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「ホットリンク社員よ、チェンジメーカーであれ」内山幸樹(グループCEO)×いいたかゆうた(CMO)

2021年06月14日
HOTTO VISION

ホットリンク代表取締役グループCEO・内山幸樹が、社員に向けたメッセージを発信する新連載「HOTTO VISION」。第一回となる今回は、CMO・いいたかゆうたとの対談形式でお送りします。

現在はアメリカを拠点とし、子会社Effyis,Inc.(エフィウス社)の経営にも携わる内山。昨今は新入社員が増え、直接顔を合わせたことのない社員も多くなりました。この「HOTTO VISION」は、内山が改めて社員に思いを伝えるだけでなく、対外的にも考え方を広めていく場として用意されました。

今回の主なテーマは、「CMO・いいたかも知らないホットリンクの歴史」です。(取材:澤山モッツァレラ)

※編集部注:被写体には、写真撮影時のみマスクを外してもらっています。インタビューはマスク着用のほか、感染症対策を施してから行なっています。

世界中の人々が“HOTTO(ほっと)”できる社会を

―まずは、ホットリンクをどういう経緯で作ったのか教えてください。

いいたか:
創業メンバーでないこともあり、正直、僕もちゃんとわかっていないかもしれません(笑)。

内山:
そうなの!?(笑)。じゃあ、説明するね。

1990年代後半、僕が大学時代に作った最初の会社は検索エンジンの事業をしていました。当時は同時並行で研究開発もしていて、「どうやったらすごい検索エンジンを作れるだろう」と考えていたときに、人工知能(AI)の限界に行き着いたんだよね。

「このホームページは初心者にも分かりやすい」「この動画は人を感動させる」という判断は、AIだけでは難しい。ならば人間の頭の中にある情報を学習させて、それを元に「〇〇さんにはこのサイトがおすすめだよ」と情報提供できるようにすればいい。

そうして、AIと人間が知識を循環させるインフラができて、はじめて「世界中の人々がほっとできる情報社会」が形成されるという構想に思い至った。これは人生をかけて取り組む価値のあるものだと考えて、2000年にホットリンクを創設しました。

いいたか:
最初に内山さんが描いていた社会構想に、この20年でどれくらい近づいていると思いますか?

内山:
相当近いところまで来ていると思っています。一方で、現時点ではまだまだ足りないと思っていることもあるんだよね。

例えば、人間の頭の中にある全ての情報を吐き出すには、テキストに起こさないといけないでしょう? でも、テキストを書くって面倒じゃないですか。「写真でいいや」「動画でいいや」と思うし、そもそもアップロードするのも面倒くさい。

「行動履歴から情報を学習すればいい」とGoogleやFacebookがインフラを構築しているわけだけれど、まだ足りない気がします。

SNSによって、人類はひとつの生命体となる。

いいたか:
どういう要素が足りないんですか?

内山:
僕は、「SNSによって人類はひとつの生命体となる」という世界観を持っています。個々の人間は、人類という大きな生命体のいち要素であり、個々の人間がSNSでつながることで、人間よりもひとつ上の次元の「人類」という生命体に進化する。今は、その過程という感じかな。

現在、世界中の人々が「〇〇を食べたい」「〇〇がほしい」という感情を、Twitterやネット上を通じて発信している。人々の頭の中がネットの中に射影され、それらの情報からリアルの世界を俯瞰できるようになりました。

僕たちは、SNS分析ツール「BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長」などを通じて、ある意味、宇宙にある人工衛星から地球にいる人々の頭の中を観測・分析できるような技術を手にしたと言えるわけです。

地球上の人々がSNS上で情報を伝播させる状況を人工衛星からの視点で眺めてみると、情報の行き来は、さながらシナプスを通じて脳細胞に電気信号が送られ、特定の部位が発火(興奮)する現象と似ています。

例えば、Facebook上でAさんが発言したとする。するとBさんは、「Aさんが〇〇と言っています」と情報を受け取り、それをシェアする。Cさんがそのシェアを見てコメントして……。

と、ひとつひとつの脳細胞が発火して、次の脳細胞へと伝達されていくわけです。

しかし、結局のところSNS上で特定の社会問題は解決しない。「私たちはこうします」という結論が出せないわけですから。人類全体をひとつの脳に例えると、脳の司令塔ともいえる前頭葉が、まだ形成されていないんです

「理性的には〇〇という意見があり、感情的には〇〇という意見がある。じゃあ、僕たちはこうしていこう」と。今は、まだその過程なんだと思っています。

ホットリンクが今やっているのは、SNS上にある「いい声」を、隣の脳細胞=ユーザーにうまく伝達させることかなって。それによって徐々に大きな波をつくり、いい商品が広まるような環境づくりをしているんですよね。

いいたか:
なるほど。人はA・Bという情報を見た場合、基本的には自分の好む情報しか受け取りません。それだと、世界全体ではなく一部の要素しか認めない脳が形成されてしまいます。

もしもそうした情報を統合して、意思決定をするようになったら、ものごとはもっと分かりやすくなる気がしますね。

内山:
現在、Facebookのフィードには僕たちの趣味嗜好に合わせて、いいね!と思える情報だけがトップに出るじゃないですか。こうした情報の偏りは、決して悪いことではありません。それによって、趣味嗜好の共振や増幅が起きて、ある趣味嗜好に特化した世論のようなものができていく。

これは、あくまで、人類という生命体の脳のシナプスの進化の過程であり、僕たちはその先にいかなきゃいけないんですよ

―人類がひとつの生命体となるという未来予想図に対して、ホットリンクグループは現在何を行なっているのでしょうか?

内山:
世の中にはたくさんの小さな波(クチコミ)があって、それが世の中全体にうまく広がらず、意思が生まれない。ここをどう大きな波(ブーム)にできるかというチャレンジを手動でハックしています

これは決して、「ダメな商品をクチコミで広げること」ではありません。価値のあるいい商品が、ちゃんとブームとなる仕組みを作るんです

そのノウハウをどんどん蓄積して、「こうすれば世の中が動く」という再現可能なメソッドにまとめて、サービスとして世の中に打ち出す。それができたとき、はじめて僕らは世の中に貢献できたと言えるんじゃないかなと思っています。

20世紀の情報革命に見た夢と決意

―内山さんって、子ども時代はどんな子だったんですか?

内山:
いいたかくんはどう? どんな子どもだったの?

いいたか:
え? いや、普通の元気な子どもでしたよ(笑)。勉強は特にしていなくて、サッカーのことしか考えていなかった。強いて言えば、食生活とか運動くらいは考えていたかな。

内山:
そっかそっか。僕は高校時代に進路を決められないくらい、夢のない子だったんだよね。少年がなりたいと思う職業に、いっさい魅力を感じなかった。

プロ野球選手は30歳くらいで引退だし、消防士は「なぜ火の中に入って、命をかけないといけないんだ」って思ったし。弁護士だって、なぜ悪人を弁護しなきゃいけないんだって。

歴史の本で坂本竜馬、徳川家康などの偉人に触れるたび、「なんで俺は平和な時代に生まれたんだ! つまんねえ」って思っていた(笑)。

一同:(笑)

内山:
そんな僕にとって、ネットをはじめとする1990年代後半からの情報革命との出会いは、数百年後の社会科の教科書に載るほどの一大事だと思った

僕たちは、ITの最先端を走れる年代なわけでしょう? しかもこの舞台に、坂本龍馬は存在しない。だったら、僕たちが人類の進化に貢献しなきゃ。そういう夢を思い描くようになって、それが「人類の進化に貢献する」という言葉につながっています。

「視点を変えるって大事だよ」と伝えたい。

内山:
僕はアメリカに渡って、つくづく「地球という広い視点でものごとをみるのは重要だ」と感じたんですよね。アメリカに行ったことで、ホットリンクのメイン事業のかじを、SNSマーケティングにきる決断ができたから

コロナ禍でも思ったけれど、ホットリンクの皆には「視点を変えるって大事だよ」って伝えたい。今はリモートで仕事ができるから、もっと世界に飛び散ってほしいんだよね。世界中から、みんなでホットリンクの事業に取り組んだとき、今とはまったく違う視点で世界に広がるサービスになれるんじゃないかなって思う。

いいたか:
環境を変えてみるって、すごく大事ですよね。ホットリンクの日常会話だけだと、「今ならこの業界はうちでできるよね」みたいに、「ここ」の小さな視点の会話になってしまう。

他の会社は、どうやって成長できたんだろう? という視点が持てれば、違う解法が生まれる。海外に行くとか、物理的に全然見方を変えてみるという方法も、思考をいい方向に働かせてくれる気がします。

内山:
アメリカに行って本当よかったよ。

いいたか:
僕は経営者の方と定期的に飲むんですけど、そのとき必ず、お互いひとりずつ友人を連れてくるようにしているんですよね。ふたりだけで話しても、いつもどおりの会話の延長になってしまい、ただ「話せてよかったね」で終わるので。

内山:
素晴らしいね、それ。

僕も日本にいたとき、1カ月で会う人の約9割は「会ったことのある人」だった。アメリカだと、会う人の9割が新しい人。かつ、世界を舞台に戦っている人ばかりだから、どの情報も新しくて、ビビッドなものばかりなんだよね。頭がすごく活性化されるのを感じる。

「Koki 、ちょっと今晩飲もうよ」って誘われたとき、彼らの友人もたくさんいてさ。そこにいたひとりに、「君は今なにをやっているの?」と聞いたら、「俺、Instagramの初期からのメインデザイナーなんだよね」なんて言われたり。そんな人が、ゴロゴロいるんだよね

こういう出会いがすごく楽しい。これをホットリンク社員みんなでやり始めたら、すごいことになると思うよ。

ソースネクスト株式会社の松田憲幸さんって知ってる? 日本の上場企業の社長で、唯一シリコンバレーに在住していることでメディアにも紹介されてる人なんだけど。彼や楽天グループ創業者の三木谷浩史さんなんかは、いろいろなシリコンバレーの有名人と関係を築いているんだよね。

なぜそんな人脈を築けたのかって質問したら、いろいろな人を自宅の豪邸に招いてパーティを開いているんだって。皆、週末に子どもを連れて行く場所に困っているから、うちにおいでよって。すると、彼らは子どもたちを遊ばせつつ、親同士でお酒を交わして仕事の話ができるわけ。

しかも「今日XXX(有名な人)が来るんだけど、君も来る?」って言えば、たくさん人が集まるじゃない。そうやって人脈を増やすんだと言われて、なるほどと思った。僕もアメリカに帰ったら、人を招いてパーティーを開こうって。住まいがアパートだから、豪勢なものはできないけど(笑)。

ホットリンク社員よ、チェンジメーカーたれ

―最後に、今いるホットリンクのメンバーに向けてメッセージをいただければと思います。

内山:
真面目かつストレートに答えるならば、「チェンジメーカーになってね」ってことかな。皆、何かするにはリーダーにならなきゃいけないって思いがちじゃないですか。

でも、チェンジメーカーになるって、リーダーになることではないんです。部下であったとしても、組織は変えられる。自分を変える、チームを変える、組織を変える、社会を変える。まずは小さなところからでいいから、自分の立場でできるスケールのなかで、主体性を持ってゲームチェンジを起こしてほしい。それが結果として、大きな変化を起こすことにつながるから。

なんなら会社を変えるとかでもいいよ。……こんなこと言っちゃって大丈夫かな?(笑)

―内山さんいいたかさん、ありがとうございました。次回の主なテーマは「いいたかくん、どうやってこんないい雰囲気のチームを作ったの?」です。

 

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