SNSコラム

【事例】インプレッションが約1.8倍、リールのエンゲージメントもV字回復。投稿を売り場提案にも活かす、日本ハムのInstagram活用

更新日:2026年9月16日
公開日:2026年9月16日
事例 | 食品業界向け

ホットリンクでは2023年9月より、日本ハム株式会社様のInstagramアカウント「ニッポンハム【公式】お役立ちレシピ」の運用を、立ち上げからご支援しています。

2025年度は、リール動画や広告配信、投稿ごとの改善を重ねた結果、年間インプレッション数が前年度比約1.8倍に増加。同額の広告費で獲得できるフォロー数も約1.5倍になり、リール1投稿あたりのエンゲージメント数の中央値も、2025年12月から2026年5月にかけて約5.3倍に回復しました。

また、歴代1位の保存数を記録した「シャウエッセンのクロワッサン風」はSNS以外のメディアでも紹介され、スーパーなど小売店への売り場提案にも活用されています。

本記事では、日本ハム株式会社の貝瀬様と、同アカウントの支援を担当するホットリンクの秋山へのインタビューを通じて、運用方針や成果につながったポイントをご紹介します。

ご支援の概要

ご支援企業・ブランド 日本ハム株式会社
Instagramアカウント「ニッポンハム【公式】お役立ちレシピ」
業界・商材 食品/加工食品・ハム・ソーセージ・惣菜など
ご支援媒体 Instagram
ご支援開始時期 2023年9月
ご支援の背景・課題 認知度の高い商品だけでなく、加工事業全体の商品や新商品と生活者との接点を広げ、「試してみたい」「店頭で見かけたら買ってみたい」という行動につながる発信を行う必要があった。
ご支援内容

Instagramマーケティング支援として、アカウントの運用代行と広告配信を一気通貫で実施。食のトレンドや季節行事を踏まえた投稿企画、日本ハム様が検討・検食したレシピをもとにしたリール・フィード・ストーリーズの投稿文およびクリエイティブ制作、撮影ディレクション、月次での分析・改善提案までを行う。

 

また、投稿素材を、小売店向けの売り場提案資料や店頭POP、サイネージなどに活用する取り組みも支援している。

主な成果 ・2025年度の年間インプレッション数が、前年度比約1.8倍に増加
・同額の広告費で獲得できるフォロー数が約1.5倍となり、配信効率が向上
・リール1投稿あたりのエンゲージメント数の中央値が、2025年12月から2026年5月にかけて約5.3倍に回復
・「シャウエッセンのクロワッサン風」の投稿が、全247投稿中で歴代1位の保存数を記録
・Instagramで発信したレシピがSNS以外のメディアで紹介され、その実績をスーパーなど小売店への売り場提案にも活用
・投稿素材が営業資料や店頭POP、サイネージにも活用され、売り場の確保に向けた提案材料にもなった
成果につながったポイント

食のトレンドに追随するだけでなく、季節行事や生活者の調理ニーズを先読みし、小売店への提案が行われるタイミングも踏まえて投稿企画を設計。

 

投稿後は、生活者が「作ってみたい」と感じる要素を、意外性や発見性、シズル感、レシピ名の分かりやすさ、食材のなじみや価格、調理工程の手軽さに分解して分析。日本ハム様のレシピ開発とホットリンクの投稿表現に反映する改善サイクルを継続した。

SNSは、商品やブランドの価値を深く理解してもらうためのメディア

――日本ハム様にとって、SNSはどのような役割を担うメディアなのでしょうか。

貝瀬:SNSは単なる情報発信の場ではなく、お客様に商品やブランドの価値をより深く理解していただくためのコミュニケーションメディアだと考えています。

 「ニッポンハム【公式】お役立ちレシピ」は、生活者に発見と体験を提供する場という位置づけのInstagramアカウントです。

――ホットリンクでは、2023年9月より同アカウントの運用をご支援しています。具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。

秋山:まず、翌月以降にどのような投稿を行うかを考え、企画をご提案します。季節行事や気温の変化、生活者の調理ニーズ、食のトレンドなどを見ながら、「その時期に、どのようなレシピが求められそうか」を考えていきます。

 例えば夏であれば、「暑い時期にキッチンに立つ時間を短くしたい」というニーズがあります。そこから、電子レンジで作れるレシピや、辛いもの・甘辛いものといった食のトレンドを、日本ハム様の商品とどう掛け合わせるかを検討します。

 すでにあるレシピの中から、その時期に合うものを選ぶのではなく、生活者の動きや関心を起点に企画を考え、そこから使用する商品やレシピを組み立てていく流れです。

――レシピは、どのように作られているのでしょうか。

貝瀬:ホットリンクさんから食のトレンドや生活者の関心について情報をいただき、それをもとに社内のメニュー開発メンバーと相談しています。

 どの商品を使うと、よりおいしく食べられるのか。調理工程をどのように変えるとよいのか。実際に作って検食しながら、レシピを調整しています。

秋山:日本ハム様側でレシピを検討・検食いただいた後、ホットリンクではInstagram投稿としての見せ方や構成、編集、制作を担います。撮影については、フォトグラファーやフードコーディネーターの方にお願いする場合もあれば、ホットリンク側で動画素材を制作する場合もあります。

 すべてを同じ方法で制作するのではなく、投稿の内容やご予算に応じて制作方法を分けています。日本ハム様側で用意いただいた素材も集約し、それぞれの投稿に適した形へ整えています。

日本ハム様とホットリンクの役割分担

日本ハム様
・商品や季節ごとの施策に関する情報共有
・使用する商品やレシピの検討
・調理、検食、レシピの調整
・投稿内容やブランド表現の確認

ホットリンク
・食のトレンドや生活者の調理ニーズの調査
・季節行事やスーパーなど、小売店への提案時期を踏まえた投稿企画
・投稿内容や見せ方の設計
・リール、フィード、ストーリーズの制作
・撮影ディレクションおよび一部動画素材の制作
・月次レポートと定例会を通じた投稿結果の分析・改善提案

新商品でも、食べ方や見せ方によってユーザーからの反応を生み出す

――これまでのお取り組みで、印象に残っている投稿はありますか。

貝瀬:新商品「サラダデッラモルタデッラ」という商品を使ったブーケサラダの投稿ですね。


貝瀬:新商品は、認知度の高い商品に比べて反応を得ることが難しい傾向があります。

 その中で、母の日のモーメントに合わせ、春巻きの皮をブーケのように見立てたレシピとして提案したところ、しっかりと反応がありました。新商品でも、食べ方や見せ方次第で生活者の関心を得られることを実感しました。

秋山:商品をそのまま紹介するのではなく、すでに生活者の関心がある「ブーケサラダ」というレシピの文脈と組み合わせたことが良かったのだと思います。「こう食べると楽しそう」「自分でも作ってみたい」と感じてもらえる形に変換できた事例ですね。

「作ってみたい」を6つの観点で分解し、レシピと投稿表現を改善

――投稿そのものに加えて、振り返りも重要だと思います。どのような点を分析していますか。

秋山:インプレッション数やエンゲージメント数、フォロワー数を定点観測するだけでなく、投稿ごとに「なぜ反応が良かったのか」「なぜ伸びなかったのか」を振り返っています。

 その際に大切にしているのが、生活者が「作ってみたい」と思う理由を分解して考えることです。現在は、レシピの選定・構築において、主に次の6項目を優先順位に沿って確認しています。

1. 調理器具、食材の組み合わせ、食材の使い方などに、意外性や発見性があるか

2. 意外性がない場合でも、見た瞬間に「間違いなくおいしそう」と感じられるシズル感があるか

3. レシピの特徴や意外性が、レシピ名や副題に表れているか

4. レシピ名から料理の内容を想像できるか。難しい場合は、動画の冒頭などで補足できているか

5. なじみのある食材を使っているか。投稿時期に価格が高騰していないか

6. 調理工程が少ない、または調理中に手をかけ続けなくてよいレシピになっているか

 例えば意外性には、「カルボナーラの生クリームを牛乳で代用する」「オムライスを卵焼き器で作る」「餃子を包まずに作る」など、複数のつくり方があります。

 必要な材料や工程を減らしたり、一般的な作り方とは異なる方法を取り入れたりすることで、「そんな作り方があるんだ」という発見を生み出せます。

 ただし、意外性だけがあっても、それがレシピ名や動画の冒頭で伝わらなければ、投稿を見てもらうきっかけにはなりません。海外の料理など、名前だけでは内容を想像しにくい場合には、料理の特徴を分かりやすい言葉に置き換えることも必要です。

秋山:また、流行している料理を取り上げれば、必ず反応が得られるわけではありません。「店ではなく、なぜ自宅で作りたくなるのか」まで設計することが重要です。

 意外性やシズル感によって作る意欲を高め、身近な食材や少ない調理工程によって、実際に作るまでのハードルを下げる。この両面から投稿を検証しています。

貝瀬:振り返りでは、なぜ生活者に響かなかったのか、レシピと投稿表現のどちらに改善点があったのかまで分析していただいています。

 その結果を次の企画やレシピに反映することで、私たちのレシピ開発と、ホットリンクさんの投稿表現の精度の両方が上がってきていると感じています。

年間インプレッション数が約1.8倍、リールのエンゲージメントもV字回復

――Instagramの運用を通じて、どのような成果や手応えを感じていますか。

貝瀬:リール動画を活用することで、静止画だけでは伝えきれない調理工程やシズル感、商品の魅力を直感的に伝えられるようになりました。生活者との接点は着実に深まっていると感じています。

秋山:数値面では、2024年度から2025年度にかけて、年間の累計インプレッション数が約1.8倍に増加しました。Instagram広告の配信効率も改善し、同じ予算あたりのフォロー獲得効率は約1.5倍になりました。

 また、リール1投稿あたりのエンゲージメント数の中央値は、2025年12月から2026年5月にかけてV字回復し、約5.3倍となりました。投稿ごとの反応を分析し、レシピや投稿表現の改善を重ねてきた成果が、数値にも表れていると考えています。

 直近では、認知度に伸びしろがある商品を扱った投稿でも成果が出始めています。特定の商品に依存せず、加工事業全体のさまざまな商品で生活者との接点をつくれる状態に近づいていることにも、大きな手応えを感じています。

 数字だけを追うのであれば、認知度の高い商品を多く取り上げる方法もあります。ただ、日本ハム様の加工事業には、ほかにも多くの商品や新商品があります。幅広い商品の魅力を伝えるためには、認知度の高い商品だけに頼らず、さまざまな商品を発信していく必要があります。

貝瀬:日本ハムには、シャウエッセン®や中華名菜®以外にも多くの商品があります。一方で、新商品や認知度が十分に高くない商品は、生活者に知っていただく機会が限られています。そうした商品を知っていただく場としても、Instagramを活用していきたいと考えています。

保存数歴代1位のレシピが、SNS以外のメディアでの紹介や売り場提案にも波及

――Instagram内の成果に加えて、メディアからの反響や、営業活動への波及はありましたか。

貝瀬:Instagramで発信したレシピが、「企業公式レシピ特集」で紹介されたことがありました。数ある企業の公式レシピの中から選んでいただけたことは、大きな成果だと感じています。

 紹介されたのは、ライスペーパーとシャウエッセンを組み合わせた「シャウエッセンのクロワッサン風」です。この実績を、営業担当者がスーパーなど小売店へ売り場を提案する際の話題としても活用できました。

秋山:このレシピは、これまでの全247投稿中で、歴代1位の保存数を記録しました。

 一過性のトレンドにとどまらず、アレンジ食材として関心を集めているライスペーパーと、認知度の高いシャウエッセンを掛け合わせたことが、多くの保存につながったと考えています。

 Instagram上で反響が得られたレシピがSNS以外のメディアで紹介され、さらに営業提案にも活用される。一つの企画が複数の接点へ広がっていった好例ととらえています。

――「シャウエッセンのクロワッサン風」以外にも、日本ハム様では、Instagramの投稿を営業資料や店頭施策でも活用されていると伺いました。そうなった背景を教えてください。

秋山:アカウントの立ち上げ期は、まずInstagram内で見てもらえる投稿を増やし、アカウントを成長させることに重点を置いていました。

 その後、アカウントの数値を伸ばすことに加えて、制作した企画やクリエイティブを、営業担当者によるスーパーなど小売店への売り場提案にも活用できないかという視点が生まれました。Instagramの企画と営業資料を連動させることで、毎年繰り返される季節行事の提案にも、その年の食トレンドや生活者の調理ニーズを反映できます。

 現在は、Instagramの企画を営業資料にも活用することを見据えて、投稿スケジュールを設計しています。営業担当者による得意先への提案は、実際の店頭展開よりも前に行われるためです。

貝瀬:スーパーなど小売店への商談は、実際に店頭で展開する時期の約3ヵ月前に行われることがあります。

 その際に、「今、このような食のトレンドがあります」「この季節行事に合わせて、このようなメニューを提案できます」と、根拠を持って説明できることが大切です。

 Instagramで発信するレシピは、生活者の関心や食のトレンドを踏まえて作っているため、得意先への提案材料としても活用できます。撮影した写真や動画は、営業資料だけでなく、店頭POPやサイネージにも使っています。

 Instagramで見て「食べたい」と思っていただき、店頭で見かけたときに手に取ってもらう。オンラインとオフラインをしっかりつなげるために、この流れをつくりたいと考えています。

Instagramを、営業活動や売り場づくりにも活かせるクリエイティブのハブへ

――今後、同アカウントで挑戦していきたいことを教えてください。

貝瀬:「ニッポンハム【公式】お役立ちレシピ」で重視しているのは、一時的な話題化ではなく、生活者に商品やブランドを自分事として捉えていただくことです。

 現在はレシピを中心に発信していますが、商品情報だけでなく、商品のこだわりや開発背景、新しい食べ方の提案も届けていきたいと考えています。

 なぜこの商品を作っているのか、どのような思いで届けているのか。そうしたストーリーを伝えることで、商品そのものだけでなく、日本ハムの加工事業やブランドへの共感、愛着にもつなげていきたいです。

――ホットリンクに期待していることはありますか。

貝瀬:今も本当に伴走してくださっていて、信頼しているパートナーです。

 今後も新しいチャレンジをしていきたいので、ホットリンクさんの視点や知見を借りながら、より魅力のあるアカウントへ成長させていきたいです。

秋山:ありがとうございます!

 Instagram運用による売上への貢献を、直接可視化することは簡単ではありません。だからこそ、Instagramで得られた生活者の反応や食のトレンドを、営業担当者がスーパーなど小売店へ売り場を提案する際の根拠として活かすことが重要だと考えています。

 今後もInstagram内で成果を出すだけでなく、そこで制作した企画や写真、動画を営業資料や店頭POP、サイネージへ展開し、日本ハム様の営業活動や売り場づくりに貢献できる運用をご支援したいです。

――貝瀬様、本日はありがとうございました!


日本ハム株式会社 加工事業本部 加工マーケティング推進室 リーダー
貝瀬 智美様
加工事業におけるブランドの中長期戦略策定や新規カテゴリー創出を担う加工マーケティング推進室に所属。ブランド戦略に基づくコミュニケーション設計から制作、効果検証までを担うチームの一員として、主に「ニッポンハムお役立ちレシピ」をはじめとするSNSアカウントの企画・運用を担当。生活者との継続的なコミュニケーションを通じて、ブランド価値の発信に取り組んでいる。

株式会社ホットリンク コンサルティング営業本部 事業推進補佐
秋山 幸世
飲食やスキンケア、アパレル企業などのソーシャルメディアマーケティング支援やSNSアカウント運用代行に従事。現在はInstagram事業の拡大を担当するほか、社内外のセミナーに登壇。

インタビュー・執筆・編集:倉内夏海
撮影:市村円香

日本ハム様の取り組みでは、食のトレンドや季節行事、生活者の調理ニーズを踏まえて企画を設計し、投稿後の反応を次の企画や投稿表現に反映してきました。その結果、新商品や認知度の高くない商品でも成果が生まれ、投稿素材は営業資料や店頭POP、サイネージにも活用されています。

ホットリンクでは、生活者インサイトやSNS上のトレンド分析を起点に、投稿企画、クリエイティブ制作、効果検証までを一体で支援しています。Instagramのアカウントを成長させるだけでなく、制作したコンテンツをスーパーなど小売店への売り場提案や、店頭POP・サイネージにも活用したい方は、ぜひお問い合わせください。

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