中国インバウンド消費

【海外リサーチ】中国独禁法違反調査に関する新浪微博(シナウェイボー)口コミ速報

2014年08月11日

7月18日、国家発展改革員会は、中国で活動を行う外資系自動車メーカーが独占的地位を利用して部品の価格を不当に釣り上げているとして、独占禁止法違反の疑いがあるとして調査を開始することを発表しました。

发改委调查多家车企垄断行为
(国家発展改革委員会、複数の自動車企業に対し独禁法違反行為で調査)
http://money.163.com/14/0718/11/A1EDRUO9002529IR.html

中国で独禁法違反に対する調査が激しさを増しています。2014年の独禁法違反調査は特に外資企業がターゲットとなっていることも大きな特徴で、少し前のニコン、J&J、マイクロソフト、そして大きな話題となった食肉加工企業上海福喜(米OSIグループ)、そして今回の自動車メーカーの調査と、海外のメディアでは「中国の外資たたきによる、国内企業保護」という視点で多数の報道がなされています。

一方で、実は2014年2月の段階で中国の商務部が「今年は独禁法違反を厳しく取り締まっていく」という発表を行なっており、今回の件もその流れの一つという見方もできます。

商务部:今年将加强反垄断配套立法工作
(商務部:今年は独禁法違反の法律及び違反調査取り締まりを強化)
http://business.sohu.com/20140228/n395835016.shtml

そこで今回は、自動車メーカーに対する独禁法違反調査に関する報道の内容や、それに対する口コミメディアでの消費者等の声を分析し、速報という形でまとめ(※1)、独禁法違反調査とその背景について分析してみたいと思います。

(※1) 今回の事件のモニター対象メディア
報道:雑誌:110 新聞:480 WEB記事:3,000サイト
口コミ:ブログ・掲示板: 600サイト、新浪微博(シナウェイボー)

1.2014年1月からの独禁法に関する動き

2014年2月20日:

中国电信中国联通遭遇反垄断调查
(中国電信、聯通、発改委より独禁法違反の疑いで調査)
http://www.caijing.com.cn/2011/monopoly2011/index.html

2014年2月28日:

商务部:今年将加强反垄断配套立法工作
(商務部:今年は独禁法違反の法律及び違反調査取り締まりを強化)
http://business.sohu.com/20140228/n395835016.shtml

2014年3月:

四大行封杀余额宝违反《反垄断法》
(4大銀行の余額宝(オンライン理財商品)に対する購入金額制限は独禁法違反のおそれ)
http://www.dongao.com/news/hy/syn/201403/148327.shtml

发改委关注车险价格垄断
(発改委、自動車保険価格の独占性に注目)
http://finance.qq.com/a/20140321/005302.htm

2014年4月:

全车零件总价最高是车价12倍 揭中国车市垄断暴利
(部品総額、最高車体価格の12倍、中国自動車市場の独占的暴利を暴く)
http://www.jznews.com.cn/comnews/system/2014/04/14/011383025.shtml

2014年5月:

发改委开今年反垄断首张罚单、尼康博士伦强生等被罚
(発改委、今年初の独禁法違反での罰金命令、ニコン、ボシュロム、J&J等メガネ、レンズ企業に)
http://news.xinhuanet.com/fortune/2014-05/30/c_126566098.htm

2014年6月:

雀巢惠氏多美滋美赞臣等洋奶粉受到反垄断调查
(ネスレ、Wyeth、Dumex、MeadJohnson等外資ミルクブランド、独禁法違反調査受け入れ)
http://gd.sina.com.cn/yj/chanye/2014-06-26/10241042.html

2014年7月:

发改委调查多家车企垄断行为
(国家発展改革委員会、複数の自動車企業に対し独禁法違反行為で調査)
http://money.163.com/14/0718/11/A1EDRUO9002529IR.html

2.今回の自動車メーカーの独禁法違反に関する内容と各社対応状況

●報道内容:

《経済観察報》の報道によると、数多くの著名自動車メーカーのアジア太平洋地区担当者が、先週国家発展改革委員会価格監督検査局独占禁止局を訪れ、独禁法違反の調査を受けたことが明らかになった。執行機構では、これらの自動車メーカーが市場の支配的地位を利用して、自動車部品の価格を不当に釣り上げる独占的な行為を行なった断定しており、近く具体的に罰金等の措置を発表するとしている。

テレビ放送の動画
国家发改委:汽车反垄断结果近期将公布
(国家発改委:自動車企業独禁法違反調査の結果は近日中に発表)
http://tv.sohu.com/20140807/n403202397.shtml

●各社対応:

部品価格の値下げを発表
Audi、Mercedes-Benz、LANDROVER‐JAGUAR、BMW、広汽TOYOTA、広汽HONDA

※発改委が発表した日系12社について詳細は未発表
※ほぼ全ての調査対象企業が当局に積極的に協力、価格の調整をすぐに発表した

3.口コミ(新浪微博(シナウェイボー))上の反応(※日本語訳)

  • 部品は確かに高い、車が15万元だったのに、パーツ換えるだけで2万元ってありえないよねえ。
  • 輸入車だったらパーツも輸入なんだし高くなるのは仕方ないんじゃない?高すぎるのは問題だと思うけど、それが嫌なら輸入車買うなよって話でさあ。
  • 自動車はパーツに汎用性が少ないし、純正買わないといけないことが多いから、価格の主導権はメーカーにあるよね、1,000元ですって言われたら嫌と言えない。
  • 自動車もそうだけどガソリンとかもっとひどいよ、あれこそ独占だろうに。
  • 独禁法違反とか中国ではお笑いだよ、通信、エネルギー、交通、メディアこの手の大儲けしている国営企業はみんな独占だよ。
  • 中国メーカーに実力があれば、自然に価格は下がるよ、携帯電話みてみろよ、シャオミーとかホワウェイとかLenovoとかさ。
  • 価格下げるのはいいけど品質が下がるのはやめて欲しい。

4.速報まとめ

今回の自動車メーカーに対する独禁法違反調査も、2014年の初めから始まっている独禁法違反調査の強化の一環であることがわかります。海外の報道では外資たたきによる自国企業保護を目的とした動きという内容もみられますが、2014年1月以降に独禁法違反で調査の対象となっている外資企業とその企業が市場活動を行うカテゴリーをみると、中国企業が外資企業に対抗できるほど実力を持っているカテゴリーは少なく、発改委が独禁法違反調査で外資をたたいたところで、その分相対的に中国企業の存在感が増すということは考えにくいかと思います。

また、中国製品の品質の悪さや不祥事から国民の目をそらすためといった論調もありますが、中国の消費者もそれほど単純ではなく、一般的な中国人なら、「外資でさえこの程度なら、中国企業の製品なんてとてもじゃないが怖くて使えない」と考えるのが普通です。

とはいえ、今回のような外資企業を対象とした独禁法違反調査はしばらく続くとみるほうが賢明です。特に輸入品、高価格、外資企業が大きなシェアを持っているカテゴリーは特に注意が必要と言えると思います。

今回の自動車メーカーに対する独禁法違反調査は、発改委の発表によれば2011年末から開始されています。独禁法違反の調査に関しては、報道が行われるたびに「では、中国国営企業の独占性はどう考えるのか?」という意見が中国でも必ず上がります。通信、エネルギー、運輸、メディア等の業界は、今回の外資自動車メーカーとは比較にならないくらい独占性の強い業界ですから、こうした本丸に今後発改委が手をつけることができるかどうかで、これまでの外資たたきが単なる「外資たたき」や「国民の目をそらす」ためのものだったのか、或いは本丸を落とすための布石、外堀を埋める作業だったのかがわかると思います。中国で展開する企業としては、その目的はともかく、ここしばらくは外資企業に対する独禁法違反調査が断続的に発生することを念頭においた対応が必要になることは確かです。

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2001年設立。日系広告会社、PR会社、ナショナルクライアントを中心に、中国市場で展開企業、ブランド、商品の広告、記事、口コミ情報の統合的モニタリングを行い、収集したデータをもとに、データ分析、レポート作成、マーケティング戦略、PR戦略、WEB戦略、コミュニケーション戦略コンサルティングサービス等を提供。運用する広告、記事、口コミデータベースは業界最大規模。

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