中国インバウンド消費

【海外リサーチ】中国におけるエボラ出血熱に関する報道及び口コミの反応速報

2014年08月12日

アフリカで被害が拡大しているエボラ出血熱は、中国のメディアでも大きく取り上げられています。伝統的にアフリカと外交的な結びつきが強く、また多くの出稼ぎ労働者がアフリカに渡っていることもあり、注目度ではロシアのウクライナ問題以上です。また、封じ込めが難しくなりつつある状況で、中国でもエボラ出血熱の恐怖が現実のものとして語られるようになっており、上海でエボラ出血熱の患者が出たというようなデマも発生しています。

官方:"上海收治一名埃博拉病毒携带者"为谣言
(当局"上海でエボラ出血熱キャリア一名"はデマ)
http://society.people.com.cn/GB/n/2014/0806/c1008-25415127.html

上海"出现埃博拉疑似病例"系谣言
(上海"エボラ出血熱に似た病状"はデマ)
http://tv.sohu.com/20140807/n403208408.shtml

そこで今回は、エボラ出血熱関連のメディア報道の状況や口コミ上での生活者の反響等を通じて、中国におけるエボラ出血熱に対する反響を速報という形で分析してみたいと思います(※1)。

(※1) 今回の事件のモニター対象メディア
報道:雑誌:110 新聞:480 WEB記事:3,000サイト
口コミ:掲示板・ブログ: 600サイト、新浪微博(シナウェイボー)

【中国におけるエボラ出血熱関連報道及び口コミ件数推移】


1.報道内容について

メディアでの報道は特に8月に入り急激な増加をみせています。6月、7月までは毎日数十件程度の露出でしたが、8月に入り、エボラ出血熱の海外への拡散の可能性、上海でエボラ出血熱キャリアが発見された(後にデマとわかった)等の報道が露出して以降は、デマを流した人物の勾留、中国での流行の可能性、過去のSARSとの比較、人道的支援提供、アフリカで働く中国人の状況等、様々な情報が発信されるようになり、1日の報道件数も100件を超えるようになりました。特に、8月9日は報道件数が6月15日以降では最多となっており、この日は上海でエボラ出血熱のキャリアが発見されたというデマを流した男性が勾留されたという記事が各メディアから発信されています。

●報道例:

中国海关严防埃博拉出血热疫情传入
(中国税関、エボラ出血熱の上陸阻止に全力)
http://news.ifeng.com/a/20140812/41547653_0.shtml

中国提供3000万元援助物资运抵西非埃博拉
(中国税関、エボラ出血熱の上陸阻止に全力)
http://www.yangtse.com/gd/2014-08-12/241241.html

中国海关严防埃博拉出血热疫情传入
(北京エボラ出血熱医療チームを組織、院長の携帯電話は志願者からの電話が止まず)
http://society.people.com.cn/n/2014/0812/c136657-25452644.html

男子造谣上海浦东现埃博拉病毒 被拘留5日
(上海浦東地区でエボラ出血熱キャリア一名というデマを流した男を拘束、5日間勾留)
http://news.jxnews.com.cn/system/2014/08/09/013258693.shtml

2.口コミメディアの書き込みについて(日本語訳)

●ウェイボー書き込み例:

ウェイボーでの書き込みをみると、エボラ出血熱の中国への蔓延を心配する声が最も多い。その他、アフリカで働く知り合いを心配する書き込み、当局の適切な情報開示を求める声(SARSの際の当局の情報隠蔽の前科があり)、救援隊に志願する人々への激励の声等がみられました。

  • コントロールできてないってのがやばいよねえ、中国は大丈夫なのかなあ。
  • ウィルスなんて目に見えないから防ぎようがないよねえ、南のほうは結構アフリカから入ってくる人も多いから、香港とか深セン、広州あたりは怖いよ。
  • 上海でウイルスキャリアが発見されたってのはデマなの?デマって言われても怪しいよ、 SARSのときだって、すぐとなりの江蘇省とか浙江省の患者数が数百人だったのに、上海だけ2人だよ、ありえないよ。今回もしエボラが蔓延してもまた隠されそうで不安。
  • 友人は石油会社で働いていて、アフリカなんだよ今、大丈夫かなあ。
  • これから救援でアフリカに行くお医者さんとか本当尊敬するよ、帰ってきたら手厚いサポートをしてあげてください。

3.速報まとめ

現在のところ、エボラ出血熱は中国に上陸していないため、メディアも冷静にアフリカの状況や中国の医療機関、税関等のエボラ対策を紹介する報道を行なっている。また口コミメディアでも、上海でキャリアがみつかったという情報が流れたものの、当局が速やかにデマであることを発表し、発信者を拘束したため、大きな騒ぎにはなっていません。

しかしながら、口コミメディア上では、中国への上陸は時間の問題と心配の声をあげる書き込みもあるほか、特に当局が正確な情報を発表せず、事実を隠蔽してしまうのではないということへの不安が非常に大きいです。かつて、SARS(※2)の流行時や、高速鉄道の脱線事故(※3)の際も、正確な情報が発信されず、事実が隠蔽されたという前例があるため、メディアや当局の発表を完全には信用していないことが書き込み内容からも分かります。

そのため、今後もエボラ出血熱に関する様々なデマや誤った情報がネット上で流布される可能性は十分にあるため、今後も書き込み内容に注目していく必要があります。

※2 SARS:重症急性呼吸器症候群2002年11月(広州市呼吸病研究所は7月と発表)に広東省で発生し、2003年7月に新型肺炎制圧宣言が出されるまでの間に8,069人が感染し、775人が死亡した

※3 中国高速鉄道脱線事故:中国浙江省温州市で2011年7月23日午後8時34分頃に発生した中国高速鉄道の衝突・脱線事故。死者40人を出したほか、行方不明者が発見されていない段階で車両がその場で埋められてしまったことや、死者数の隠蔽が露見する等、事故後の対応が批判の的となった

普千(上海)商務諮訊有限公司について
普千(上海)商務諮訊有限公司
2001年設立。日系広告会社、PR会社、ナショナルクライアントを中心に、中国市場で展開企業、ブランド、商品の広告、記事、口コミ情報の統合的モニタリングを行い、収集したデータをもとに、データ分析、レポート作成、マーケティング戦略、PR戦略、WEB戦略、コミュニケーション戦略コンサルティングサービス等を提供。運用する広告、記事、口コミデータベースは業界最大規模。

普千(上海)商務諮訊有限公司サービス概要

1.統合型モニタリングシステムの提供:

中国市場で展開する企業、ブランド商品の広告、記事、口コミ情報を収集しデータベース化し、各種情報をお客様に御提供致します。

2.データ分析、レポートの提供:

システムを使用して収集したデータを分析し、様々な分析レポートをお客様に御提供致します。

3:コンサルティングサービスの提供:

データ分析、レポートの結果等をもとに、マーケティング戦略、PR戦略、WEB戦略、コミュニケーション戦略等のコンサルティングサービスをお客様に御提供致します。 企業サイト:http://www.pqshanghai.com/jp/
 
 

本件に関するお問い合わせ先はこちら

03-6261-6933 03-6261-6933 (平日9:00~18:00)