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R&D部長が紹介するキャリア形成支援のための書籍・リソース15選

R&D部の榊です。

当社の開発本部では、キャリア形成支援という取組を行っています。 主に若手エンジニア向けに、当人のキャリアアップを支援するためにメンターを設定し、様々な技術の習得やOJT(On the Job Training)を支援する取り組みです。

 この取り組みは、2年前にスタートしました。いまのところ、R&D部のメンバーがメンターとなり、若手エンジニア向けにAI技術の習得を支援することが多いです。またその際には、外部の書籍やリソースを積極的に活用しています。 そこで本ブログでは、キャリア形成支援でお勧めしている書籍の一部を紹介したいと思います。

概要

対象領域は、統計学・データ解析、機械学習、自然言語処理、深層学習としています。ただし深層学習については、情報が陳腐化するスピードが非常に早いため、今回は省略しました。なお「着実にキャリアアップする」ことを想定しているため、全体的に専門書が多めになっています。 

学習にあたっては、良書であることもさることながら、各自に適したものを取捨選択することも重要だと考えます。 各自が持つ選好、業務との関連性、および現在の知識水準に照らして、取捨選択することを推奨しています。

取捨選択の目安として、書籍ごとに、導入・基礎・実践の3分類を設けています。分類の定義は下記の通りです。

  • 導入:当該分野について基礎知識を持たない人を対象として、分野の概観を知るのに適した内容。数式は少なめなものを選んでいます。
  • 基礎:当該分野について分野の概観を知っている人を対象として、理論的な基礎知識を学ぶために適した内容。基礎的な数学的な知識を必要とするものが多いです。
  • 実践:当該分野について分野の概観を知っている人を対象として、実際にその技術を使うためのトレーニングをするのに適した内容。ものによっては、数学的な知識が無くても実行可能なものもあります。

統計学・データ解析

同名の書籍はいくつかありますが、オーム社の本です。ゆるふわな表紙ですが、内容はしっかりしています。発行は2004年と結構古く、こういった本をマンガで出版した先駆け的な存在です。

 

言わずとしれた東大出版会が出版している統計学の入門書です。東京大学1~2年生の講義で使われることを想定した本ですが、統計学の基礎に関する内容が網羅的によくまとまっています。 

 

データ解析の本質は、分析対象のデータを生み出す現象を、確率・統計の道具を用いてモデリングする(=統計モデルを立てる)ことだといえます。したがって複雑な現象を対象とする場合は、それに適したモデルを組み立てて、解くことが求められます。本書は、モデリングに用いる概念・道具・組み合わせ方・解き方を包括的に説明しています。 

 

統計モデリングの方法論のうち、解釈のしやすさ、柔軟さ、実践の容易さを考慮すると、現時点で最も魅力的な方法は、ベイズ統計とハミルトニアンモンテカルロ法の組み合わせだといえます。本書2冊は、さまざまな実例および、確率的プログラミング言語のStanを用いて、モデルの立て方・解き方を実践的に解説したものです。概念や道具についても目配りがされており、1冊で十分に学習することができます。

機械学習

機械学習を仕事で実践する人のために書かれた書籍として、非常に優れた一冊です。また、数式は少なく、機械学習の導入本としてもお薦めです。機械学習をはじめとするAI技術を導入したいと考えているマネージメント層や経営層の方が読むのにも適しています。

 

機械学習界隈では知らない人がいないという青本シリーズの、最初期に刊行された書籍です。機械学習というと数式(数学)で挫折する人も多いと思いますが、それらを理解するために必要な数学的知識を簡潔にまとめてあります。機械学習を学ぶ上で数式で躓いたらこちらを読むと良いと思います。

 

同じく、機械学習界隈では知らない人がいない「パターン認識と機械学習(通称PRML)」の、副読本として書かれた書籍です。本書は、もともと自費出版(同人誌)として出版されましたが、一部界隈で話題となり、出版される運びとなりました。機械学習の専門書を読む際に、脇に置いておくと良い本だと思います。一時期、東大生協で山積みになっていたのを見掛けたことがあります。

 

機械学習の理論と実践をバランス良く学べる良書です。原著は英語ですが、訳もわかりやすく、また原著のサイトでサンプルコードがダウンロードできるのも良い点です。

自然言語処理

コンピュータによる言語理解を支える技術はオートマトン・チューリングマシン・数理論理学・自然言語処理・意味論 の5つに分類されますが、これらを一通り学ぶのは、コンピュータ科学専攻の人でも困難です。この2つの書籍は、これらの内容を物語としてわかりやすく解説してくれています。物語としての面白さ、内容としての正確性、いずれもたいへん素晴らしいです。

 

岩波データサイエンスシリーズは、データを扱うさまざまな分野について、分野外の人でもとっつきやすい形でわかりやすくまとめようとした意欲的なシリーズです。その2巻の本書ですが、自然言語処理の直近のトレンドについてわかりやすくまとめられています。

 

自然言語処理という分野の全体像について、概観できるような内容となっています。数式がそれほど多くないので、自然言語処理の全体像を知るにはよい書籍かと思います。

 

コロナ社の「自然言語処理シリーズ」の第一巻です。自然言語処理で用いられる機械学習の手法について、数式を使いつつ、コンパクトにまとめられています。自然言語処理と機械学習の両方が学べるお得な本かもしれません。なお、本シリーズは良書が多いのでお薦めです。

 

東北大学乾・鈴木研究室(公開時は乾・岡﨑研究室)により整理された自然言語処理の基礎を学ぶための実習教材です。自然言語処理のみならず、プログラミング・機械学習・システムエンジニアリング周りの知識がバランスよく学べる内容となっています。弊社でも、よく自然言語処理の導入研修として活用しています。

おわりに

今回は、弊社の社内でお薦めしている書籍を紹介しました。 読者の方々におけるキャリアアップの一助になれば幸いです。

当社R&D部では、自社のための研究開発を行うだけではなく、学術イベントのスポンサー・大学との共同研究の遂行・研究成果の対外発表/論文誌への投稿など、学術コミュニティへの貢献を積極的に行っています。

■当社R&D部のアカデミックとの協力体制について
http://www.hottolink.co.jp/company/lab/