上がりでも顕著なように、診断コンテンツを楽しむユーザーは多く、話題にもなりやすいです。
しかし、マーケティングの手段として診断コンテンツを活用する場合、なんとなく制作するだけでは「多くのユーザーから支持される診断」にはなりません。診断コンテンツの成功に必要なのは、目的を明確にして取り組むことです。
診断コンテンツを活用する主な目的としては、以下の5つが挙げられます。
診断コンテンツは参加ハードルが低く、新規ユーザーとの接点を作りやすいです。「面白そう」「どんな結果が出るのだろう」といった動機で参加してもらえるため、商品やサービスへの関心が低いユーザーでも取り込みやすいです。
診断コンテンツはSNSとの親和性が非常に高いです。「診断結果を身近な人に共有したい」というユーザーが多いため、自然な形で拡散が期待できます。これにより、UGC(ユーザーによるクチコミ)が増加し、ブランドの認知度も高まります。
診断コンテンツは、SNSアカウントのフォロワーを増やす手段としても有効です。例えば、LINEやInstagramで、アカウントをフォローしたユーザーのみがトーク画面やDMを通じて診断コンテンツに参加できる設計も考えられます。
診断コンテンツでは、ユーザーのデモグラ情報や興味関心を自然な形で収集できます。そして、診断結果では「〇〇タイプのあなたにはこの商品がおすすめです」と、データに基づいて商品をレコメンドできます。診断結果に合わせたレコメンドは、ユーザーにとっても自分ごと化しやすく、購買意欲の向上につながります。
診断コンテンツは、既存顧客に対して、商品理解を深めるために診断コンテンツを利用することもできます。診断を通じて、ユーザーが自身の状態を確認しながら商品理解を深めることができるため、態度変容も促しやすいです。
鹿倉: とある化粧品会社様では、「診断コンテンツを進めることでお客様の態度変容を促す」という手法を用いています。 例えば、「肌の悩みがありますか?」という質問に「はい」と答えたユーザーをリスト化し、肌の悩みを解決するような商品のDMを送っていきます。1日目にはスキンケアの知識、2日目には洗顔知識、3日目には商品自体の実績……という形で、アンケートを兼ねた診断コンテンツを提供しています。 これにより、お客様の商品・サービスへの理解を促しながら、商品の提案も行なっているのです。
目的が明確になったら、目的に応じた診断企画を設計しましょう。前項で紹介した診断コンテンツの目的は、大きく「認知拡大」と「購買促進」の2つに分類されます。
認知拡散を目的とする場合、新規ユーザーに興味を持ってもらいやすく、SNSでの拡散を促しやすいテーマや内容で診断コンテンツを設計することが重要です。
ヤフージャパンの検索データによると、2022年6月〜2023年6月の1年間で、「診断」を含むキーワードの上位30位にランクインしたのは、容姿や性格に関するものでした。このようなデータも、テーマ選定に役立てられるでしょう。
また、SNS拡散での観点では、ユーザーが見つけやすく利用しやすい「シェアボタンの設置」や「クリエイティブへのこだわり」も大切です。
診断結果をSNSに投稿するユーザーの多くは、「私はこういう人です」というメッセージを間接的に周囲に伝えたいという欲求を持っています。この心理の背景には、「私ってこういう人なんだよ」と言いたい、分かってもらいたいという願望がある一方で、「直接伝えるのは恥ずかしい…」という懸念も同時に存在しています。
診断コンテンツは、この欲求と懸念の間のバランスを取る役割を果たします。診断結果をシェアすることで、直接的な自己主張を避けつつ、間接的に自分の特性や個性を周囲に伝えることができます。このような心理も踏まえて、診断結果やクリエイティブは、ユーザーの「私ってこういう人なんだよ」という思いを代弁できるものを目指しましょう。
それと同時に、結果をシェアしたくなるような、ユーザーの心をくすぐる要素を含んでいる必要があります。例えば、少しの自虐要素を加えることで、「私ってこうかも(笑)」とシェアされやすくなります。
購買促進を目的とする場合は、診断結果から商品購入ページへスムーズに誘導できる導線設計が重要です。
例えば、診断結果ページにレコメンド商品を表示し、商品ページへのリンクを貼ることで、ユーザーの購買意欲を高めながら購入につなげることができます。診断コンテンツづくりと同時並行で、診断フローで得られたユーザー情報をどう活かすかを考えておきましょう。
ユーザー情報を集める方法としては、以下が挙げられます。
・LINEのチャットボットを使用してユーザーをセグメントする ・アンケートツールとして診断コンテンツを活用する など
ユーザーに受け入れられやすく、シェアしたくなるような診断コンテンツを作るためには、3つのポイントがあります。
ユーザーが診断結果をSNSでシェアする背景には、「承認欲求を満たしたい」「共感を得たい」「自分はどんな人かを知りたい」といった心理があります。これらの心理を刺激するような、面白く、共感しやすい、そして少し意外性のある診断結果を設計しましょう。
例えば、「あなたは100年に1人の美人です」といった完璧すぎる結果や自己肯定感が低すぎる結果は、シェアされにくい傾向があります。少し自虐的な要素や改善点などを盛り込むと、親近感が増し、シェアされやすくなるでしょう。
佐々木: ちなみに、どのようなSNSで診断コンテンツを公開しても、シェアやバズのきっかけを生むのはXです。Xを活発に利用しているユーザーが、どのようなトレンド・時事ネタに注目しているのかは、細かくリサーチしておきましょう。
診断コンテンツにおける質問数は、ユーザーの満足度に大きく影響します。fasme編集部では、4〜6問程度がユーザーの集中力が途切れにくく、診断結果にも納得感が得られやすいと感じています。
質問数が少なすぎると、診断結果の精度が低く感じられてしまう可能性があります。反対に、質問数が多すぎると、ユーザーは途中で飽きてしまい離脱してしまうほか、回答内容に高い精度を求められてしまうので注意が必要です。
質問文や選択肢を、ユーザーが答えやすいように工夫しましょう。例えば、「猫は好きですか?」という問いに対して、「好き・嫌い」しかない場合、「どちらでもない」ユーザーの離脱を招いてしまいます。
猫が好きかを聞きたいとき、「嫌い」ではなく「好きではない」と表現やニュアンスを変えることで、ユーザーは回答を選びやすくなります。
fasme編集部では、これまでさまざまな企業の診断コンテンツ開発を支援してきました。そのなかから、特に反響の大きかった事例を3つご紹介します。
アニメ・ドラマ化された人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』とのコラボである、「明日カノ診断」という診断コンテンツの事例です。企画は認知拡大の最大化を目的にして、株式会社ヴィレッジヴァンガード様と人気バンド・ミオヤマザキ様と3者によって実施されました。
佐々木: 「明日カノ診断」はキャラクター診断ではありますが、コアなファンの方々とアニメを見たことがない方々の両方が楽しめる診断になるよう心がけました。
結果、100万回を超える診断回数を記録し、漫画の認知拡大にも大きく貢献しました。
森永製菓株式会社様の「ハイチュウミニ」と「キャラメルミニ」の新商品発売に合わせて、商品の味を擬人化した性格相性診断を開発しました。
佐々木: この事例では、2つの商品の同時購入を促進するという目的がありました。そこで、ユーザーにも人気な相性診断というコンテンツと新商品を組み合わせて、新しい発見が得られるコンテンツを意識しました。
その結果、通常のキャンペーンと比較して約2倍の応募数を獲得することに成功しました。
fasmeのオリジナルコンテンツ「恋愛動物診断」は、ユーザーの恋愛スタイルを動物に例えて診断するオーソドックスな診断コンテンツです。2018年の初リリース当時は、診断よりも占いコンテンツが支持されていました。
佐々木: 「恋愛動物診断」には「表」と「裏」という2種類のコンテンツがあります。表のポジティブな面と裏の自虐的な要素を盛り込むことで、両方をシェアして自分を表現するという側面が多くの女性の共感を集めました。
fasmeは「恋愛動物診断」をきっかけに、LINEの友だち数が130万人を突破。弊社にとって、診断コンテンツのバズを経験した最初のコンテンツとなりました。
今回のセミナーで紹介した、診断コンテンツを作るときのポイントは次の3点です。
①企画の面白さだけでなく、目的を明確にして実施する ②目的に応じて企画を設計する ③ユーザー視点に立って診断内容や質問・選択肢を考える
以上3点を踏まえつつ、ユーザーの心を掴む診断コンテンツを企画・制作し、SNSマーケティングを成功させましょう!
fasmeでは、診断コンテンツの企画・開発から拡散まで、トータルでサポートいたします。診断コンテンツにご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ホットリンクが運営する「fasme(ファスミー)」は、18-34歳の女性に支持されるトレンド発信メディアです。Webサイトは月間約100万PVを達成し、主要SNSプラットフォームにおける総フォロワー数も約140万人に上っております。
2017年11月より提供を開始した「診断コンテンツ」は、fasmeの中でも特に人気の高いコンテンツです。制作総数は50件以上にのぼり、様々な企業とのコラボレーションも行なっています。「mees(ミーズ)」という公式アンバサダーを抱えており、彼女たちが"今リアルに興味がある事柄"もコンテンツとして発信しています。
■fasme Webサイト:https://fasme.asia/ ■fasme X:https://x.com/fasme_media ■fasme Instagram:https://www.instagram.com/fasme_media/ ■fasme LINE:https://page.line.me/rgu7907d?openQrModal=true
2023年9月には、累計発行部数560万部超えの人気マンガ『明日、私は誰かのカノジョ』とコラボレーションした診断コンテンツの完全版を公開しました。2024年5月に公開した「fasme UFPT診断」は、実施回数が9万回を突破しました(2024年6月30日時点、当社調べ)。
■明日カノ診断完全版:https://fasme.asia/quiz/asukano-shindan4740/ ■fasme UFPT診断:https://fasme.asia/diagnosis/face-mbti5723/
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