ホットリンクグループである、株式会社トレンドExpress(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 桧野安弘、以下 トレンドExpress)が提供しているレポートサービス「図解中国トレンドExpress」は、訪日中国人のクチコミを分析し、今年の「春節(中国のお正月)」での、訪日中国人の消費動向を発表します。
2016年春節期間に中国人が日本で購入したものトップ3は、「医薬品」「化粧品」「生活用品」でした。2016年の日本で「○○を買った」と確認できたクチコミ件数は、56,338件となり、2015年の春節時のクチコミ件数の約4倍(14,736件)でした。
引き続き、「日本旅行」に対する注目が増していることがうかがえます。
昨年の春節と比較すると、2015年にフィーバーとなった「温水洗浄便座」は大きく順位を落とし、かわって生活用品が第3位に入りました。また、昨年の「医薬品」に爆買いが集中し圧倒的な1位という状況から、1位から3位までの件数はそれほど大きな差がなく、さらに生活用品の件数が大きく伸びているところからも、購入しているモノや嗜好が多様化していることが分かります。
昨年の春節を象徴するのが、「服飾」、「靴下・下着」のランキング上昇です。これらの商品は試着したり、いろいろな商品を見比べたり、自分の好みのものを探したりと購入にいたるまでに時間がかかる場合が多く、従来の団体旅行客ではなかなか購入が難しいものでした。このようなカテゴリーの商品が上位に上がってきていることからも、中国人の日本旅行が個人旅行へとシフトしていることがうかがえます。また、トレンドExpress の調査で、2015年12月時点で個人旅行の占める割合が29%を占めるまでに至っていましたが、今年の春節時期では4割※とさらに拡大したことが分かりました。個人旅行は、団体旅行に比べ自由な時間が増え、選択肢が増えることが人気の要因です。自由な時間が増えることで、店頭でじっくりと商品を選んで購入することができるようになるため、今まで1つのブランドに集中していた“爆買い商品”も同カテゴリーの中で様々な商品に分散される傾向が見え始めています。
さらに、トップ5にあがったジャンルを、エリア別で分析してみると、全体的に「上海」、「広東」地区が多くなっており、一級都市、沿海エリアが集中しているのが分かります。
化粧品以外のジャンルでは「上海」がトップであったのに関わらず、化粧品だけは「広東」エリアが最も多いこのことから、「健康志向の上海、美容志向の広東」とも言えるでしょう。
「体験型観光」と「買い物」を1度の訪日で、かつあまり交通費をかけずに実現できることが重要に
2016年の春節は、今後の訪日中国人の動向を占う上で非常に大切なタイミングでした。クチコミ総件数の増加や、特に生活用品の件数が増加しているというところからみても、訪日中国人の買い物の意欲は依然として旺盛であり、かつ多様化、分散化が進んでいると言えます。また、中国人のパスポート保有率は10%に満たないと言われており、訪日中国人は「上海」や「広東」といった一級都市や沿岸エリアに限定されています。中国の海外旅行市場はまだ成長初期段階で、“爆買い”を含めインバウンド需要はまだまだ続くと予想されます。
一方で、中国の人たちの日本旅行のスタイルが変わりつつあることは明らかであり、企業もその変化に対応して対策や対応を変えていくことが重要です。今後は旅行全体における消費額増加に向けて、「魅力的な体験型観光」と「定番商品などの買い物」を1度の訪日で、かつあまり交通費をかけずに実現できることが重要になってくると思われます。つまり「モノからコトへ」ではなく、「モノもコトも」を地域単位などで対応していくことで、「何度来ても楽しい日本」が実現していくのではないでしょうか。
株式会社トレンドExpress 編集長 四家 章裕
ホットリンクは、今後もビジネスにおけるソーシャル・ビッグデータの活用を推進し、インバウンド消費関連の情報についても積極的に展開して参ります。
詳細については、「図解中国トレンドExpress」にてご確認いただけます。
今なら無料サンプルレポートを差し上げています!お申し込みは今すぐ!