ホットリサーチ

ゴールデンウィークの新たな過ごし方を予想
~アニメファンから一般へ、拡大する“聖地巡礼”~

2014年 4月21日(月)

株式会社ホットリンク(代表取締役社長CEO:内山 幸樹、本社:東京都千代田区、証券コード:3680)のグループ会社である株式会社ホットリンクコンサルティング(代表取締役社長:成瀬功一郎、本社:東京都千代田区)は、ソーシャルメディア分析ツール「クチコミ@係長」を使って、今年のゴールデンウィーク(以下「GW」)の動向調査を行いました。その結果、これまでは、一部のアニメファンの行動と考えられていた”聖地巡礼”が、一般にも拡がりつつあることを確認することができました。

レポート詳細

GWに関するツイート数について、2014年は2013年と同様な形で推移しており、今後も昨年と同様、GW直前に急激に増加するものと思われます。ただし、4月1日~4月14日までの2週間のツイート数を比較すると、2013年の約42万件から2014年は約38万件と10%程度減少しています。これは、今年のGWが飛び石連休となり、長期の休みがとりにくく、盛り上がりに欠けているためであると思われます。

【図1:GWに関するツイート数の時系列推移】

GW期間中の過ごし方に関する各ワードの言及数がデータ全体に占める割合を調べると、「仕事」、「バイト」がトップ2であり、どこかに出かけたいものの、仕事やバイトがあるため、なかなか出かけられない様子がうかがえます。また、「旅行」や「帰省」、「イベント」、「ライブ」と並び、「オフ会」がGWの過ごし方の一つとして定着していることも確認することができました。なお、主要なワード以外では、「宅飲み会」(自宅での飲み会)、「メンタル回復」(ストレス解消)などが目を引き、お金をかけずに友人と自宅で過ごしたり、日頃の仕事の疲れを癒したりする傾向も見られます。

【表1:GWの過ごし方に関するワードの言及割合ランキング】
(データ期間:2014年4月1日~2014年4月14日)

旅行先の場所に関する各ワードの言及割合について、国内では「東京」、「大阪」、「沖縄」、「北海道」、「京都」、海外では「韓国」、「台湾」の言及が多く、また、地名以外では、「温泉」以外に「近場」が上位にランクしており、今年のGWが飛び石連休であることも影響してか、近場で過ごす人が多いであろうことがうかがわれます。

【表2:旅行先に関するワードの言及割合ランキング】
(データ期間:2014年4月1日~2014年4月14日)

昨年のGWから”聖地巡礼”が増加

旅行先に関して、より詳細な分析を行ったところ、”聖地巡礼”というワードが散見されることを確認しました。”聖地巡礼”とは、アニメや漫画、ドラマ、小説などの作品の舞台やモデルとなった場所、ゆかりのある場所を訪問することです。これまで、一部のアニメファンの行動と考えられていた”聖地巡礼”は、従来から存在していた、ドラマや映画のロケ地を訪問する“ロケ地巡り”や小説などの物語の舞台を訪問する“舞台探訪”を包括する、より広い概念として捉えられるようになり、また、参加者も増加しています。(*)

試しに、2012年1月から直近までの間の、”聖地巡礼”、及び、”旅行”に関する言及数の増減を、2012年1月の値を100として分析しました。その結果、2012年3月7日(水)に放送されたNHKのテレビ番組『クローズアップ現代』に”聖地巡礼” が取り上げられた後、2年の間に、”聖地巡礼”に関する言及数が約2倍に増加していることが分かりました。また、2013年3月までは両者の増加率に目立った差がなかったものの、2013年4月から “聖地巡礼”に関する言及数の伸びが”旅行“に関する言及数の伸びを大幅に上回るようになっていることが分かりました。つまり、昨年のGWから旅行先としての“聖地巡礼”の割合が増加していることがうかがえます。

【図2:”聖地巡礼”および”旅行”に関する1日あたりツイート数の時系列推移】

ちなみに、昨年のGW期間中のツイート内容からみた、主な聖地巡礼先と作品名のリストは以下の通りです。アニメ作品と並び、NHKの大ヒット連続テレビ小説『あまちゃん』が含まれていることが特徴的です。

【表3:2013年のGWの主な聖地巡礼先と作品名】
(データ期間:2013年4月27日~2013年5月5日)

今年のGW期間中の主な聖地巡礼先について、今年のGWに関するこれまでの言及内容や、昨年のGW以降に放送された作品を考慮して予想してみました。

【表4:2014年のGWに予想される主な聖地巡礼先と作品名】
(データ期間:2014年4月1日~2014年4月14日)

考察

これまで、一部のアニメファンの行動と考えられていた”聖地巡礼”は、従来から存在していた、ドラマや映画のロケ地を訪問する“ロケ地巡り”や小説などの物語の舞台を訪問する“舞台探訪”を包括する、より広い概念として捉えられるようになりました。特に、2013年のGWから、『あまちゃん』(ドラマ)のファンなど、参加者が一般にも拡大し、GWの新たな過ごし方として定着しつつあります。その背景には、ファン同士がネットを通して情報交換をしやすくなったこと、当初から”聖地巡礼”を意図した作品が作られるようになったことの他、巡礼先の地域や自治体が受け入れ態勢を整えるようになったことなど、環境整備も一役買っています。

巡礼先の地域や自治体の中には、なぜ訪問者が増加したのか、当初は理由が分からず、困惑したところも多かったと予想されます。また、巡礼者が少数にとどまる、作品がメジャーではない、などの理由から、巡礼者が増加しつつあることにすら気づいていない地域や自治体も多いかもしれません。”聖地巡礼”を、地域の振興や経済的な効果に上手く結びつけるためには、巡礼者の動きを素早く、かつ、正確に把握することが欠かせません。そのような場合に有効なのが、Twitterなどのソーシャルデータの分析です。地域に関するソーシャルデータ上でのクチコミを分析することにより、どのような目的の訪問者が増加しつつあるのか、彼らの満足/不満足な点はどのようなことかを理解し、改善策を検討・実行することが可能となります。そのことが、巡礼地を訪問した観光客の満足度向上や好意的なクチコミの増加を促進し、さらには、新規訪問者やリピーターの増加、現地飲食店や小売店の売上の増加へとつながります。

(*)MSN産経ニュース  「アニメ、マンガ、小説…「聖地巡礼」熱い視線 学会注目、新しい観光概念も」 http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140115/ent14011512000003-n2.htm

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