SNSコラム

ものすごく地味で、ありえないほど重要な「すり合わせ」の話。ホットリンク・伊藤舞

2023年06月13日
SNSコラム

弊社ホットリンクは、SNSマーケティングの実績を活かしてインフルエンサーマーケティングにも携わっており、企画からキャスティング・制作まで一貫してご支援しています。
 
支援を通じてわかったのは、「すり合わせ」の重要性です。「地味」「泥臭い」と思う方も多いと思いますが、仕事の大半は実は調整とすり合わせではないでしょうか。 
 
チームで仕事をする人にとって、「調整」「すり合わせ」に無関係な人はいないはずです。今回は、ホットリンクのインフルエンサーマーケティングの中核を担う存在であり、2022年下半期MVPでもある伊藤舞さんにインタビューを行ない、「すり合わせ」の本質について語っていただきました。
 
インタビュー・文:澤山モッツァレラ
編集:ホットリンク編集部

 

企画提案から携われるのは、やりやすい

――まず、伊藤舞さんの業務内容から教えてください。
 
伊藤舞(以下、伊藤) アドテクノロジー本部コンテンツ推進室の伊藤と申します。普段はクリエイターさんとのタイアップ案件のディレクションや企画提案、クリエイターさんが絡む施策の全体的な業務に携わらせていただいています。
 
実は、インフルエンサーマーケティングには新卒の頃から関わっています。当時はキャスティングがメインでした。「この施策に対して、最適なクリエイターさんを探してほしい」という依頼を受けて、探してアサインまでし、クリエイターさんと直接やり取りしてレポーティングを行なう業務ですね。
 
――経歴としてはホットリンクで2社目なんですね。キャスティングまでの分業と、企画の部分から入ることの違いはどのあたりですか?
 
伊藤 そうですね、前職ではクライアント様に対し営業サイドがクリエイターさんの提案をするのですが、推しポイントや企画方針を立てる際に自分の考え方とはギャップを感じることもあって。そこを自分自身で組み立てて、営業できるのはシームレスでやりやすいなと感じます。
 
とはいえ、まだ慣れていないことも多いので日々勉強中なのですが。
 
――クライアント様にご提案する際は、クリエイターさんのどういうところを注目していますか? 
 
伊藤 制作するクリエイティブによってどこに注目するかは変わりますが、例えば動画なら普段どういった話し方をされているか、テンポ感はどうか、編集スキルはどうか、ショート・長尺どちらが得意か、静止画なら画像編集スキルはどうか、文字入れは可能か……。
 
共通する部分として、エンゲージメントの高さや普段の投稿とブランドとの親和性等々があり、さらにプライベートでもそのブランドの商品を使用していればなおよし、という感じですね。
 
あとは、コミュニケーションの部分も拝見するようにしています。初めてお取り組みする場合だと、レスの早さや対応の丁寧さといったところはなかなか拾いきれない部分ですが、その代わりにストーリーズやコメントなどで普段のSNSでの対応を見て、「この人いいな」と思ったら、個人用のリストに入れたりもしていますね。

ファンコミュニケーションが上手な方は活動方針もしっかりされている方が多いですし、その分熱量の高いファンを抱えていらっしゃるので。
 

リロ氏の「フォロワーファースト」なスゴ味

――伊藤さんは特にクリエイターさんとのやり取りが多いですが、クリエイターさんの良さを活かすために心がけていることはありますか? 
 
伊藤 クリエイターさんのフォーマットに則ることでしょうか。クリエイターさんは特に人気の方になると、ご自身のフォーマットをお持ちの方が多いんですよね。例えば、弊社で何度もご一緒いただいているリロ氏さんの「~~するだけの動画」といったような。
 


そういうフォーマットはちゃんと使わせていただいて、それに沿った企画をしていくのが基本ですね。
 
――リロ氏のお話が出ましたが、印象的なケースとしてやはりリロ氏の事例は入ってきそうですね。
 
伊藤 そうですね、リロ氏とご一緒したジョンソンヴィル様・オリオンビール様の事例は自信を持って「成果が出ました」といえるケースですね。
 


 
オリオンビール様の場合、売上が上がりやすい夏と比較をすると、3月はそこまでではないのですが、リロ氏との施策では顕著な伸びを記録しました。 

――この動画もそうですが、やはりクリエイターさんは試行錯誤の末にフォーマットを獲得されているので、そこをちゃんと残しつつクライアント様に提案できるようディレクションすることが肝要と言えそうですね。コンテンツの中身についてはどのように決められたのでしょうか。
 
伊藤 オリオンビールさんに関しては、過去にPRとは関係なくリロ氏がオリオンビールとゴーヤチャンプルーの動画を投稿していたこともあり、内容はそのまま、撮影場所を屋外に変更してアウトドア感を演出するかたちで調整しました。

もちろん「同じレシピの動画を再現するのはどうなのか」という視点もあるので、他の方向性やお料理での制作も検討しましたが、実際にリロ氏と議論しあって、やはり沖縄発のオリオンビールさんと、コラボ先であるCHUMSさんのアウトドア感双方を演出するのはこれが最適、という形で落ち着きました。
 
――なるほど、単純に再現したわけではなく、フォロワーさんのリアクション予想含めてきちんと検討を経た上でなんですね。
 
伊藤 そうですね、その点でリロ氏は本当に見せ方がお上手ですし、ファンコミュニケーションに長けている方なのでいつも勉強させていただいてます。

どんな動画構成にするにせよ、リロ氏はまずフォロワーさんのリアクションファースト。「こういう動画は、こういうリアクションが得られるはず」という肌感をお持ちで、そこを前提にお話が進んでいくのはさすがだと思います。

――加えて、リロ氏はニコニコ動画出身というのも大きそうですね。抱えているフォロワーの方がトレンドに敏感で、爆発的な反応をしやすい。そういう部分も、ジョンソンヴィルさんやオリオンビールさんなどアウトドアシーンで使われる商品とマッチしている部分があるのかなと思いました。
 
 

クリエイターさんと関係値を築くために

――クリエイターさんと関係値を築く上で、どんなことに気を遣っていますか?
 
伊藤 二つあります。一つは、「常に情報をコンパクトにまとめてお渡しする」ということですね。なるべく、クリエイターさん側の工数を最小限にします。もう一つは本当に些細な事ですが、どんな小さな対応を頂いた際にも感謝を言葉にしてお伝えすることです。

施策の都合上、タイトな制作スケジュールをお願いすることは多々あります。同時並行でいろいろなことを進めた結果、追加情報が最初のご依頼と矛盾してしまうこともあります。五月雨式に情報をお伝えすると、途中の内容が漏れてしまうということも。
 
そういうケースをできるかぎり省くように、各工程で何か着手いただく前には必ず、最新の情報をすべて整えてからご連絡するようにしています。ちなみに、自分のタスク漏れ防止にもなります(笑)。

あとは、案件ベースでのお付き合いが基本なので、その短い時間のなかで気持ちよく取り組んでいただけるように、ってところは意識してコミュニケーションを心がけています。
 
そういう小さなことを積み重ねて、またご依頼した際に「この会社は丁寧だったな」「進行がスムーズだったし、また案件受けようかな」と思っていただけたらうれしいです(笑)。
  
――伊藤さんは、最近ではショート動画のディレクションも多く手掛けておられますね。直近では役者さんを起用して1日がかりで行なうような撮影をしたそうですが、どんなディレクションを心がけていますか?
 
伊藤 ショート動画に限らずなんですが、やはりディレクションのポイントは企画と動画イメージのすり合わせだと思っています。企画の内容ってプロジェクトが進む中で変わってしまうことがあり、そこは詳細にクライアントさんとすり合わせつつ、クリエイターさん側の意見も組み込みつつ。
 
撮影前に「こういうのがいいよね」という、具体的な動画のイメージを揃えていきます。やはり静止画やテキストと違い、動画の再撮影にはプラスで時間もかかりますし対応が難しい場合もあるので。
 
今回の場合だと、場所はこういうところ、シーンはこういうもの、どういうセリフを言ってもらうかなどなど、より詳細なところまで俳優さんマネージャーさんとも確認のうえ撮影に入りました。
 
あとは、「NGはこういうものです」という部分の共有の徹底ですとか。すごく細かいですが、すり合わせは徹底的に行ないます。
 
――言葉にすると非常に地味に聞こえますが、ディレクションとは凡事徹底だと感じますね。世にはショート動画のTIPSなどたくさん溢れていますが、作っている最中のディレクションなど極めて地味な部分もまた本質だと思います。
 
 

ホットリンクのインフルエンサーマーケティングの強み 

――伊藤さんが考える、ホットリンクのインフルエンサーマーケティングの強みはどのあたりにあると思いますか? 
 
伊藤 企画とディレクションでしょうか。どのターゲットを動かしたいのか、何を届けるか、から逆算をして企画し、クリエイターさんをアサインしていく。施策の方針をきちんと確立させつつ、経験豊富なメンバーがディレクションに入るので、スムーズな進行と一緒にご提供できていると思います。 

――方向性を定める、つまりディレクションの訳文でもありますよね。まさに方向を定めて、調整する。すべての仕事においても大事ですね。
 
伊藤 そうですね。加えて、ホットリンクの場合はインフルエンサーさん・クリエイターさんの分析、ブランドの分析ができるので、数値をもとに根拠を持ってお話できる。ここは大きな強みだと思います。
 
あと、そのデータ分析を活用した広告配信も強みです。どうしてもインフルエンサーマーケティングというとクリエイターさんのバズ頼み、拡散力に依存しがちな部分があると思います。

もちろんそこも十分に活用させていただきつつ、ホットリンクではそれを広告配信にして、届けたい方に届けることができます……なんか、ディレクションの話からちょっと営業チックになりましたね(笑)。
 
――いいんです、営業記事ですから(笑)。ここは大事な話で、例えばインタビュアーの澤山自身もバズを比較的得意とするツイッタラーですが、毎回再現性が担保されるわけではないのは痛感しています。
 
伊藤 拡散力をクリエイターさんに依存するのではなく、ちゃんと設計したうえで広告配信する。それによって、動かしたいターゲット層にきちんと届く。ここはぜひ、弊社のインフルエンサーマーケティングにおける強みとして認識いただきたいなと思います。
 
――締めとしてもバッチリです。お忙しいところありがとうございました!

SNSを理解する無料動画を今すぐチェックしよう!

Twitter, Instagramマーケティングについてお悩みの方へ

プロ視点の解決策をご提案いたします!
まずはお気軽にご相談ください

03-6261-6933受付時間:平日9:00-18:00
今すぐ相談する24時間365日受け付けています
お問い合わせエリアのイメージ