企業のキャンペーンビジュアルの制作など、2022年からホットリンクと取り組みをしているイラストレーター・りおたさん。2024年2月には、ホットリンクが提供するインフルエンサーマーケティングサービス「HottoLink Creator Marke(ホックリ)」のパートナークリエイターに加入しました。
「描くことに集中できる環境が整っていることで、いい絵が描ける。それが一番大きいですね」
約1年にわたってパートナークリエイターとして企業との共創に関わる中で、制作への向き合い方や環境にも少しずつ変化を感じていると、りおたさんは言います。
本記事では、ホットリンクとの出会いから信頼関係の構築、プロジェクトを通じて生まれた変化、そして今後挑戦してみたいことを伺いました。クリエイターと企業が共創するメリットについても語っています。
(インタビュー・執筆・編集:髙橋真穂 撮影:市村円香)
ホックリはクリエイターと企業を連携してくれる心強い存在
ーーホックリへの加入以前から、ホットリンクとは企業とのコラボレーションなどの取り組みがありましたが、改めてホックリのパートナークリエイターになった経緯を教えてください。
りおた:ホットリンクさんとは、パートナークリエイターになる前からのお付き合いがあります。最初のきっかけは、2021年ごろ、当時ホットリンクに在籍されていた澤山モッツァレラさんに、企業との契約や条件面について相談したことがきっかけでした。
澤山さんとは昔から親しくさせていただいていたので、気軽に話せる関係性だったんです。そのやりとりの中で、「一度、上司にも話してみる」と言ってくださり、キャンペーンやプロモーションを目的としたコンテンツ企画・制作を担うCNS事業本部の執行役員・石渡さんをご紹介いただきました。
そこから親身に対応してくださり、数ヶ月後には、ホットリンクさんを通じてグーネットさんとのイラスト連載を担当させていただきました(過去の作品は、#りおた車イラストでチェックできます)。このプロジェクトでは、石渡さんをはじめホットリンクのメンバーが、お客様との間に入ってくださり、表現のすり合わせや進行の調整なども細かくやりとりしていただきました。
そのうちに、自分の他の制作活動についても「こういう内容で提案して大丈夫ですか」「こういうケースではどんな契約が一般的ですか」といった相談もするようになっていきました。一人では判断しづらい部分も多かったので、クリエイティブと契約の両面を理解してくれる方がいてくださるのは、本当に心強かったです。
その後、ホックリというサービスが立ち上がるタイミングで「提携パートナーとして一緒にやりませんか?」と声をかけていただいたんです。すでに関係性ができていたので、即答でした。「関係に名前がついただけ」という感覚でしたね。
ーー信頼関係が構築されていたからこそ、自然な流れでホックリに加入されたんですね。
りおた:僕はあまり人を信用するタイプではないんですけど、ホットリンクの方々には自然と信頼を寄せていました。実は、別の会社にマネジメントをお願いしていた時期もあったのですが、ホットリンクの皆さんは特に、対応が丁寧で、ちょっとした不安や疑問にも細かく応えてくれる安心感がありました。
また、一つのプロジェクトに対して、裏で動いてくれるチームの多さにも感心しました。たとえば、リーガル関連を担う部署の方が契約書をスピーディに修正してくれたり、データ分析を担う部署の方が類似プロジェクトで得られたクリエイティブの傾向をまとめたシートを共有してくれたりしました。
こうした分野ごとの専門性を持つメンバーがチームで動く体制が整っているからこそ、質の高いクリエイティブ制作と丁寧なやり取りが実現できているのだと思います。

「描く」に集中できるから、お客様が喜ぶ「いい絵」につながる
ーーパートナークリエイターになってから、約1年が経ちましたが、特に印象に残っているプロジェクトやエピソードを教えてください。
りおた:Jリーグ開幕時のビジュアル制作が印象的でした。2024年2月のJリーグ開幕に合わせて、J1からJ3まで、60クラブ分のビジュアルを担当させてもらいました。クラブごとに盛り込む要素も多く、それぞれのストーリーや背景を整理したり、配置バランスにも気を配ったりと、描く工程以外に考えることも多かったです。
そのため、ホットリンクの担当メンバーと一緒に「背景に入れる要素が抜けていないか」「描くネタが偏っていないか」などを何度もチェックしました。お客様とのやり取りも、ホットリンクの方々が間に入ってくださったので、僕は安心して制作に集中できました。
制作中って、自分では気づかないようなイージーミスもしますし、確認などのやり取りに神経を使うと、肝心の表現に向ける集中力が削がれてしまうこともあるんです。
それでも描くことに集中できたのは、細かな調整や確認を担ってくれる体制があったからこそだと思いますね。その結果、お客様にも喜んでいただける「いい絵」につながっていると思います。
また、チェックだけでなくミスが起きた際には、ミスの原因と対策をまとめて振り返ってくれるんです。そうすることで、次回から同じミスを回避できるので、僕の修正作業はもちろん、企業の方にとっても手間の軽減につながるんじゃないかと思います。こういう細やかなフォローアップがホットリンクさんの丁寧さを感じますね。
ーーありがとうございます。そういった環境の中で、ご自身の意識などにも変化はありましたか?
りおた:実は、ホックリでのお仕事をきっかけに、今年の1月に山口から東京に拠点を移しました。石渡さんからも「東京でも活動の幅が広がると思うよ」と背中を押してもらって。家族とも相談して、1年かけて決断しました。
東京に移ったことで一番の変化は、人に会う機会が増えたことです。2〜3日に1回は誰かと会っていて、イラストやクリエイティブに関わる方とお話しする中で、刺激をもらうことが多いですね。
もちろん、すぐに仕事に直結するわけではないですが、「あの人にイラストをお願いできるかも」と思ってもらえる場面が増えたのは実感しています。そういう出会いや刺激の積み重ねが、自分の描くテーマや表現の幅にも影響してきていると思います。
人と会う時間が増えた反面、制作時間とのバランスを取るのはまだ模索中ですが、刺激を受けたことで、「描きたい」と思える瞬間も増えてきました。

石垣島へ旅行した際に見つけた
変わった顔のシーサーのイラスト
お客様とのやり取りを通じて、ターゲット層に刺さる絵づくりを意識する
ーーこれまでのクリエイティブに関して、企業とのコラボレーションと、個人で制作する場合で、意識していることに違いはありますか?
りおた:個人の制作では、自分が心を動かされたタイミングや題材を、スピード感を持って描くことが多いですね。SNSにアップするとユーザーの反応が見える分、エンゲージメントを意識して描くこともありますが、時には自分が本当に描きたいものを描くようにしています。
一方で企業とのプロジェクトでは、まず30分〜1時間ほどかけてヒアリングを行い、しっかりとお話を伺います。次の打ち合わせでは、事前に用意したラフ案をその場で複数提示し、「どれがイメージに近いですか?」と会話の中ですり合わせています。迷いがあるときは、多めに5〜6案ほど用意して、方向性を比較してもらえるようにしています。色づかいも、その企業に合うようなパターンを意識的に作っています。
ヒアリングでは、シンプルなことですが、「どういう客層に届けたいか」「どのようなことを伝えたいのか」を、必ず聞くようにしています。たとえば、スポーツのイラスト制作の際は、すでに熱心なサポーター向けなのか、新しい層を呼び込みたいのかで、描く絵の方向性を変えていました。僕自身、コアなファンというよりは、“これから関心を持ちはじめる層”に近い立場だったので、どういう要素が描かれていると興味を持つかを考えながら試行錯誤してきました。
お客様とのやり取りを通じて、ターゲット層に刺さる絵づくりを意識するようになったと思います。

福岡ソフトバンクホークス「鷹祭 SUMMER BOOST」とのコラボレーション(左)
プロサッカークラブ「サンフレッチェ広島」のグッズイラストを担当した際のタオル(右)
ーーホックリのような、企業とクリエイターによる共創型の取り組みについて、クリエイター目線で感じているメリットを教えてください。
りおた:企業とクリエイターが直接やり取りすると、スタンスや感覚のズレがあって、すれ違うこともあると思うんです。でもホックリは、両者の間に立って調整してくれる。まさにサッカーでいう“ミッドフィルダー”のような存在ですね。
制作側としても、伝えにくいことを間に入って伝達してもらえるので、絵の表現に集中できるのがありがたいです。企業側にとっても、ホットリンクさんがクリエイターの意図を丁寧に噛み砕いて伝えることで、表現の狙いや背景が伝わりやすくなり、それを踏まえた要望も出しやすくなります。だからこそ、三者にとって無理がなく、やり取りもしやすい関係で進められるのは大きなメリットだと思います。
さらに、納品したら終わりではなく、その後の発信まで一緒に設計してくれるのも印象的でした。たとえば、プレスリリースの配信やインタビュー記事の作成、YouTubeでの発信など、さまざまな露出の形をホットリンクさんから積極的に提案・実行してもらえるんです。
一つの取り組みを異なる角度から何度も発信できることで、話題性を高めてくれるのは、ホックリならではの強みだと思います。ユーザーに届けるという視点でも、こうした仕掛けができるのは企業・クリエイター双方にとって心強いなと感じます。
ーーそのほかのサポート面で、印象に残っていることがあれば教えてください。
りおた:権利や契約まわりのサポートも助かっています。中でも、石渡さんは弁理士の資格も持っていて、使用範囲や期間、二次利用料など、契約内容を事前にしっかりチェックしてくれます。僕ひとりだったら見落としてしまうような点を、きちんと整理してくれるので安心です。企業の方にとっても、細かい確認や交渉の工数が減って、やりとりがスムーズになると思います。
さらに、ご依頼の背景や条件に不安があるときには「慎重に考えた方がいいかも」とアドバイスをしてくれます。忙しいときはスケジュールを調整してくれたり、「今は無理に受けない方がいいかも」と冷静に判断してくれることもあります。状況に応じて柔軟に伴走してもらえるのは、フリーランスにとって本当に心強いです。
ーーそのように言っていただけて、何よりです。では最後に、今後チャレンジしてみたい表現やジャンルについて教えてください。
りおた:現在のタッチには手応えがありますが、同じスタイルを続けていると「またこの人の絵か」と目を留めてもらえなくなる危機感もあります。だからこそ、企業や業種に合わせてレイアウトや色使いを微調整し、常に見せ方をアップデートすることを意識しています。たとえば、いろんな要素を敷き詰めたビジュアルは王道で熱量が伝わりやすい一方、余白を活かしたシンプルな構成でも魅力を届けられる表現を模索したいですね。
また、これまではスポーツ関連のビジュアルを担当させていただく機会が多かったのですが、今後はさらにフィールドを広げたいと考えています。風景を描くことが好きなので、地域貢献や観光プロモーションにも携わりたいです。例えば、ご当地ポスターやマップを制作して旅や土地の高揚感を自分の線で描いてみたいですね。
航空会社や鉄道会社などの広告にも憧れがあります。公共交通は、特に高いクオリティが求められる舞台なので、スキルをさらに磨きつつ、自分のイラストがどこまで通用するか挑戦したいと思っています。
あとは、僕自身が個性的なデザインの服を集めているので、アパレルにも挑戦してみたいですね。これまでグッズ化の経験はありますが、「服として映えるパターン」を前提にデザインを起こしてみたいです。
こうした新しい挑戦を実現するためにも、ホックリのサポートを受けながら、表現の幅を広げていきたいです。
――りおたさん、ありがとうございました!

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