HottoLaboとは
Hottolink と情報系研究者との共同研究会です。
新しい情報研究・研究者のあり方を模索しながら、技術に立脚し日本発で世界に通じるようなサービスを立ち上げることを目標にしています。
HottoLabo 設立趣旨
現在、多くの大学や研究機関で、人やコミュニティに近い情報系の研究(検索・要約・推薦などの文書処理、ユーザモデリングやパーソナライゼーション、テキストマイニングやコミュニティ分析など)の情報系の研究が行われています。
この分野は、国内で活発に研究が行われており、また国際的にも研究成果を出しています。
しかし、研究成果はなかなかビジネスとして立ち上がっていきません。
これはなぜでしょうか?
大学や研究機関など、アカデミックにおける研究の問題点
- 研究目的の固定化
- 研究の目的が、研究コミュニティに閉じたものになっている。
- 研究コミュニティで共通のものとして認められた問題に対しての解法を研究することが多く、その目的が実社会での現在のニーズにあっていないことが多い。
- 研究者が実社会でのニーズを知る機会が少ないのが原因のひとつである。
- 成果の還元の意識や機会の不足
- 研究成果が、社会に還元されていない。例えば、新しくシステムを構築し、身近にいる学生だけを被験者としてよい結果を出し、論文を書いて終わりという研究が多い。本当によいシステムや手法であれば、もっと実社会に利用される、ビジネスに利用されていいはずですが、そうならないものの方が圧倒的に多いのが現状である。
ビジネスサイドにおける問題点
- 個別の開発の必要
- 人やコミュニティに関するニーズはたくさんあるのだが、実際に顧客から来る要求は個別的であり、技術をその顧客に合わせた形にうまく再構築しなければいけない。
この開発が実際には非常に大変な作業になる。 - 研究への投資の限界
- 個別の状況に対応する開発コストのために、研究に対して十分なコストを割けない状況にある。短期的な視点で運営せざるを得なくなるので、ニーズに対して本質的な解決を見出す余裕がなくなってくる。
- 時間の感覚の違い
- ビジネスと研究では、時間の感覚がだいぶ違う。(研究では、1年から2年が一区切りでその中で一定の成果を出すといった意識だが、ビジネスでは3ヶ月単位、長くても半年単位で開発は進んでいく。)
- コミットメントに対する意識の違い
- 研究者は基本的に、自分の研究成果を了承を得た上で使用してもらう事に対しては好意的だが、研究の自由は守りたいので、将来的に何ができるのか、いつできるのかといったことには、できるだけ確約したくない、という気持ちがある。
- ビジネスでは、契約をきちんとする、開示できないところは開示しないというのが当たり前であり、期間を定めて、その中で出すべきものを最初に定める。
このような問題に対処しながらよい連携を実現するには、研究者は何が長期的に求められるのか、1年後必要になる本質的な知見や技術を的確に予測しながら、先回りした研究を、信念をもってやっていく必要があります。
企業側も、短期的な解決策は期待せずに、長期的に(1年くらいで)コンピタンスとなる技術を待つ、という姿勢が必要だと思います。また、研究者は自分が大事だと思ったことを研究したいわけですから、企業側は自分たちのニーズを具体的な形でこまめに伝えた上で、データを提供したりシステムを試用してフィードバックを返すなど、研究をしやすい環境を提供する。あとは結果を待つ、ということが重要だと思います。一方、研究者側は、よい研究環境を提供してくれているわけですから、自分が本質的に重要だと思うことを解決し、よいシステムを作り、得られた知見を広めることをやらなければいけません。もちろん、これは研究者として果たすべき義務ですから、これをきちんと果たしていけばよいわけです。
HottoLaboに参加するメリット
- データの提供と報告
- ホットリンクが持っているデータで公開可能なものは、研究者に対して公開します。 覚書等、簡単な書類を交わす必要はありますが、基本的に、学会発表に対する縛りはない形で公開します。
- システムの提供と試用
- 研究者が構築したシステムを、ホットリンクのHP等で公開します。
得られたフィードバックは研究者に返します。ホットリンクは、このシステムをアピールして、他企業から案件をとってくることもできます。
その後、実際に受注して開発を行うことになれば、その時点でどういう体制で開発を行うかという交渉を行います。もちろん、研究開発した研究者の貢献分、営業活動をしたホットリンクの貢献分、その後の開発コストなどを考慮して、貢献した人がメリットを受けられる体制をきちんと作ります。 - 開発への参加
- ホットリンクが取ってきた開発案件に対して、開発に参加します。
当然、企業が主体で行うプロジェクトですから、短期間ですごい速さで進んで終わります。
学生がバイト形式で参加する、研究者が兼業もしくは無償で参加するなどの形になりますが、研究者にとってもニーズを理解するよい機会になります。 - ニーズとシーズの交流
- 研究者とホットリンクの交流の場を持ちます。 研究者は、具体的なシステムのデモや分析結果を中心に報告する、ホットリンク側は、どういう案件で何が求められているのかを、(守秘義務を守った上で)できるだけ具体的な形で紹介するという形が、両者にとって一番よいと思います。具体的に、参加が可能な案件にはどんどん研究者が参加していければよいと思います。
1番目のデータの提供と報告は、すでに最初のケースを実現し、成果を上げはじめています。 2番目のシステムの提供と試用もいくつかのケースを実現しています。 また、ニーズとシーズの交流に関しても近いうちに交流会を行う予定です。
HottoLaboは、このような主旨に賛同していただける研究者の方々と、弊社代表取締役内山をはじめとするホットリンクのメンバーで構成するグループです。
HottoLabo参加メンバー
- 松尾 豊 東京大学 准教授(ホットラボ共同代表)

- 東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科電子情報学専攻博士課程修了。博士(工学)。
2002年より独立行政法人産業技術総合研究所勤務。推論処理などの人工知能、キーワード抽出や要約などの自然言語処理、Webマイニングや電子掲示板の解析などコミュニティ分析で多数の論文・研究成果がある。
キーワード抽出のアルゴリズムに関する研究で、2002年度人工知能学会論文賞受賞。
2003年より総務省 戦略的情報通信研究開発推進制度 若手先端IT研究者育成型研究開発の研究代表者。
著書に「チャンス発見の情報技術」(東京電機出版)分担執筆など。
http://ymatsuo.com/ - 内山 幸樹 株式会社ホットリンク代表取締役(ホットラボ共同代表)

- 東京大学工学科博士課程在学中より株式会社マジックマウス(現:デジット株式会社)立上に参加。日本最初期サーチエンジン「NipponSearch Engine」 開発に参加。個人向け検索エンジン「検索サッチー」開発(IBM アプティバにバンドル、ローソンにてCD-ROM販売)。株式会社マジックマウス(現:デジット株式会社)正式入社。 デジット株式会社常務取締役就任。各種先端Webシステム企画・開発多数。ショッピングモール企画・開発多数。対話型インテリジェントインターフェースエージェントシステム開発。エージェント研究会(現:ホットリンクプロジェクト)立上げ。2000年6月株式会社ホットリンク設立、代表取締役社長に就任。
- 松村 真宏 大阪大学 准教授

- 大阪大学基礎工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科電子情報学専攻博士課程修了。博士(工学)。
東京大学大学院情報理工学系研究科学術研究支援員を経て、2004年より大阪大学大学院経済学研究科専任講師。人工知能、自然言語処理、社会心理学で用いられているテクニックを駆使して、コミュニケーションの分析と理解、コミュニケーション環境のデザインに取り組んでいる。 代表的な論文に「テキストによるコミュニケーションにおける影響の普及モデル」(人工知能学会論文誌)、「2ちゃんねるが盛り上がるダイナミズム」(情報処理学会)、「NPOにおけるリーダーシップ行動の発見」(知能情報ファジィ学会)、「メッセージの背後に潜む『問い』の抽出」(人工知能学会論文誌)などがある。
http://www2.econ.osaka-u.ac.jp/~matumura/ - 大向 一輝 国立情報学研究所 助教

- 同志社大学工学部知識工学科卒業、同志社大学大学院工学研究科知識工学専攻博士前期課程修了。博士(情報学)情報処理推進機構未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定。
2004年、有限会社グルコース設立。 総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻博士後期課程修了。博士(情報学)。国立情報学研究所コンテンツ科学研究系助手。総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻助手(併任)。2007年より、国立情報学研究所助教・総合研究大学院大学助教。 研究概要は、 セマンティックWebにおけるコミュニケーションとインタラクションに関する研究・パーソナルネットワークに基づく情報流通支援に関する研究。
http://d.hatena.ne.jp/i2k/about/ - 福原 知宏 東京大学 助教

- 図書館情報大学図書館情報学部卒業
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了。博士(情報工学)
郵政省通信総合研究所ブレイクスルー21西田結集型プロジェクト特別研究員、科学技術振興機構社会技術研究開発センター研究員を経て、2006年より東京大学人工物工学研究センター客員教員(助手相当)。
オンラインコミュニティの支援と分析に関する研究、日本語を含む多言語ブログ記事からの関心動向解析に関する研究に従事している。
http://www.race.u-tokyo.ac.jp/~fukuhara/index-j.html - 濱崎 雅弘 産業技術総合研究所 研究員

- 2000年 同志社大学工学部知識工学科卒業。2002年 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士前期課程修了。2005年 総合研究大学院大学数物科学研究科博士後期課程修了。博士(情報学)。同年より、産業技術総合研究所情報技術研究部門勤務。情報推薦やオンラインコミュニティの研究に従事。人のネットワークを活用した情報システムに興味がある。
- 古川 忠延 東京大学大学院情報理工学系研究科石塚研究室在学中

- 東京理科大学理工学部情報科学科卒業。東京理科大学大学院理工学研究科情報科学専攻 武田研究室修士課程修了。
主に、Blog上の社会ネットワークとユーザの行動についての研究を行っている。
http://www.miv.t.u-tokyo.ac.jp/mem/tfuru/ - セーヨ・サンティ 株式会社ホットリンク 研究開発室 リーダー

- タイ・キングモンクット工科大学(KMITL)工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科電子情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。
2000年より、日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業プロジェクトのマルチモーダル擬人化インタフェースとその感性基盤機能グループに参加し、様々なエージェント技術の研究を行った。2007年、ホットリンクに入社し、ブログ検索事業を担当している。









