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フィジカルアベイラビリティとは?意味や店舗/EC別の具体施策を解説

更新日:2026年2月24日
公開日:2026年2月24日
SNSマーケティング

「買いたい」と思われても、売り場になかったり見つけられなかったりすれば、売上にはつながりません。
この記事では、購買機会を最大化する考え方であるフィジカルアベイラビリティを、3要素(プレゼンス・プロミネンス・レレバンス)に分けて、店舗とECそれぞれの改善ポイントまで解説します。

フィジカルアベイラビリティとは

フィジカルアベイラビリティ(物理的可用性)とは、消費者が「買いたい」と思った瞬間に、実際に購入できる状態を指します。単に商品やサービスが存在するだけではなく、必要なときに、必要な場所で、迷わず手に取れて、購入まで進める状態まで含めて捉える考え方です。

 

たとえば店舗であれば、そもそも取り扱いがあること(配荷)に加えて、欠品していないこと、売り場で見つけやすい棚位置にあることなどが重要になります。ECやオンライン販売であれば、検索やカテゴリ導線で商品にたどり着けること、在庫や配送条件が理由で買えない状態になっていないこと、商品ページが分かりやすく購入導線がスムーズであることなどが該当します。

 

フィジカルアベイラビリティが低いと、広告や口コミでブランドを知ってもらい、興味を持ってもらえても「売り場になかった」「見つけられなかった」「買うのが面倒だった」といった理由で機会損失が発生します。フィジカルアベイラビリティを高めることは、購入機会そのものを増やし、売上の底上げにつながります。

メンタルアベイラビリティとの関係性

フィジカルアベイラビリティが高いだけで売上が伸びるとは限りません。なぜなら、そもそも購買につながるシチュエーション(カテゴリーエントリーポイント/CEP)で思い出されなければ、消費者の脳内において選択肢に入らないためです。そこで重要になるのが、購買の瞬間にブランドが想起される状態を指す「メンタルアベイラビリティ」です。

 

メンタルアベイラビリティが高いほど、消費者はそのブランドを候補として想起し、店舗に行ったり検索したりして購入行動に移ります。フィジカルアベイラビリティが弱いと、せっかく候補に入っても購入に至らず、機会損失になります。

 

逆に、フィジカルアベイラビリティが強くてもメンタルアベイラビリティが弱い場合、売り場やECに商品があってもそもそも思い出されず、購入検討の土俵に乗りにくくなります。つまり、ブランドを成長させるためには、「メンタルアベイラビリティ」と「フィジカルアベイラビリティ」をセットで強化することが欠かせません。

 

なお、メンタルアベイラビリティの詳細については別記事で解説しています。

関連:メンタルアベイラビリティとは?意味や想起される資産の重要性を解説

フィジカルアベイラビリティを構成する3要素

フィジカルアベイラビリティはプレゼンス(Presence)・プロミネンス(Prominence)・レレバンス(Relevance)の3要素に分けて捉えることができます。切り分けて考えることで、どこがボトルネックかを特定しやすくなります。

プレゼンス(Presence)

プレゼンスは、消費者が買いたいと思ったときに、商品が購入可能な状態で存在しているかを指します。店舗であれば取扱店舗が十分にあること、欠品していないこと、適切な売り場に置かれていることが中心になります。ECであればそもそもECサイトがあることや、Googleにインデックスされていること、在庫があることなどが該当します。

 

プレゼンスが弱い状態では、どれだけ認知や需要があっても「店になかった」「在庫切れで買えなかった」で終わってしまい、売上機会を取りこぼします。まず最初に確認すべき土台の要素です。

プロミネンス(Prominence)

プロミネンスは、埋もれないように目立つことです。存在(Presence)があっても、消費者の目に入り、すぐに見つけられる状態になっていなければ消費者が発見することができないためです。店舗であれば棚位置やフェース数、エンドや平台、陳列のまとまり、POP、商品パッケージなど視認性が中心になります。ECであれば検索エンジンにおける検索結果の順位、ECプラットフォーム上の検索結果一覧でのサムネイルの見え方などが該当します。

 

プロミネンスが弱いと、「置いてあるのに気づかれない」「探しても見つからない」状態になります。プレゼンスが整っているのに売れない場合は、次にこの要素を疑うのが効果的です。

レレバンス(Relevance)

レレバンスとは、消費者にとっての「買い求めやすさ」を高める視点です。ここでいう買い求めやすさは、取扱チャネルの数を増やすことではなく、購入時の条件に幅を持たせて、どんなニーズでも選んで買える状態をつくることを指します。具体的には、カテゴリー内の製品ラインナップを充実させて用途や好みに合わせて選べるようにしたり、支払い方法や決済条件を増やして購入のハードルを下げたりすることで、顧客が自分の条件に合った形でスムーズに購入できる状態を実現します。

フィジカルベイラビリティが重要な理由

フィジカルアベイラビリティが重要な理由は、売上の上限が「需要の大きさ」だけでなく、実際に買える機会の総量によって決まるためです。どれだけ買いたい人がいても、取り扱いがない、欠品している、棚や検索結果で見つからない、購入導線が複雑で離脱する、といった状態では購入に至りません。つまり、フィジカルアベイラビリティが弱いほど、購買意欲がある人を機会損失として取りこぼしてしまいます。

 

逆に言えば、配荷・在庫・視認性・導線といった「買える状態」を整えるだけで、同じ需要でも購入に至る確率が上がり、売上が底上げされます。施策の成果を最大化するためには、まず“買える機会”が十分に確保されているかを押さえることが欠かせません。

フィジカルアベイラビリティを高める具体例

ここからは実際にフィジカルアベイラビリティを高めるための具体例をご紹介します。

店舗の場合

プレゼンスを高める例

  • 取扱店舗を増やす/優先店舗を決める
    • 全店舗を一気に狙うのではなく、まずは客数が多い店舗や、購入が起きやすい店舗タイプ(駅前・ロードサイドなど)から優先して配荷します。

  • 欠品を減らす
    • 欠品は「買いたいのに買えない」機会損失を生みます。売れ筋SKUの在庫基準を見直し、補充頻度・発注点・納品リードタイムを最適化します。

  • 売り場から外れないようにする
    • 棚替えや季節棚の入れ替えで陳列が消えることがあります。定番棚の確保や代替陳列の提案で、常に購入可能な状態を維持します。

プロミネンスを高める例

  • 棚位置・フェース数を改善する
    • 目線の高さや動線上の棚に置けるだけで、発見率が大きく変わります。フェース数を増やし、競合に埋もれない“面積”を確保します。

  • エンド・平台など目立つ場所を獲得する
    • 期間限定でもエンドや平台は強力です。キャンペーンや季節需要に合わせて露出を集中させ、短期間での売上を伸ばしやすくなります。

  • 陳列のまとまりを作る
    • 商品が棚に散らばっていると見つけにくくなります。シリーズをまとめて陳列し、ひと目で「ここにある」と分かる状態を作ります。

  • 商品パッケージで“瞬時に識別できる”状態をつくる
    • 店頭は視界に入る情報量が多いため、パッケージは「見つけやすさ」を左右します。ブランドカラーやロゴの配置、主要な訴求(用途・味・特徴)の視認性が高いほど、棚の中でも発見されやすくなります。小さな文字で情報を詰め込むより、遠目でも識別できる要素を優先するとプロミネンスが上がります。
  • POPで視線を止め、商品を発見させる
    • POPや棚札は、棚の中で商品を目立たせるための“目印”になります。特に、遠目でも読める短いコピーや、アイコン・色面などで視線を止められると、商品に気づいてもらえる確率が上がります。加えて「期間限定」「新商品」「人気」などのラベルは発見のきっかけになりやすく、プロミネンス強化に有効です。

レレバンスを高める例

  • 売り場の文脈を整える(どのカテゴリに置くか)
    • 同じ商品でも置かれるカテゴリで発見率と購買率が変わります。用途や購買動機に合う棚に置くことで「今の自分に必要」と判断されやすくなります。

  • POP・棚札で“用途”を一言で伝える
    • 店頭は数秒で判断されます。「何に使う商品か」「どんな人に向くか」「どんな時に便利か」を短い言葉で明確にすると、手に取られやすくなります。

  • SKU設計で“選びやすさ”を作る
    • 種類が多すぎると迷い、少なすぎるとニーズを取りこぼします。用途別・価格帯別に分かりやすいラインナップにし、店頭で選びやすい状態を作ります。

  • 価格表示・キャンペーン設計を分かりやすくする
    • 値札が分かりにくく、割引条件が複雑だと購入が止まります。価格や特典条件をシンプルにし、まとめ買いの導線なども合わせて整えます。

EC・オンライン販売の場合

プレゼンスを高める例

  • 在庫切れを減らし、欠品を可視化する
    • 在庫切れはそのまま機会損失につながります。需要予測と補充の設計に加え、欠品時は入荷予定や再入荷通知を用意し、離脱を最小限にします。

  • 購入可能な条件を広げる(配送・エリア・納期)
    • 「配送不可」「到着が遅い」だけで購入候補から外れることがあります。配送オプションや到着目安を明確にし、可能な範囲で選択肢を増やします。

プロミネンスを高める例

  • Google検索やSNS検索、ECモールにおいて上位表示を目指す
    • ECサイトがあってもGoogleやSNSなどで検索された際に、上位表示されなければ見つけてもらいづらくなります。SEOを行い、ECサイトの発見性を高めます。

  • 検索結果上の見え方を最適化する
    • オンラインで商品を探している消費者に自社ECサイトが表示されたとしても、競合の商品などに埋もれてしまう可能性があります。ページの見出しや説明文、アイキャッチ画像、ラベルなどを最適化して、目立つ状態を作りましょう。

レレバンスを高める例

  • SKU(ラインナップ)を拡充し、選べる条件を増やす
    • ECでは、ユーザーのニーズが「用途」「予算」「サイズ」「色」「容量」「配送スピード」など細かく分かれやすいです。そのため、SKUが少ないと「欲しい条件に合わない」と判断されて離脱しやすくなります。たとえば、容量違い・セット商品・ギフト用/自宅用・価格帯違いなどを用意し、幅広い条件で購入できる状態をつくることがレレバンス強化につながります。

  • 決済方法を増やし、購入条件の幅を広げる
    • いくら欲しいと思っても、支払い条件が合わないと購入は止まります。現金だけでなく、クレジットカード、交通系IC、QR決済など、利用者が多い決済手段に対応しているほど、顧客は自分の条件で購入しやすくなります。店舗側の制約もありますが、導入できる範囲で決済の選択肢を広げることは、レレバンスの強化につながります。

  • 不安を減らす(レビュー/Q&A/返品・保証)
    • レビュー、よくある質問、返品条件、保証、サポート導線を分かりやすく配置します。購入直前の不安を潰すほど、CVRが上がりやすくなります。

フィジカルアベイラビリティ構築におけるよくある失敗

フィジカルアベイラビリティ構築におけるよくある失敗を紹介します。

配荷率だけ追って「棚で埋もれる」

取扱店舗数(配荷率)を増やすこと自体は重要ですが、それだけでは売上につながらないケースが多いです。理由はシンプルで、商品が棚にあっても見つけられなければ存在しないのと同じだからです。

典型的には、棚の下段や端、競合商品に挟まれた場所に置かれてフェースが小さい、カテゴリの中で散らばっていてまとまりがない、といった状態です。この場合、プレゼンスは満たしていても、プロミネンス(発見性)が弱く、購買機会を取りこぼします。配荷率をKPIにする場合でも、同時に棚位置・フェース数・エンド獲得など「店頭での見つけやすさ」も合わせて管理する必要があります。

欠品が多く、露出増が逆効果になる

広告や販促、SNSで露出を増やして需要をつくっても、欠品が多いと売上にならないどころか、逆効果になり得ます。買いたいと思って来店・検索したのに「在庫がない」「入荷未定」「別店舗でもない」となると、機会損失が発生するだけでなく、次回以降の購買意欲が下がる可能性があります。

欠品はフィジカルアベイラビリティの中でも、最も直接的に“買える機会”を奪います。特に露出を増やす施策を行う前後は、売れ筋SKUの在庫基準、補充頻度、発注点、納品リードタイムなどを見直し、欠品率を抑えることが重要です。

ECサイトにたどり着けない/購入までの障壁が高い

ECでは「商品は掲載されているのに売れない」という場合、そもそも商品にたどり着けていない、または購入直前で離脱していることが多いです。具体的には、そもそもGoogleなどの検索エンジンで上位表示されていない、サイト内検索で適切な商品がヒットしない、フォームが長い、決済方法が少ない、配送条件が合わない、といったことが原因になります。

ECでは「見つかる」「理解できる」「迷わず買える」までを一連の導線として捉え、ボトルネックを順に潰すことが重要です。

フィジカルアベイラビリティの計測方法・KPI

フィジカルアベイラビリティは「買える状態」を指すため、計測では売上そのものだけでなく、買える機会をどれだけ確保できているかを分解して追うことが重要です。ここでは、プレゼンス・プロミネンス・レレバンスの3要素に沿って、店舗とECそれぞれで使いやすいKPIの例をご紹介します。

プレゼンスのKPI

  • 取扱店舗数/配荷率(数値配荷率)
    どれだけの店舗で取り扱いがあるかを把握します。

  • 加重配荷率
    「店舗数」だけでなく、売上規模の大きい店舗で扱えているかを見ます。

  • 欠品率(OOS率)/欠品日数
    欠品がどれくらい発生しているか、どれくらいの期間続いているかを追います。

  • ECの購入可能率(在庫・配送条件)
    在庫切れ、配送不可、納期が長すぎるなどで“実質買えない”状態がどの程度あるかを確認します。

プレゼンスは、まず最初に整えるべき土台なので、欠品率は最優先でモニタリングするのがおすすめです。

プロミネンスのKPI

  • 棚フェース比率/棚シェア(店頭)
    競合と比べてどれくらいの面積で露出できているかを追います。

  • 棚位置・特売エリア露出(エンド/平台獲得回数など)
    目立つ売り場に出せている頻度や期間を管理します。

  • ECの露出指標

主要キーワードでの掲載順位、検索エンジンやECモールのクリック数などを追います。

プロミネンスが弱いと「あるのに気づかれない」状態になるため、棚・一覧の露出量とクリック(遷移)をセットで見るのが有効です。

レレバンスのKPI

  • CVR(購入率)/カート投入率(EC)
    商品ページで納得できているか、購入意欲が行動に移っているかを見ます。

  • 決済手段別の購入構成比/決済エラー率
    決済がボトルネックになっていないかを確認します。

  • 返品率/問い合わせ率(内容別)
    「想定と違った」「分かりにくかった」など、判断材料の不足が表れることがあります。

  • SKU別の売れ筋偏り(ロングテールの伸び)
    SKUを増やしている場合は、特定SKUに偏りすぎていないか、ニーズの取りこぼしが減っているかを見ます。

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