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この記事の内容
最終更新日:2024年10月24日
2024年4月より、ホットリンクでは社内業務における生成AIツールの活用を本格化させています。AI活用推進のための体制を整え、さまざまな部署で業務の自動化や工数削減に取り組んでいます。
今回は、マーケティング部でのAI活用による業務効率化について、具体例とともにご紹介します。
マーケティング部では、主に記事執筆の効率化を目指し、インタビューの文字起こしや原稿作成、校正などでAIツールを活用しています。オウンドメディア記事の執筆・編集と広報を担当するマーケティング部・リーダーの倉内 夏海は、「AIツールの活用により、これまで16時間かかっていた記事作成が、4.5時間で完了するケースも出てきました」と話します。
部内では日常的にプロンプト(AIへの指示文)の共有が行われ、さまざまなAIツールやより良い活用方法を模索しています。こうした取り組みから生まれた成功例と今後目指す姿について、マーケティング部・部長 成神 佳彰と倉内に話を聞きました。
(インタビュー・執筆・編集:髙橋真穂)
株式会社ホットリンク マーケティング本部 マーケティング部 部長 成神 佳彰
新卒入社したアクシス株式会社を経て、2022年にホットリンクに入社。マーケティング部の部長を務め、BtoBマーケティングに従事。前職では、キャリアコーチング事業のマーケティング責任者、YouTubeチャンネルの立ち上げ・グロース、SEOメディアの運営責任者などを経験。
株式会社ホットリンク マーケティング本部 マーケティング部 リーダー 倉内 夏海
編集プロダクションでの編集・執筆8年、Webサイト制作2年を経て、2021年よりホットリンクに入社。インハウスエディターと広報を兼務し、オウンドメディアの運営から書籍の編集および進行、社外に向けた発信全般に携わる。
──全社的にAI活用を推進する中で、マーケティング部ではどんなことにフォーカスしていますか?
成神:大きく2つあります。1つが記事執筆の効率化で、2つ目が単純作業の効率化ですね。意識的に進めていたわけではないですが、結果としてそこにフォーカスしていると思います。
──マーケティング部は、Slack上でのAIに関する最新情報のキャッチアップから、それらを迅速に検証・実践するなど、ホットリンクの中でも特にAI活用が進んでいる印象があります。このような取り組みにおいて、どんなことを意識していますか?
成神:正直、僕ら自身はそこまで進んでいる感覚はないんです(笑)。個人的には、他社の活用事例を友人から聞いて危機感を感じていました。なので、「AI活用すればいいことがある」というポジティブな気持ちより、「置いていかれないようにしないと」という思いが強いですね。
一方で、記事執筆の効率化に関しては、AIの活用によって質の高いコンテンツを、より効率的に生産できる可能性を感じていました。
僕は前職でレッドオーシャンの転職ジャンルでSEOをやっていた経験があり、良いコンテンツを見極める目は養ってきたつもりです。そのため、AIで効率化しながら僕が納得できる質のコンテンツを作ることができれば、他社をリードできるのではないかと期待もしていました。
何より、ホットリンクにはULSSASなどの独自のメソッドやノウハウがあり、さまざまな情報発信もしてきているので、「コンテンツの原液」がたくさんある状態だと思うんです。
AIの活用によって、その「原液」をあらゆるフォーマットでコンテンツ化する仕組みができれば、質の高い記事を効率的に出せるのではないかと考えました。
倉内:私も、執行役員の大野さんから「マーケ部はAI活用が進んでいる」と言われて嬉しかった半面、驚きました。「AI活用を進めよう!」と意識して動いた結果というより、好奇心が強いメンバーが多いので、「まずやってみよう」と行動を起こすハードルが低いのだと思います。
執筆の効率化に関するプロンプトやおすすめツールに関する情報はX(旧Twitter)上にたくさん落ちているので、私自身も気になったらすぐに試しています。その結果、行動量が増えてAIの活用が活発に見えているのかもしれません。
また、私は記事作成が業務のほとんどを占めているので、執筆の効率化が業務の効率化に直結します。インハウスエディターと広報を兼務していて、広報業務が手薄になりがちなので、効率化することでどちらの役割にもしっかり時間が割けるようになるのではと考えています。
──AI活用している具体的な業務を教えてください。
倉内:インタビュー記事やコラム、寄稿用の原稿など、さまざまな形式の文章作成に活用しています。プレスリリースの作成、校正や誤字・脱字チェックにも使っていますね。
あとは、メディアの方にお送りする企画書や文章量の多いメールを書く際にも、誤字・脱字は無いか、わかりにくい言い回しになっていないかなどを、AIを使って確認しています。
成神:僕も記事執筆が主ですが、戦略に対する具体的な施策を考える際のブレインストーミングにもAIを活用しています。
──具体的に、作業フローのどこでAIを活用していますか?
倉内:原稿作成の場合は、AI文字起こしツールの「Notta」や「CLOVA Note(以下、 CLOVA)」を使用して文字起こしを作成します。作成後は、自分自身の目でインタビューに使わない会話を削除しています。必要に応じて、話題の順番を整えたりもします。そうすることで、「Claude」を使用した初校作成の工程がスムーズになると感じています。
文字起こしを整えたら、以下のようなプロンプトを使ってClaudeで原稿を作っていきます。
▼プロンプト例
これは「XXXXX」について話している、〇〇さんと△△さんへのインタビュー音源の文字起こしです。 日本語として読みやすくするため、以下の条件を踏まえてアウトプットしてください。
#条件 ・2,000文字以上で出力する ・語尾はです・ます調で統一する ・インタビュアーの言葉(地の文)を「――」、〇〇さんの発言を「〇〇:」、△△さんの発言を「△△:」から書き始める ・最低限の修正に留め、文字起こしに無い情報は付け加えない
アウトプットされたテキストには必ず目を通して、ハルシネーション(AIによる誤った情報生成)などが起こっていないかをチェックします。もっとわかりやすく書いた方が良い箇所や、インタビューの場では話していなかったけれど補足した方が良い情報などは、自分で追記していきます。
現状では、Claudeは日本語の生成が自然で、他ツールよりクオリティが高いと感じているので、執筆ではほとんどClaudeを使っています。画像に書いてある文字やURLを参照する必要がある場合は、「ChatGPT」を使うこともありますね。
成神:僕も記事執筆は主にClaudeを使っています。
AIツールの選択とAIへの適切な指示内容、この2つが記事の質に大きく影響すると考えています。いくつかのツールを試した結果、現時点ではClaudeが最も使いやすいですね。
──AIの活用によってどれくらい工数削減されましたか?
倉内:かなり削減できたと感じています。例えば、1時間分の音声の文字起こしに以前は5〜6時間かかっていましたが、CLOVAなら5分程度でアウトプットされます。
先日公開した記事「作業時間40%減! SNSコンサルタントと開発メンバーで実現したGPTs「投稿作成bot」」では、文字起こしから初稿完成まで4.5時間で完了しました。以前は同じようなインタビュー記事の作成に16時間ほどかかっていたことを考えると、大幅に工数を削減できました。
ただ、これは特にうまくいった例で、常にこのスピード感で初稿が完成するわけではありません。AIツールを使った執筆業務の工数は、アウトプットされたテキストのクオリティに左右されます。
記事の形式やテーマを問わず、一定のクオリティでアウトプットされるように、引き続きプロンプトの改善を重ねていきます。
成神:僕も通常だと17時間ほど執筆に時間がかかりますが、最も工数削減できた記事では5.5時間で完成しました。なので、倉内さんと同じく、1記事あたり70%ほどの工数削減を目指しています。
通常の30%以下の時間で記事が書けるようになれば、単純計算で公開できるコンテンツ数を3倍に増やせる可能性があります。実際に3倍の記事を書くかどうかは別として、それだけ生産性を向上できたら素晴らしいですね。
──工数削減以外に、AI活用の良さはどんなところだと感じていますか?
成神:AIを活用することで、特定分野の専門知識や高度な執筆スキルがなくても記事の土台を作成できるのはメリットだと感じています。もちろん、有識者からのフィードバックや補足は必須ですが、AIのサポートにより、これまでよりも多くの人が記事作成に着手できるようになったのではないかと思います。
また、文字起こしなどの単純作業が効率化されたことで、精神的な負担も大きく軽減されました。単純作業って結構気が滅入るものですからね。
倉内:私も文字起こしが大幅に効率化されて、本当に助かっています。以前は文字起こしを始めるまで腰が重く、インタビュー後の作業の着手が遅れがちでした。
けど、今はインタビューが終わったら、「とりあえずツールに音源をアップロードしておこう!」と考えるようになり、作業の流れがスムーズになりましたね。
──ここまではAI導入のポジティブな面を伺いましたが、反対にAIを導入した当初の懸念や現在感じている課題などはありますか?
倉内:当初はセキュリティ面で少し不安がありました。AIツールをどの程度信頼してよいか、判断が難しかったです。
しかし現在は、セキュリティポリシーや利用ガイドラインが制定されたこともあって、不安になったり悩んだりすることは減りました。困った時は、AI活用を推進している大野さんたちに質問しています。
成神:初期のAIの執筆では、満足な質の文章が生成できなかったため、本当に効率化できるか疑問に思っていました。ただ、最近のAIツールは実用レベルに達しているものもあると感じています。
現在の課題としては、さまざまな記事のフォーマットや内容に対して、常に高いパフォーマンスを出せるようにすることです。プロンプトの調整や記事作成プロセスに改善の余地があると思っています。
また、AI関連の知識をもっと深める必要性も感じています。新しいAIツールや解決策を常に把握し、業務改善に活かせるようになりたいですね。
──インタビューの前半で「好奇心の強いメンバーが多い」と話されていましたが、プロンプト改善などについて、マーケティング部ではどのようなコミュニケーションをとっていますか?
倉内:プロンプトに関しては、良いアウトプットが出たか否かに関わらず、みんなの参考になりそうなものはExcelにまとめています。
実際のプロンプトや実行した結果はWordに貼り付けて、どんな指示でどんなアウトプットになったかがわかるように、各自で記録しています。
プロンプトを共有することで、自分の試行錯誤のプロセスも整理できます。いつ、何の目的で、どのプロンプトを試したのかが明確になり、自分自身の気づきにもつながっています。
成神:1つの成功パターンが共有されて全員で実践できれば、チーム全体の業務効率が上がりますよね。例えば3%の効率化でも、チーム全体では大きな影響になると思っています。
プロンプトの共有以外にも、基本的にはSlackで随時、ラフな感じでAI活用に関する情報を共有し合っています。形式的な共有も大事ですが、たわいもない会話が意外と重要だなと思っていて。
例えば、チャット上で雑談が生まれやすい環境を作ると、AIに関する会話も自然と増えていくんですよね。それによって、AIツールで実験する心理的なハードルが下がって、活性化される。結果的にAI活用の改善にもつながっていくと思っています。
倉内:そうですね。現在「NotebookLM」を使って社内ノウハウのデータベース化を進めていますが、そのアイデアも、Slackでの雑談から生まれたものでした。些細なことから実務に役立つアイデアが生まれることも多いんです。
マーケティング部のチャンネルは、くだらないことから真面目なことまで気軽に投稿できる雰囲気があります。この自由な雰囲気が、結果的にAI活用の推進につながっているのかもしれません。
──今後、AIでどこまで効率化したいと考えていますか?
倉内:まずは、先ほど話した「文字起こしから初稿完成まで4.5時間」というベストケースを安定して実現できるようにしたいです。
具体的には、AIだけで既存の業務にかかっていた時間の半分以下で、70点以上のクオリティを安定して出せるようになることが目標です。もちろん、最終的には100点の質にするために、人の手で細かな調整や推敲を重ねますが、AIを活用することで、その過程をより効率化できると思います。
また、「ホットリンクらしさ」の観点を持った校正ができるGPTs(カスタムGPT)の作成も考えています。そのために現在、私たちが行っている校正・修正の履歴を蓄積しています。これらが実現できたら、クオリティを高めながら作業時間をもっと短縮できると思います。
成神:ただ、記事の数を増やすだけでなく、クオリティの向上にも時間を使えると考えています。より質の高いコンテンツを作ったり、AIの活用方法自体をさらに研究したりすることもできると思います。
また、現在進めているコンテンツのデータベース化と組み合わせることで、新しい可能性も見えてくると思います。例えば、過去の記事や社内での情報をデータベースに蓄積し、それをAIで分析することで、、AIが新しい切り口の記事の骨組みを提案してくれるかもしれません。単なる効率化だけでなく、AIならではの新しい価値創造にも挑戦できたらいいですね。
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