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この記事の内容
最終更新日:2024年7月11日
2023年5月31日、InstagramのAdam Mosseri氏が「Instagramのランキングを解説」という記事を更新しました。
同記事は、Instagramのランキングについて「数多くの誤解があり」、「とりわけクリエイターの皆様にInstagramの仕様の仕組みを理解してもらうために」制作されたものとのこと。
ホットリンクでは、SNSコンサルタントの北原一輝を中心とした専門知識を有するメンバーたちが、こちらの記事を精読。これまでの支援内容を踏まえたうえで、2023年6月時点で確認できた情報を整理いたしました。
皆さまのInstagram運用に、お役立ていただければ幸いです。 (解説:北原一輝 記事編集:澤山モッツァレラ)
また、ホットリンクでは、Instagram運用の戦略策定から施策の実行まで伴走支援しています。日々の運用でお悩みの方はお気軽にご相談ください。 Instagramマーケティング支援サービスについて問い合わせする
<この記事の要旨>
前提として、アルゴリズムを判別する「シグナル」は1,000以上あります。Instagramが公式に発表しているのは、その中でも特に重要な3~4個の要素です。
フィードやストーリーズ、発見タブなど、各機能においてどのような要素がアルゴリズムに関係しているのか紹介します。
フィードは、フォロー中のアカウントがシェアした最近の投稿に加え、「まだフォローしていないが興味を持つ可能性がある」アカウントの投稿をバランスよく混ぜています。
フォーマットの要素も考慮されており、写真を好む利用者には、写真が多く表示されます。また、投稿がいつシェアされたのか、使っているのはスマートフォンかPCか、動画に「いいね!」する頻度はどのくらいかなど、ありとあらゆるものがシグナルになります。
・どのような投稿にエンゲージメントしたか?
・「いいね、シェア、保存、コメント」した投稿のうち、興味を持ちそうなものから判断。
・どれだけの人にエンゲージメントされたか? また、どれだけ早くエンゲージメントされたか?(初速)
・投稿の人気度(いいね、コメント、シェア、保存数)と一般的な情報(投稿日時、位置情報)が指標。
・直近の数週間で、その投稿者がほかの利用者と何回やり取りしたか? から判断。
・お互いの投稿にコメントをしているか?
・アカウント同士の繋がりから、どのくらい興味があるかを判断。
・投稿後のエンゲージメントの早さ(初速)に関して、初めて言及された。
・エンゲージメントには、プロフィール写真タップも含まれる。
・フィード(タイムライン)でよくリールを見る人はリールが優先され、カルーセルをよく見ている人はカルーセルが表示される。
・これまでは投稿の人気度=エンゲージメント(投稿に関する情報)が最重要項目だったが、自身のエンゲージメント履歴(あなたのアクティビティ)が最重要項目になっており、パーソナライズされたレコメンデーションが強くなっていると推測。
・投稿に関する情報で、位置情報もシグナルに含まれる。 →アプリで地図マークを押すと、周辺の位置情報がついた人気投稿が出る仕様になっているので、その際に効果を発揮する →ロケーションタグから検索した場合でも同様
上記のシグナルを用いて下記を予測します。
①利用者が投稿を数秒見る可能性
②コメントする可能性
③いいねする可能性
④シェアするする可能性
⑤プロフィール写真をタップする可能性
また、同じ人による投稿や、おすすめの投稿がいくつも連続して表示されない仕組みになっていることも考慮しましょう。
ストーリーズは、日常の出来事をシェアし、気になる人や興味があることをより近くに感じられる機能です。基本的にフォローしている人の投稿が表示されます。フォロー中の人がシェアしたストーリーズ(ただし広告を除く)をすべて集めてそれを表示候補とし、ランク付を行います。
特に変更はなく、これまで通り親密度(アカウント同士の関連性の深さ)が高いほど表示されます。
・各アカウントのストーリーズを閲覧している頻度はどのくらいか?
・頻度が多いほど見逃さないよう優先的(左側)に表示される。
・そのアカウントのストーリーズに対して、いいねやDMの送信などのアクションを実行頻度はどのくらいか?
・投稿者との総合的な関係性と、その人と友達または家族である可能性から判断。
※仮説:Facebookのデータより参照している可能性あり
①タップして見る可能性
②返信する可能性
③次のストーリーズに進む可能性
発見タブは、馴染みのない新しいものに出会えるようにするためのものです。ここに表示されるのは、それぞれの利用者のためにInstagramが探し出した、おすすめの写真や動画です。
そのため、表示されるものの大半がフォローしているアカウントのコンテンツで占められるフィードやストーリーズとは大きく異なっています。
・どれだけの人にエンゲージメントされたか?
また、どれだけ早くエンゲージメントされたか?(初速)
・投稿の人気度(いいね、コメント、シェア、保存数)から判断。
また、上記はフィードやストーリーズよりも重要度がはるかに高い。
・これまでに、いいね、保存、シェア、コメントをした投稿や、過去に発見タブの投稿にどのような反応を示したか?
・特定のタイプ(シングル、カルーセル、動画、リールなど)の投稿に対して反応を示していた場合には、その投稿に似たコンテンツが多く表示される。
・大半はフォローしていないユーザーだが、過去にやり取り(相互コメントやDM)があれば興味があると判断。
直近の数週間で他の利用者がその投稿者にアクション(エンゲージメントやプロフィールタップ)した回数を考慮し、人気度を測る。
・フィードよりも、発見タブの方が発見タブ掲載後のエンゲージメント(いいね、保存、シェア、コメント)がどれだけ早くされたのか?の重要度が高い。 →発見タブ掲載後に初速でエンゲージメントを獲得できると発見タブ掲載時間も伸びると推測。ここが発見タブへの露出を最大化させるポイント。
・フィード同様に発見タブ上での過去のアクション(リールをよく見るのか、どんなコンテンツをよく見るのか)によって変わる
・重要度順は2番目と3番目が入れ替わっているが、大きな変更はなし。(言葉は変わっている) →これまで:過去にフォローはしていないが、発見タブをきっかけに、やり取り(コメントやDM)があった人が表示されていた →変更後:重要なのはこれまでと変わらないが、優先度としてはひとつ下がり、発見タブをきっかけにコメントやDMよりいいねや保存、(コメント)といったエンゲージメントの方が指標として重要になった
参考記事:発見タブのアルゴリズム解析
リールも「新しいものを発見しやすくする」ことを意図した機能ですが、エンターテインメントに力点が置かれています。発見タブと同様に、リールで目にする投稿のほとんどは、フォローしていないアカウントの投稿です。
そのため、ランク付けのプロセスも非常に似通っています。上位表示(露出最大化)においては、「楽しさ・楽しませる」が特に重要視されています。
そのほか、リール動画を再シェアする可能性、最後まで見る可能性、「いいね!」する可能性、音源ページに移動する可能性(自分もリール動画を作ってみたい気持ちになったかどうかの尺度)で置き換えてランク付けしています。
・どのようなリール投稿にエンゲージメントしたか?
・直近「いいね、保存、(再)シェア、コメント」した投稿と関連性が高そうなものから判断。
・投稿者とどれだけ過去にやり取りの履歴があったか?
またその投稿者の投稿に対する興味の度合いから判断(エンゲージメントなど)。
・トレンドの楽曲か、動画のフォーマットや機能、人気度(エンゲージメント)から判断。
・フォロワー数やエンゲージメントのレベルなど(=人気度)を考慮し、幅広い人々からコンテンツを見つけやすくする。
※仮説:フォロワーが少ない=リーチが伸びないということはなく、良いコンテンツかどうか
・基本的に、リールとランク付けのプロセスは似ている
・NGなのは変わらず →解像度が低い動画 →透かし入り(他アプリのロゴなど)が入った動画 →ミュートになっている動画 →枠線(フレーム)が入った動画 →文字がメインの動画 →政治的な問題を扱っている動画
・以前とシグナルの順番に変更はない(参考)
・シャドウバン(自身のコンテンツが制限され、既存フォロワーのみにしか配信されない状態を指す)されることはない
・コンテンツの露出を減らす状態になっていれば、異議申し立てもできる
・透明性を高めるために[アカウントステータス]機能の拡充に努めている
関連記事:シャドウバンの確認・解除方法を解説。X(旧Twitter)とインスタの公式発表も紹介
以上の点を踏まえ、Instagram運用で重要なポイントは以下の3点となります。
実施すべきことは、これまでと変わりません。継続することが大切です。「初速」について、何時間か明確にはありませんが、投稿から3時間までを目安にしましょう。
動画、写真、テキスト等どんなコンテンツを作成するにせよ、魅力的なものにしましょう。リール動画は、短くすることを推奨します。おすすめに表示されるには90秒以内にしておく必要があります。
コラボ機能を使えば、1件の投稿を作成するだけでお互いのフォロワーにシェアすることができます。タグ付け機能を使えば、自身が指定して公開しているプロフィールカテゴリまで表示できます。こうした投稿は、リールタブ、発見、フィードなどの場所でおすすめとして表示される可能性があります。
フォロワーにもそうでないユーザーにも、Instagram検索で見つけてもらうことができます。コンテンツ、キャプション、自己紹介、ハッシュタグには関連性の高いキーワードを含めるようにしましょう。
Instagramには、[親しい友達][お気に入り]、[フォロー中]といったカテゴリ分けが存在します。フォロワーの方には、[お気に入りに追加]を促しましょう。自分のコンテンツが、そのユーザーの方のフィードで上位に表示されやすくなります。
インサイトをチェックして、トレンドやコンテンツのパフォーマンスをモニタリングしましょう。インサイトでは、リーチしたアカウント数の内訳をフォロワーとフォロワー以外に分けて確認できます。非フォロワーのユーザーがリーチに占める割合を把握でき、期間の選択を変更して、その割合を経時的に見ていくこともできます。どのコンテンツが多くのリーチを獲得しているかを把握し、コンテンツ戦略に活かしましょう。
自分のアカウントやコンテンツが、フォロワー以外におすすめとして表示される条件を満たしているかは[アカウントステータス]で確認しましょう。条件を満たしていない場合は、コミュニティガイドラインを確認してガイドライン違反のコンテンツコンポーネントを把握できます。問題が把握できればコンテンツを修正し、Instagramに再審査をリクエストできます。
過去すでにInstagramに投稿されたリールの再投稿、透かしが入っているコンテンツ、他の利用者が公開しているコンテンツを再シェアしているアカウントは、おすすめ表示される可能性が低くなります。再投稿するのではなくリミックスツールを使用して、人気のリール動画に自分ならではのひねりをきかせましょう。
以上になります。皆さまのInstagram活用にお役立ていただければ幸いです。
ホットリンクは長年Instagram分析・Instagramマーケティングに携わり、多くの企業様のInstagramマーケティング支援をしてきました。
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